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今年のワールドシリーズ優勝が「2度目」の選手たち。ピーダーソンは2年連続、ソレーアは5年ぶり…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョク・ピーダーソン(アトランタ・ブレーブス)Nov 2, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスが、26年ぶりのワールドシリーズ優勝を飾った。ブレーブス一筋のフレディ・フリーマンをはじめ、このシリーズでロースターに名を連ねた選手の大半は、優勝を経験したことがなかった。今年がワールドシリーズ初出場の選手も、多かった。

 ただ、なかには、今年が2度目の優勝という選手もいる。

 ジョク・ピーダーソンは、2年連続だ。昨年までは、ロサンゼルス・ドジャースでプレーしていた。違うチームの選手として2年続けてワールドシリーズ優勝は、史上9人目。ちなみに、1年前に優勝した時、真珠のネックレスはなかった。

 シリーズMVPを受賞したホルヘ・ソレーアは、シカゴ・カブス時代の2016年に続く、2度目の優勝。先月半ばに「5年前に「山羊の呪い」を解いたメンバーのうち、6人が今年のポストシーズンへ。この選手はWS優勝も!?」で書いたとおり、ポストシーズンの途中で新型コロナウイルスに感染した。離脱するまでの3試合は、11打数1安打(打率.091)、0打点。復帰後の8試合は、22打数7安打(打率.318)、3本塁打、6打点を記録した。また、5年前の優勝当時はまだブレイクしておらず、ワールドシリーズの出場は7試合中2試合に過ぎなかった。そのオフにトレードでカンザスティカンザスシティ・ロイヤルズへ移り(ウェイド・デービスと交換)、2019年に48本のホームランを打った。

 第1戦に骨折したチャーリー・モートンは、4年前にヒューストン・アストロズの選手として優勝している。言うまでもないが、今年のワールドシリーズの相手はアストロズだった。ただ、ワールドシリーズでいつも勝者の側にいるわけではなく、タンパベイ・レイズで投げていた昨年は、ピーダーソンのいたドジャースに敗れた。2017年はドジャースを倒し、昨年はドジャースの前に屈したということになる。骨折については「右足骨折の投手が、イニングをまたいで打者3人を討ち取る。次の登板は…」で書いた。

 今年のワールドシリーズに出場し、2度目の優勝を味わったのは、この3人だ。

 ロースター入りしながら出場機会がなかったテレンス・ゴアは、2015年にロイヤルズが優勝した時も、在籍はしていたものの、出場はしていない。この年は、ディビションディビジョン・シリーズとリーグ・チャンピオンシップ・シリーズに1試合ずつ出場した後、ワールドシリーズはロースターから外された。今年は、ディビジョン・シリーズで1試合に出場し、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズはロースターに入らず、ワールドシリーズで再びロースターに戻った。他の年を含め、ポストシーズンの出場10試合はすべて代走。そこから守備についたのは、2018年のワイルドカード・ゲームしかない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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