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【橋本市(高野山エリア)】高野口駅前通りの、見た目トーテムポールの電柱の謎に迫る

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本/高野/かつらぎ/九度山)

高野口の駅前通りには、少し色褪せてきてはいるものの、明らかにトーテムポール柄の電柱があります。

今回、このペイントされた電柱の謎を調査しました。

所々ハゲてきているものの、全体としてはキレイに柄が残っています
所々ハゲてきているものの、全体としてはキレイに柄が残っています

時は37年前。

今は松源高野口店の隣にある「こにしシューズ&バッグ」の前身、「シューズ&バッグ小西本店」の時代、当時郵便局のそばにあった店舗を駅前通りに移転する際に、新店舗の前に電柱がありました。

その電柱がそのままだと店舗が周りから見えづらい位置だったため、何かにうまく活かせないかということで現社長が自腹でトーテムポール柄にペイントしました。

関西電力にきちんと許可申請し、全国で初めての電柱にペイントするテストケースとして当時許可されたとのこと。

せっかくペイントするならと、頼まれた看板屋さんはその頃有名だった奈良県桜井市にトーテムポールを勉強に行き、本格的なトーテムポール柄を学び、電柱にやぐらを組んで1週間かけて描きました。

今も大部分がキレイに残る、丁寧な仕上がりが見てとれます
今も大部分がキレイに残る、丁寧な仕上がりが見てとれます

広告要素はなく、本格的なトーテムポール柄
広告要素はなく、本格的なトーテムポール柄

完成後はその本格的な姿を新聞各社が取り上げ、一時はプチ観光名所になったり、他地域から「うちの町にも作りたい」と視察がくるほど人気が出て、子供たちも電柱を撫でたり叩いたりして面白がったそう。

メディア掲載効果もあり、お店のこともかなり知ってもらえたようです。

それから37年が経ち、ペイントが今も鮮やかに全面残っているのは本当に凄いと思います。当時の看板屋さんの丁寧な仕事ぶりが想像できます。

今は(まだ目立つけれど)街の風景に馴染んできたトーテムポール。本当に日本にココだけ許可されているとしたら貴重な一本なので、大事にしたいですね。

ちなみに、電柱管理者の関西電力にも問い合わせして、彩色した背景や令和現在での全国レベルでの他地域の塗装例の有無、地域の他の電柱へも彩色が可能かどうか尋ねましたが、

「トーテムポールについてペイント事情は全てお答え致しかねる」

との回答でした。
某大きいモータース社が店舗前の樹木を勝手に枯らしたり伐採するのとは対極的に、みんなが楽しめるアイデアで社会に迷惑をかけることなく行動された現社長は素敵だと思いました。外野から見ると、この話は関西電力にとって地域貢献企画として社会的に意義のある事案だったと思うのですが、現在はこのような返答になり、残念です。

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「高野口のトーテムポール電柱」

場所:裁ち寄り処(和歌山県橋本市高野口町名倉288)の手前南側の道路沿い

※いつでも見れます。

★橋本市・高野町の皆さまの「あれが何か気になるなぁ」「これどうなってるの?」という事象があればご一報ください。すべての案件を調査することはできませんが、皆様の目線で見つけた気になる地域のことは私も興味があるので、随時調べて回答させていただきます。
ご連絡先:saikoro3+news@gmail.com (田中)

地域のあしもとマイスター(橋本/高野/かつらぎ/九度山)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。社会教育士 (橋本市/高野町/かつらぎ町/九度山町 担当)

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