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スーパーウエルター級全勝対決を制した身長188cmのサウスポー

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Stephanie Trapp/SHOWTIME

 SHOWTIMEの若手育成番組『SHOBOX』がメインイベントとしたスーパーウエルター級10回戦、12戦全勝5KOのアードレアル・"ボスマン"・ホームズ・ジュニア (28)vs.12戦全勝8KOのイスマエル・"マエロ"・ビジャレアル(25)戦は、判定決着となった。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
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 SHOWTIMEは「クラシックなマタドールvs.猛牛のような試合となった」と表現したが、確かにホームズがペースを握り、強打のビジャレアルを苛立たせた。

 サウスポーのホームズは安全策をとり、ビジャレアルが距離を詰めるとジャブでそれを抑えてはポイントを重ねた。身長188cm、リーチが189cmの体型的アドバンテージを徹底的に生かした。

 第8ラウンド残り1分、ビジャレアルが強烈な右を放ち、一瞬ホームズの動きを止めるが、その後が続かない。

 ホームズの放ったジャブは422発。269のビジャレアルを大きく上回り、スコアカードに反映されないほどの威力を発揮した。そして、96-94、97-93、94-96のスコアで勝利し、戦績を13戦全勝5KOに伸ばした。ビジャレアルは12勝(8KO)1敗となった。

Stephanie Trapp/SHOWTIME
Stephanie Trapp/SHOWTIME

 勝者は語った。 

 「2・3ラウンドはポイントを失ったような気がした。でも、彼にとってはあそこが最大の山場だったな。俺はジャブで差をつけた。前回よりもステージが上がり、タフな試合となった。自分はまだ13戦しかしていないので、もっともっと成長していくさ」

 ハードパンチは持ち合わせていないホームズだが、長身とリーチを武器としたボクシングで、どこまで上れるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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