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阪神タイガース 安芸キャンプ 2日目《2/2》           

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
気合いの横田選手(右)を見て苦笑いの一二三選手(中)と、圧倒されている植田選手。

高知県安芸市営球場で行われている阪神タイガース2軍キャンプ。きのう2日はフリー打撃登板など特別なメニューはなく、投手陣は連日のブルペン入りでピッチングを行いました。球数だけ書いておきますと、多い順に渡辺100球、藤原72球、伊藤和63球、松田57球、安藤56球、高宮54球、鶴52球、加藤51球、玉置51球、守屋51球、トラヴィス40球です。

遼馬、ことしはケガなく乗り切る!

そんな中、今はまだ50球という制限つきでピッチングをしている松田投手の話をご紹介しましょう。この日も久保投手コーチから途中で「50球まで」と声がかかったんですが、ちょっと多めになったとか。久保コーチは「50球くらいがちょうどいい。徐々に持っていこうと思っています。急に上げて壊れてはいけないので。変な投げ込みは全然必要ない。コースだけ。自分に合った方法でね。1回できたことを2回、3回やるにはバランス。バランスが必要。フォークは絶対に欲しいですねえ。軌道のないボールは必要だから」と話していました。

「50球をバランスよくやっていますね。いつも50球で終わろうと思っているけど、きょうは調子もよかったんで少し多めになりました」と松田投手。力の入れ具合は?「8割くらいでバランスよく」。8割というのは「試合とかで全力と力むのが速かったから、リリースだけで力を出せるように。そういう意味もある」そうです。

2日はブルペンでフォークも少し投げた松田投手。
2日はブルペンでフォークも少し投げた松田投手。

低めを意識しているかの問いに「まだ、低めにというよりはしっかりコースに投げ分けられるようにという感じです」と答え、真っすぐの手応えを聞かれると「悪くはなかったですね」とのこと。またフォークについては「最後の方でちょっと投げただけで、まだまだ全然。これから増やしていけたら」と言っています。久保コーチがフォークは必要と話していました。「あった方が幅が広がると思うし、自分としては試合で絶対使いたいボールなので」

2年続けて、春季キャンプでケガしてしまった松田投手。「2回失敗しているので、なんとか乗り切りたい。去年が沖縄で、ことしは高知。ケガしたからというよりは寒いのもあるから、ケアを多く取っています。ヒジ、肩と2か所やっているので。多くといっても時間じゃなく種類です」。そろそろフリー打撃に登板も?「いくんじゃないですか。4日と言われたら、しっかりそこで投げられるようにしたいです」。それにしても受け答えがすっかり大人になりましたねえ。

4日という話が出たように、次に投手がフリー打撃で投げるのは4日の予定で、久保コーチは「守屋とかももちろん。ブルペンであれくらいのボールを投げられれば、打者との対戦はできる」と太鼓判を押しています。またシート打撃の予定は7日と9日だそうです。

「横田の打球がエグすぎる」と一二三

次に、初日にフリー打撃と特打を合わせて18本のサク越えを放った一二三選手ですが、本人は「ただ飛ばしてるだけなんで…ストレートマシンはタイミング合わんかったし」と満足とはいかない様子でした。この日はロングティーのあと続けて特打でかなりきつかったようですが、フリー打撃の時よりみんな明らかに打球が伸びていました。一二三選手も「それはまあ」と言い、そして「ただ横田の打球がエグい!エグすぎ!」と。

バント練習中の一二三選手。きょう3日はランチ特打もやる予定です。
バント練習中の一二三選手。きょう3日はランチ特打もやる予定です。

きのう書いたように横田選手はフリー6本に特打19本。バックスクリーンにゴンゴン当てていました。あの音、聞こえてる?「聞こえてますよ~。あれ聞いたら、もう『はあー』ってなりますもん」。ゲンナリという表情の一二三選手です。なるほど。それは萎えるかも。じゃあ同じ組で打つのは…「イヤっすよ~。あいつ、ほんまエグいっすわー!」と繰り返しました。

なお、きのうもフリー打撃と特打を行い、特打では154スイングでサク越えは14本。安打性の打球が約40本。初日に比べてライナー性の打球が多かったような気はしたものの「別に何も変えてないですよ」と言います。でも古屋監督から「いい形で打っていたね」という言葉がありましたし、とにかく実戦で結果が欲しいでしょう。沖縄の同級生たちには負けていられません。

次々と出てくる“横田語録”

一方、横田選手について古屋監督は「去年に比べても体が強くなった。10キロ増えて、太ももも大きくなった。まだ打ち損じが多いけど、ああいう飛距離を見ると楽しくなるね」と目を細めます。本人に聞くと「去年から(体重が)10キロ増えて94.5キロ。また少し増えました」とのこと。体脂肪率は2ケタあるそうです。どうやって増やしたの?「とにかく食べました。1日4食、好きなものをすきなだけ。肉、麺、魚、海鮮丼」…急に海鮮丼が出てきた(笑)

10キロ増えて打球の違いなどはないと言いますが、飛距離は出ていましたね。「でもマシンとか確率が悪かった。実戦もあるので、確率を上げていきたい」。沖縄で陽川選手が1日1000スイングという話もありました。それを聞いてメラメラと闘志がわいてきたりする?「あんまりないですねえ」。そう。じゃあ北條選手だったら?「きます!」。素早い答えだなあ。

きのう2日はフリー打撃で80スイング中8本のサク越えを披露した横田選手。監督が打撃練習を見るのは楽しみだと言っていましたよ。「飛ばすというか、自分の納得いく打球を増やしたい。今は確率が悪いので」。逆方向への打球は押し込んで?「左方向へ打つ感じですが、押し込んでいるつもりはあまり…あっちの方が伸びるから」。なぜでしょうね。「謎です」。一同爆笑でした。

横田選手その1。しっかり脇が開いちゃっていますねえ。
横田選手その1。しっかり脇が開いちゃっていますねえ。
八木コーチ(右)の指導で、だいぶ脇が閉まってきた?
八木コーチ(右)の指導で、だいぶ脇が閉まってきた?

ティーバッティングの際に、八木打撃コーチからアドバイスをされていた(右の写真)のは何だったんですか?「あれは手首を返すように。あ、違う。脇を締める練習です」。詳しくはまた八木コーチに確認してみますけど、とりあえず脇が開いているという自覚はあったの?「はい。去年からずっと開いていました!」。これまた大爆笑でしょう?お店か何かじゃないんだから。答えを急ぐあまり省略しちゃうんですね。「去年からずっと、開いていると思っていました」と言いたかったのかも。そして今後の方針も、ややこしい言い方になってしまったので代弁すると「脇を締めて、でも小さくならないようにやっていきたい」そうです。

足がつった?いえ大丈夫!植田

初日は『ロングティー』が野手の全体練習ラストメニューで、そのあと特打と特守でした。きのうの締めは『早打ち』と『股割りティー』。早打ちはティーバッティングを20本、速く休みなく打つもの。股割りはその名の通り両足を大きく開き、下半身を踏ん張ってティーバッティングするものです。みんな2人1組で交代しながらなのに、横田選手だけは1人でした。もちろん休憩を挟んではいたけれど、ものすごいパワー。植田選手も呆気にとられていた感じです。

その植田選手は、サブグラウンドで特守を行いましたが、左太もものひざ上あたりがつったため途中終了。本人によれば「つったというより、つる手前」だそうで、山下トレーナーも問題ないと話しています。「この部分は初めてですね。太ももの上はよくあったけど。でも大丈夫やと思います。つりそうだっただけなので」と植田選手。

バント練習もしていました。「はい。バントはあんまりやってなかったです。サインとか出なかったので」。そうですよねえ。守備練習は?「きついです。高校よりも。高校では人数が多いから1人1人そんなに、じっくりみてもらえるわけじゃないし」。坂選手、森越選手と3人1組でノックを受けていて「やっぱりうまいですねえ!ずっと見ていました。自分にないところとか真似していけたら、いいと思います」

坂選手(右)、森越選手(左)と一緒にノックを受ける植田選手。
坂選手(右)、森越選手(左)と一緒にノックを受ける植田選手。

そして最後のティーバッティングについて「早打ちはやったことありますけど、股割りは。あれはキツいっすねえ」と苦笑いでした。体は硬い方?「はい」。それは…頑張ってください。

黒瀬、原口、そして濱中コーチについて

その植田選手、きょう3日もしっかり本隊で全体練習に入っています。ご安心ください。また1日に離脱した黒瀬選手は、右ふくらはぎの強い張りとのこと。山下トレーナーから「無理せず張りが取れてからでいいと監督も言ってくれましたので、練習から外しています。見てわかる通り歩くのは問題ないんですが、スパイクを履くと痛いようで。確認のため病院へは行きました」と説明があり、黒瀬選手本人も「ちょっと張っているだけです。筋肉痛の強いやつ、って程度」と話しています。しばらく別メニューになるでしょう。

同じく右肩痛で別メニューの原口選手は「スローイングは開始していないので本隊合流は無理との判断です。バッティングはできます。本人はやりたい、やりたいと。そこを抑えています。まじめな子なんでね」と山下トレーナー。本人も、はやる気持ちを抑えての序盤です。

最後に濱中治ファーム打撃コーチの話です。きょう3日の朝、山下トレーナーから説明があって驚いたのですが「きのう2日の練習後、腹痛を訴えて高知県内の病院で診察を受けました」とのこと。診断結果は「急性すい炎で入院加療が必要」、退院の時期などは今のところ不明。しばらく練習には参加できないようです。濱中コーチを見に安芸へ来られる予定だった方もいらっしゃるでしょう。早く元気な姿が見せられるよう、治療に専念してください。待っています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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