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暑い晴天一転、2日~4日はメイストームや寒気に警戒を!

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
大雨にも注意、警戒を(写真:アフロ)

5月も暑い晴天でスタート

今年のゴールデンウィークは全国的に暑さと晴天で始まり、5月のスタートもその傾向が続いています。

きょう1日も群馬県や岐阜県、大分県などで30℃以上の真夏日を記録している他、東京都心でも28.1℃まで上がり、4日連続の夏日となっています。

ところが2日~3日はメイストームに警戒が必要です。

メイストームとは?

メイストームをもたらす予想天気図(ウェザーマップより)
メイストームをもたらす予想天気図(ウェザーマップより)

3月から5月にかけて、北からの冷たい空気と南からの暖かい空気が日本付近で激しくぶつかりあい、低気圧が急速に発達しながら通過することがあります。

この低気圧によってもたらされる嵐を「春の嵐」や「メイストーム(5月の嵐)」と呼んでいます。

特に低気圧が日本海を進む場合は、南からの暖気が勢いよく日本列島にぶつかり、雨雲が発達するため、より広い範囲で大雨や強風(暴風)が吹き荒れる大荒れの天気となります。

2日~3日にかけて、この日本海低気圧に伴うメイストームに警戒が必要です。

2日は西日本で荒天に

2日午後6時の雨や風の予想(ウェザーマップより)
2日午後6時の雨や風の予想(ウェザーマップより)

朝鮮半島付近で発生する低気圧が日本海へ進んでくるため、あす2日は西日本の広い範囲で雨となるでしょう。

活発な雨雲が発生し、九州や四国など太平洋側を中心に雷を伴った激しい雨(非常に激しい雨)が降り、大雨となる恐れがあります。また南風も強まるでしょう。

3日は東~北日本で荒天に

3日6時の雨と風の予想(ウェザーマップより)
3日6時の雨と風の予想(ウェザーマップより)

低気圧はさらに発達しながら日本海を北東へ進むため、3日は東日本や北日本を中心に雨や風が強まる見込みです。

今のところ、東京など首都圏で雨や風が最も強まりそうなのは3日の明け方から昼前にかけて。都心でも強い南風を伴って、ザーザー降りの雨となるかもしれません。

雨雲が特に発達しやすい紀伊半島から関東にかけての太平洋側では大雨となる恐れがあります。

北日本は3日の夕方にかけて雨や風の強まる所があるでしょう。

4日は強い寒気、大規模な雷雨や山岳の雪に警戒

上空約5500mの寒気予想(ウェザーマップ)
上空約5500mの寒気予想(ウェザーマップ)

4日(金)になるとメイストームをもたらした低気圧は弱まる見込みですが、今度は上空に強い寒気が流れ込んできます。

これは寒冷渦とも呼ばれるもので、予想では上空約5500mで-30℃近い、平年より10℃以上も低い寒気が日本海側を中心に流れ込む予想です。これはこの時期としては記録的に強いものです。

この寒気が引き起こすのはまず大気の状態を非常に不安定にさせること。

5月は地上の気温が上がる時期にも関わらず、上空には冬の名残の寒気が流れ込むことがあり、これらの影響で雷雲の発達しやすい時期でもあります。

過去にはゴールデンウィークに今回と同じような寒気の影響で、茨城県つくば市などで大規模な竜巻が発生したこともあり、今回も十分な注意を要します。

さらにもう一つは山岳部での降雪や吹雪、低温。

今回のような寒気が入ると、標高が2000mを超える高い山では雪となり、突然の吹雪に見舞われることも珍しくありません。

ゴールデンウィーク期間中の登山は吹雪や低温による山岳遭難の発生しやすい時期でもあります。

上記、つくば市で竜巻が発生した2日前には先行して流れ込んだ寒気の影響で山岳部では雪が降り、長野県白馬岳で6人が遭難し、低体温症で命を落とすという悲劇も同時に発生していました。

2日~4日にかけて、様々な気象現象に注意を要する天気となります。

気象災害の他、交通機関の乱れなどにもご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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