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広く晴れて気温上昇も前線接近…九州など梅雨入りの可能性は?:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
(左)8日、(右)9日の予想天気図(気象庁HPより)。低気圧と前線が東へ進む。

8日は北日本~東日本では広く晴れて、気温が30度に達して真夏日になるところもある予想ですが、西からは雨雲が近づいてきます。
九州では8日午後から雨が降り出し、9日(日)には西日本太平洋側で雨脚が強まりそうです。
各地の梅雨入りは来週末15・16日以降の可能性が高いとみられますが、すでに梅雨入りが平年より1週間以上遅れている九州南部はこの雨をきっかけに梅雨入りの発表があるかもしれません。

西からゆっくり天気下り坂

8日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPより)。
8日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPより)。

8日は近畿から北海道にかけて広く晴れる見込みで、気温がぐんと上がりそうです。予想最高気温は鳥取・京都・長岡(新潟)・横手(秋田)で30度、福井は31度と、日本海側中心に真夏日となるでしょう(気象庁予報、8日1時時点)。北海道でも30度に迫る暑さのところが出てきそうで、おでかけも仕事もこまめな水分補給と休憩が必須です。

一方、九州の東の海上では低気圧が発達し、9日(日)には前線を伴って東へ進む見通し。九州では8日午後から、中国・四国でも夜には雨が降り出しそうです。この雨は9日(日)には東海にかけて広がり、前線に向かって湿った空気が流れ込むため太平洋側は雨脚が強まるでしょう。

なお、この雨が週明け10日(月)に関東まで広がる可能性があります。今のところ10日(月)の東京は「曇り」で「信頼度C(予報が変わるかもしれませんよ、という気象庁のサイン)」となっているため、週末の間も最新の予報を確認してください。

西日本の梅雨入りはどうなる?

九州・四国の週間予報(気象庁HPより)。
九州・四国の週間予報(気象庁HPより)。

平年の梅雨入りは九州南部で5月30日、九州北部で6月4日、四国で6月5日で、特に九州南部ではすでに梅雨入りが1週間以上遅れていることになります。
今回の雨のあと、各地ともに11日(火)には一旦晴れ間が出る見込み。そのため、梅雨入りの発表は次の週末15・16日に再び前線がかかるタイミングではないかと見ている気象会社が複数ありますが、九州・四国ともに8日または9日の梅雨入り発表もあり得る状況です。

ただ、当然ながら梅雨入りしたから雨の日が多くなるとか梅雨入りしなかったから少なくなるというわけではなく、この週間予報の見た目通り、このさき曇りマーク主役の空模様が続くことになります。
雨と湿気への対策はもう始めておきましょう。

来週後半は「蒸し」暑さに注意

早期天候情報(気象庁HPより)。
早期天候情報(気象庁HPより)。

週間予報よりも先の未来について、気温や降水量が平年を大幅に上回ったり下回ったりしそうな場合、気象庁は「早期天候情報」というものを出します。
現在出ている情報によると、東北と関東について15日(土)頃から気温が平年を大きく上回る見通し。
この15日(土)の週末は梅雨前線の北上によって湿った空気が入りやすいタイミングでもあり、ただの暑さではなく「蒸し暑さ」に注意が必要です。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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