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伝説の元統一ウエルター級王者が、来たる3冠同級タイトルマッチについて語った

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 4月16日にテキサス州アーリントンで催されるWBA/WBC/IBF統一ウエルター級タイトルマッチ。

 WBAチャンピオン、ヨルデニス・ウガスが現地時間4日に行ったバーチャル記者会見に、あのフェリックス・"TITO"・トリニダードが参加した。

 1999年9月18日にIBF同級チャンプとして、WBC王者オスカー・デラホーヤを下して2冠を統一した名ファイターである。

1999年9月18日のTITO対デラホーヤ
1999年9月18日のTITO対デラホーヤ写真:ロイター/アフロ

 2014年に国際ボクシング殿堂入りを果たしたトリニダードは語った。

 「マニー・パッキャオ戦を見ましたが、キューバ人ファイター、ウガスの出来は素晴らしかった。スペンス戦のウガスも、パッキャオを攻略したように戦うでしょう。彼のスピードと正確さが、観客を唸らせるように思います。

 この試合は、私とデラホーヤが戦った時のような、全てを手に入れるか、何もかもを失うかのチャンピオンvsチャンピオンです。当時の私は幸運なことに、プエルトリカンであり、アメリカ市民でもありました。私のキャリアは、常に家族に支えられており、大いに助けられましたよ。数多くの誇らしいファイトを演じられましたし、素敵な思い出を作ることが出来ました。

 今は人生の次の章として、家族との時間を大切にしています。それは私にとってかけがえのない宝です。今、幸せを感じながら日々を生きています。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ウガスも自身の誇りを懸けて戦うことでしょう。(WBC/IBFウエルター級王者の)エロールは、背が高く、手足の長いサウスポーです。強く、速い左を放ってくる筈です。サウスポーを相手にする折オーソドックスは、右の使い方が鍵となります。私なら力を込めた右を放ちますね。

 ウガスの能力----コンディショニングとメンタルの充実度----は私と似ている気がします。彼はそれらを研ぎ澄ませ、試合にも生かすでしょう。私の現役時代のように、周到な準備をしたうえでリングインするでしょうね。そして良い戦いをすると信じています。

 ウガスは近距離で戦うように予想します。ワンツーからのアッパー、更に左という得意のコンビネーションを見せるんじゃないかな」

 トリニダードとデラホーヤの統一ウエルター級戦は、「1000年に一度の試合」なるキャッチコピーが付けられた。ウガスとWBC/IBFウエルター級王者、エロール・スペンス・ジュニアとの一戦は、それを凌ぐ熱戦となるか。ゴングまで、あと10日である。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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