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Apple Watch「心房細動履歴」機能が日本上陸

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
昨年のWWDCで発表された心房細動履歴機能

アップルの腕時計型端末「Apple Watch」は時計としての機能だけでなく、メッセージの通知やスケジュールチェックなどiPhoneをカバンやポケットから取り出さなくても情報を確認できる便利なデバイスだ。

一方、常に身体に装着しているため、自分の身体のようすを確認できるという利便性も備えている。1日の歩数や消費カロリー、どれくらい立っていたかなどのデータがわかる。

そうしたデータは安価なデバイスでも把握できるが、Apple Watchが凄いのは「心臓」の様子を捉え、重大な疾患を防ぐ機能も備えているのだ。

アップルは5月22日、日本でもApple Watchで「心房細動履歴」がわかる機能を提供した。心房細動履歴は2022年から欧米で導入済みで、ようやく日本でも対応となったのだ。

心房細動とは心臓内の部屋である心房が小刻みに震えて痙攣し、不規則な動きをしてしまい、うまく働かなくなる病気だ。心房細動になると、動悸やめまい、脱力感、胸の不快感、息苦しさを感じるようになる。自覚症状がない場合でも、心房細動が原因で脳梗塞を起こすこともあるという。

実はApple Watchでは高心拍数や低心拍数、不規則な心拍があれば通知を行ってくれ、心電図アプリで状況を把握することが可能だ。実際、Apple Watchを着けていたことで、心房細動の可能性がわかり、すぐに病院に行き、手術をして助かったと言う人が後を絶たないのだ。

今回、Apple Watchでは、医師の診断により心房細動であるわかった人に対して、心房細動履歴をとれる機能を提供した。これにより、心房細動に関連しそうな生活習慣要因の履歴をヘルスケアアプリで確認することが可能になったのだ。

例えば、睡眠や運動、アルコール摂取や喫煙などをしている際に心房細動が起きているといったことが把握できるようになるわけで、アルコール摂取や喫煙などをできるだけ避けるといった予防策がとれるようになるのだ。

従来、このように心房細動の人がどのような生活をしている際に発症するかなどのデータを取得するのは難しかったが、Apple Watchという手の届くデバイスで、日常生活をしながら身体の状況を常に把握できるというのは画期的のようだ。

自分では気がつきにくい身体の状況を知り、病気に備えると言う点において、Apple Watchを手放せない人が増えてきそうだ。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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