【学校まかせは危険】"英語力1位"の福井と最下位県の違いとは?
2023年5月17日、文部科学省より令和4年度「英語教育実施状況調査」の結果が公表されました。
この調査の結果から、中学生や高校生の英語力に大きな地域差が見られることが発覚しました。
そこで今回は、
- どの都道府県の英語力が高いのか・低いのか
- 福井県が圧倒的に英語力が高い理由は?
- 学校まかせは危険?
- 家庭ですべき対策は?
といった内容について解説していきます。
英語の学力は地域差が大きい
調査結果の1つとして、生徒の英語力の状況(中学校)における都道府県別一覧表が公開されています。
この結果によれば、CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成した中学生の割合は、全国的には49.2%となっています。
しかし、地域別に見てみるとその差は大きく、
- 最も達成率の高い福井県では「84.7%」
- 最も達成率の低い島根県では「13.5%」
となっています。
多少の誤差なら仕方がないと思われますが、ここまで差が大きいと「なぜ?」と疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。
福井県が圧倒的に英語力が高い理由は?
地域別に見てみると、福井県の次にCEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成した中学生の割合が高いのは、和歌山県です。
2位と1位の差もかなり大きい
- 最も達成率の高い福井県では「84.7%」
- 2番目に達成率の高い和歌山県では「44.3%」
1位と2位の間が、こんなにも大きく開いていることに驚きを隠せません。
福井県が圧倒的に英語力が高い理由は?
こういった結果を見ると、福井県の英語教育に何か秘密がありそうです。
さまざまな要因が考えられますが、
- 福井県は中学3年生に年1回の外部検定試験の受験料補助を行っている
- 年間3~4回程度のパフォーマンステストを実施している
- 英語力向上事業研究協力校授業公開および授業研究会を積極的に行なっている
といったことが成功の秘訣として挙げられそうです。
また、今回の調査結果を見てみると、
「英語担当教師の英語力が1位だった」
ということも明らかとなりました。
これもまた、1つの要因ではないかと考えられます。
学校まかせは危険?
「英語力の高い教師=英語の勉強を教えるのが上手」
というわけではありませんが、正直教師の専門性は高いことに越したことはありません。
今回の調査では、英語担当教師の英語力の状況(中学校)に関して「CEFR B2レベル(英検準1級相当)以上を取得している英語担当教師数」の割合が最も高かったのも「福井県」だったのです。
英語教師の実力も福井がナンバーワン
CEFR B2レベル(英検準1級相当)以上を取得している英語担当教師数」の割合は、全国平均が40.8%です。
- 最も割合の高い福井県では「65.3%」
- 最も割合の低い岩手県では「19.9%」
- 先ほど話題に出た島根県では「36.9%」
という結果になっています。
島根県も全国平均と比較すると大幅に低いわけではありませんが、平均よりは下回っています。
そして福井県は、平均を大きく上回る結果となりました。
「英語力の高い教師=英語の勉強を教えるのが上手」
というわけではないものの、やはり教師のレベルが高いということは、それだけ県全体で英語教育にも力を入れているということでしょう。
その結果が今回のような調査にも反映されているのではないでしょうか。
学校まかせにしない
勉強は学校での学習がメインとなるものの、このように地域差があることを考えると、学校まかせにするのは危険という見方もできるでしょう。
地域によってはもっと改善できる点はありそうですが、正直、仕組みはすぐに変わるものではありません。
そのため、基本的には学校での学習は大切なのですが、家庭学習で足りない部分は補う必要が出てきます。
家庭ですべき対策は?
学校での学習だけでは足りない、そう感じたときに塾や家庭教師を検討するご家庭も多いかと思います。
しかし、まずは現状を把握し、基本的な学習習慣を身につけさせることが重要です。
- 日々の宿題はしっかりやっているか
- テスト前で部活動が休みになったときに遊びに出歩いていないか
- 長期休暇に宿題をためず計画的に取り組んでいるか
といった基本的なことがそもそもできていない生徒も多いのです。
そのため、まずは基本的な学習習慣や生活習慣を身につけさせることが重要です。
こうしたことができているという前提で、テストの結果や学力の伸びに疑問を感じたら塾や家庭教師を検討すると良いでしょう。
本人がまったくやる気がない状態で塾に通ってしまうと、
- とりあえず塾に行っているということで安心感を得てしまう
- 塾の講義を聞いているだけでなんとなく勉強した気になっていまう
といったことにもなりかねません。
学校の授業だけを頼りにするのは危険ですが、安易に塾などを頼りすぎるのも危険です。
まずは家庭内でできることから取り組んでみることをおすすめします。
「今日の宿題は終わっているか」
といったことを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。