Yahoo!ニュース

セクシーイメージも払拭し美女ぞろいの選手権開催。韓国で人気のポール・スポーツとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
ポール・スポーツが盛んになりつつある(写真提供=SPORTS KOREA)

“ポール・スポーツ”という競技をご存じだろうか?

ポール・スポーツとは、ポールダンスをスポーツとしてとらえ、パフォーマンスの難度や芸術性で競う競技のこと。

ポールダンスというと、セクシーなイメージが先行しがちだが、ポール・スポーツは世界で50以上の大会が開催され、競技人口は世界に約100万人いるといわれており、最近はスポーツとして認知度が高まっているという。

現在はオリンピック正式種目への採用を目指しており、2012年にはロンドン五輪のエキシビションイベントとして初の世界大会も開催。日本でも2013年に日本ポール・スポーツ協会が設立され、毎年、「全日本ポール・スポーツ選手権大会」が行われているという。

そんなポール・スポーツが最近、韓国で関心を集めている。

6月2日に、「2018韓国ポール・スポーツ選手権大会」が開催されたことがそのきっかけだ。

この大会は、国際ポール・スポーツ連盟の国際標準競技規定を韓国で初めて適用した大会。7月13日からスペインで開かれる「世界ポール・スポーツ選手権大会」に出場する代表選手の選考も兼ねていたが、韓国代表の選考が行われるのもこれが初めてだった。

(参考記事:【画像】韓国で初開催。美女ぞろいの「ポール・スポーツ選手権大会」に潜入!!

それだけに注目度は高く、大会の様子は複数のメディアが取り上げている。選手たちのパフォーマンスを写真付きで大きく取り上げるメディアもあったほどだ。

女優や歌手もポールダンスを習う

そもそも韓国では近年、ポールダンスの認知度が高まっている。

スポーツ紙『スポーツ・ソウル』は、「ポールダンスを習う人々がだんだん増えている」と報じ、特に「女性らしいボディラインを作り、健康美を育むことができる」ことから、女性の人気が高いと伝えている。

実際、ポールダンスを習っていることを公言する女性芸能人も少なくない。

例えば、今年1月にメジャーリーガーの柳賢振(リュ・ヒョンジン)と結婚した女子アナウンサーのペ・ジヒョンは、自身のSNSでポールダンスを習っていることを明かし、「本当に魅力的なスポーツ」だとコメントしていた。

そのほかにも、女優のチェ・ヨジンやタレントのチ・ソヨンなど、ポールダンスを習う女性芸能人は多い。

ポールダンスを習う“インフルエンサー”も注目の的だ。大胆衣装で踊るダンス動画がネット上で話題を呼び、“ベリーダンス女子”として注目されているイム・ソンミも最近、とあるインタビューでポールダンスを習っていると明かし、関心を集めた。

(参考記事:モデル転身で再注目!! “ベリーダンス女子”イム・ソンミの大胆パフォーマンス)

また、今年2月からは、女性向けケーブルチャンネルGTVで、『Fall in Pole』というポールダンスのレッスン番組が放送されているというから、ポールダンスの人気の高さを感じずにはいられない。

人気の背景には“マッスル美女”の影響も?

ただ、ポールダンスが人気を集めている背景には、近年韓国で健康志向が高まり、体を鍛える女性が増えていることがあるだろう。

韓国ではボディビル&フィットネス大会『マッスルマニア』の世界大会で、2011年に“奇跡のDカップ女神ボディ”ユ・スンオクが東洋人として初となるトップ5入賞を果たしたことをきっかけに、健康美に対する関心が高まっている。

ただ痩せて細くなるのではなく、体を鍛えて健康的に美しくなることを目指す女性が増えているのだ。

実際、『マッスルマニア』などのフィットネス大会からは数多くのフィットネス・タレントが輩出されており、彼女たちは美のアイコンとして注目を集めている。今年4月に行われた『マッスルマニア』上半期大会の模様もメディアで大きく取り上げられていた。

(参考記事:【写真25枚】「セクシー美ボディ」を見せつけた!! 韓国マッスル美女の祭典を激撮!!

こうした状況があるからこそ、健康的に美しくなれるというポールダンスも人気を集めているというわけだ。

前出の『スポーツ・ソウル』も、「数多くのフィットネス大会が開催され、健康美あふれる女性たちがスポットライトを浴びている中、ポールダンスは健康美を磨くこれ以上ないアイテム」と、フィットネス人気とポールダンスを関連付けて報じている。

さらに言えば、「けしからん体つき!!」と騒がれるフィットネス・タレントのチェ・ソルファをはじめ、トレーニングにポールダンスを取り入れる“マッスル美女”も多いため、健康美を目指す女性たちにとって、ポールダンスはより一層、魅力的に映るのかもしれない。

いずれにしても、韓国でポールダンスの人気が高まっていることは事実であり、その中でポール・スポーツにも関心が集まっていることは間違いない。

健康志向の高まる韓国で今後、ポール・スポーツがどのような盛り上がりを見せるか注目だ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事