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【河内長野市】2025年は11日に実施!1000年の歴史がある流谷の八幡神社での恒例・勧請縄かけ神事

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

山に囲まれた河内長野では、山の方の集落に行くと他の地域にはない風習が残っています。なかでも1000年の歴史があるのが流谷の八幡神社の勧請縄かけ神事。以前は曜日に関係なく1月6日に固定されていましたが、最近はその近くの土曜日に実施。今年は1月11日に行われます。

八幡神社の宮司さんに問い合わせたところ、今年は3年の任期となっている流谷の総代が交代したとのこと。これは引継ぎをするための配慮で、下天見の地区とずらして交代していっています。

また、地元の人が「えいらく」と呼んでいる、しめ縄から垂れ下がった榊が今年は12本になるそうです。

毎年の恒例行事ですが、昨年の様子を紹介しましょう。

南海天見駅から歩くこと13分ほどで、流谷の八幡神社にかかる朱色の橋が見えます。

今は朱色の橋が架かっていますが、昔は橋がありませんでした。1000年前に石清水八幡宮から別宮として御霊を遷そうとした時に、神社までの間に谷があるということで、縄をかけて御霊を遷したという神社創建時の由緒ある伝承に基づく神事です。

昨年訪問した時は午前11時前。もう縄が出来上がりかけた時でした。

完成した縄です。蛇がとぐろを巻いているようですね。

日本酒の一升瓶が複数が置いてありました。お祭りらしいですね。

一部の作業が残っていたようです。地元の人は、小さい時から親世代から作り方を教わって、それを次世代に伝えていくということを1000年の間に繰り返しているのでしょう

それにしても、稲の藁を使って大小の縄を作るという技術はすごいです。大昔からの伝統なのでしょうけれど、最初にそういうものに使えると思いついた大昔の人が本当に先見の明があったのではと感じます。

作業をしている場所を見下ろすように上から撮影してみました。

ちなみに神社境内の上にあるのは朝陽山薬師寺です。江戸時代以前の神仏が習合していた時代の名残ですね。

いよいよ、縄が社殿に運ばれます。見たところ7人がかりで運んでいます。

ちょうど鳥居の真ん中あたりに縄が置かれました。

作業に使われたビニールシートやハシゴなどの撤収が行われています。

焚火だけはそのままです。天然素材を焼いているので、黒い煙が出ることがありません。近づくと体の内部に遠赤外線効果をもたらす温かさを感じます。

こちらが宮司さんが説明してくれたしめ縄の下にかけられる榊、「えいらく」とよばれるもののようです。

すべてが整ったところで、いよいよ神事が始まります。

宮司さんによる神事が執り行われます。

来賓の皆さんの姿が見えます。

宮司さんが縄の前に出てきて祝詞を読み上げます。

つつがなく神事が終わり、いよいよ縄が谷にかけられる時が来ました。

橋に人が等間隔に並んで、縄が対岸の方に運ばれていきます。今こそ橋があるからこのような方法でできますが、橋がなかった時代どうやって対岸に縄を持って行ったのかそんなことも気になりました。

まだ昨年の縄の残骸が残っていました。元は稲藁や紙でできたものなので、自然に分解されて土に戻っていくのでしょう。

縄が木にかけられていきます。

ほどけることが無いように幾重にも木に巻き付けていきます。

橋から様子を見守っている人たちです。縄のバランスを意識してお互い声を掛け合いながら適切な指示を出し合います。

縄の状態次第で、川の下の方に降りていきます。

慣れている地元の人だからこそ、足場が悪くても旨く下の方に降りていけるのでしょうね。

下の方に降りて作業をしています。

「えいらく」のあたりに何かあったようです。

橋の真ん中でもいろいろと準備を行っています。

橋の上でも声をあげながら、縄がバランスよくかけられるように体制を整えていました。

反対側に来ました。こちらでも木に縄をかけ始めました。

縄を伸ばしています。延ばした縄を木に括り付けるために、このような動きをしています。

天見の駐在さんの姿もあります。駐在さんは勧請縄かけ神事では重要な戦力です。

延ばした縄を戻しながら、木に括り付ける作業を行います。

私が初めて見学に行った2022年は、ほぼ地元の人だけしかいらっしゃらなかったのですが、その翌年そして昨年と、年々見学者が増えている気がします。そして昨年は見学者も一緒に縄かけの作業を手伝っていました。

もしかしたら毎年記事にさせていただいていることで、この1000年の伝統神事のことを、地域外の多くの人に知ってもらえるきっかけになったのではないかと思いました。

こうして無事に縄が谷に掛かりました。およそ60mのしめ縄をないあげて、谷川にかかりました。

最後は橋の上から神事が行われます。

宮司さんを見守っている人たちが総代さんです。

こうして最後の神事が行われ、無事に縄がかけられました。今年の11日の8時から14時にかけて行われる縄かけ神事も、おそらくこのような進行で行われると考えられます。

ちなみに動画にも撮影しています。

ということで、縄かけ神事の様子を紹介しました。興味のある方は自由に見学できるので、天見駅から流谷の八幡神社を目指してみてはいかがでしょう。ただ宮司さんの話では、神社の駐車場は、数台しかありません。また近くにパーキング等もありませんので、公共交通機関を利用して欲しいとのことでした。

勧請縄かけについては、河内長野市の公式でも動画公開しています。

八幡神社は、勧請縄かけ神事のほかにも境内には大銀杏があり、大阪府指定文化財の鉄製湯釜などが伝わっています。

動画は八幡神社で行われた湯立神事です。河内長野市の公式ページ(外部リンク)によれば、鋳造銘が釜の羽の上面にあり、南北朝期(1340年)のこと。現物は大阪市立美術館に寄託されております。動画の湯釜は文化財のものとは違いますが、少なくとも文化財の鉄製湯釜もかつては毎年7月の湯立神事で使われていました。

石清水八幡宮別宮 八幡神社(流谷八幡)

住所:大阪府河内長野市天見2211

勧請縄かけ:2024年1月11日8:00~14:00
アクセス:南海天見駅から徒歩13分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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