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【河内長野市】1月17日から全国公開、話題の映画「室町無頼」は天野山金剛寺でロケ。どこで撮影したの?

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

映画やドラマで時代物を扱う場合、比較的多いのが戦国時代や幕末ですね。また大河ドラマで昨年は平安時代、今年は江戸時代がテーマとして取り上げられています。そんな中、河内長野を含めた南河内になると、楠木正成や南朝の痕跡が多いことから、その南北朝時代がクローズアップされることが多いようです。

© 2016 垣根涼介/新潮社 ©2025「室町無頼」製作委員会
© 2016 垣根涼介/新潮社 ©2025「室町無頼」製作委員会

しかし、南北朝時代と戦国時代の間、室町時代という珍しい時代をテーマにした映画が、2025年1月17日から全国ロードショーされます。映画のタイトルは「室町無頼(むろまちぶらい)」(外部リンク)です。全国公開に先駆けて2025年1月10日(金)より、 IMAX先行上映されます。配給は東映です。

この映画、なんと河内長野のある場所でロケされています!その関係で、私はいち早く、画像の映画パンフレットを入手しました。

映画のタイトルについている「無頼」については、パンフレットに意味が書いてあります。意味だけだと「仕事もせずに無茶をするとんでもないような奴」に見えますが、そこは映画の世界の主人公です。取り扱われた時代だから頷ける内容でした。

具体的な登場人物についても触れています。蓮田兵衛(はすだひょうえ)と骨皮道賢(ほねかわどうけん)という実在の人物で、ごくわずかですが史料にも残っているふたりが物語の主人公として出てきます。

映画のストーリーは、応仁の乱の前に京都で大きなな土一揆(つちいっき/どいっき:農民の反乱)を起こす内容です。室町時代は不安定な世の中で、土一揆が多くありました。歴史上では正長の土一揆(1428年)や嘉吉の徳政一揆(1441年)などが有名ですが、今回の映画の舞台は寛正の土一揆(1462年)を取り上げています。

一揆の背景には、記録に多く残る長禄・寛正の飢饉(ちょうろく・かんしょうのききん)がありました。一揆の首謀者が、蓮田兵衛で、1467年の「応仁の乱」がおこる5年前の出来事とのこと。骨皮道賢については応仁の乱から主に歴史上に登場していますが、その前には盗賊の追捕(ついぶ、盗賊を追いかけて捕まえる警察官のような仕事)をしていた記録から、映画でも京都の町を警護する役で登場します。

登場人物と主な配役は次の通りで、実在したとされる人物は太字にしました。

蓮田兵衛(大泉洋)、骨皮道賢(堤真一)、才蔵(長尾謙杜)、芳王子(松本若菜)、唐崎の老人(柄本明)、名和好臣(北村一輝)、足利義政(中村蒼)、伊勢貞親(矢島健一)

ちなみに、才蔵役の長尾謙杜(ながおけんと)さんは、大阪府出身の俳優で、男性アイドルグループ・なにわ男子のメンバーとのこと。

天野山金剛寺に訪問した12月中旬はまだ紅葉が美しかったです
天野山金剛寺に訪問した12月中旬はまだ紅葉が美しかったです

さて、河内長野のどこでロケをしたのかというと、天野山金剛寺なんだそうです。一昨年の10月に撮影が行われ、わずかなシーンでしたが数日かけて撮影したそうです。では、どのあたりが使われたのか実際に見てみることにしました。

まず、撮影場所のひとつとして、金堂が使われたのだそうです。金堂の内部ではなく外側です。

案内してくれた方によれば、ジャンプをするシーンで金堂の縁側を使ったとのこと。

この辺りが映画で登場するようです。

そしてもうひとつは、本坊庭園がロケ現場として使用されました。

この日はタイミングがよく、天野山金剛寺の堀座主(住職)自らが案内してくださいました。

この庭園がロケ地として利用されました!

堀座主は「堤さんがここでしゃがんでいるシーンを撮った」と言われました。

またこちらも利用されたとのことですが、ひとつだけ面白いエピソードを伺いました。こちらの襖が全て入れ替えられたというのです。

撮影では室町幕府の花の御所のシーンで利用したため、天皇家の菊紋があるのはおかしいという理由とのこと。

2時間もある長い映画の中で、河内長野の天野山金剛寺の使用シーンはわずかだったそうです。ただどこで使用されたのかとても気になっていたところ、関係者の方のご尽力でプレス枠を利用して、大阪・梅田にある試写会の会場を予約して視聴することができました。

実際の映像などは撮影できません。東映の宣伝担当の方に、以下の質問をしました。

  1. 河内長野(天野山金剛寺)をロケ地として選ばれた理由
  2. 実際に河内長野に撮影に来られた際にでの河内長野の印象
  3. 撮影時のエピソードがあれば

この中で、1と3については「お答えできない」ということだったのですが、2についてはお答えいただきましたので、引用します。

自然が溢れ、穏やかな空気感が素敵だと感じました。

 天野山金剛寺は厳かさを感じ敷地も広大で、由緒あるお寺で撮影をできることが嬉しかったです!

 お参りもさせていただきました~! 

さて、実際に視聴してどのシーンが使われたかについてですが、座敷のシーンなどほかにもありそうですが、私が気づいたのは次の場面です。

  • 室町幕府の伊勢貞親が骨皮道賢に指示を出すシーン(2回ありました)
  • 蓮田兵衛と骨皮道賢が対峙したときに蓮田兵衛がジャンプして、綱を持って下っていくシーン

そしてエンドロールの中で「協力」のひとつとして「河内長野市」と表記されました。

映画の時代であった室町時代には、京都・相国寺に七重の塔が存在したといわれ、その高さは京都タワーに匹敵したそうです。そして七重の塔も映画の重要なシーンに登場します。

本予告映像

実際に視聴して感じたことですが、格闘シーンが多いのが特徴。その他にも見どころが満載でした。どんな作品なのかは1月17日から下記の映画館(大阪府のみ記載)(外部リンク)で鑑賞しましょう。

  • なんばパークスシネマ
  • T・ジョイ梅田
  • 大阪ステーションシティシネマ
  • イオンシネマシアタス心斎橋
  • あべのアポロシネマ
  • MOVIX堺
  • TOHOシネマズ鳳
  • TOHOシネマズ泉北
  • TOHOシネマズ セブンパーク 天美
  • MOVIX八尾
  • イオンシネマ茨木
  • イオンシネマ大日
  • イオンシネマ四條畷
  • 109シネマズ大阪エキスポシティ
  • 109シネマズ箕面
  • ユナイテッド・シネマ枚方
  • TOHOシネマズくずはモール
  • TOHOシネマズららぽーと門真
  • 高槻アレックスシネマ
  • ユナイテッド・シネマ岸和田
  • イオンシネマりんくう泉南

河内長野から行きやすいのは、南海電車で乗り換えなしの「なんばパークスシネマ」ですが、近鉄電車利用の場合なら阿部野橋駅で降りたら「あべのアポロシネマ」天美駅で降りたら「TOHOシネマズ セブンパーク天美」も便利ですね。車なら「TOHOシネマズ泉北」が近そうです。

映画封切り後に鑑賞した後、実際に使用されたロケ地、聖地めぐりとして、改めて天野山金剛寺を訪問してみてはいかがでしょう。

■タイトル:室町無頼
■公開表記:2025年1月10日(金) IMAX先行上映 2025年1月17日(金) 全国公開
■配給:東映
■コピーライト:© 2016 垣根涼介/新潮社 ©2025「室町無頼」製作委員会

天野山金剛寺

住所:大阪府河内長野市天野町996
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 天野山バス停下車すぐ

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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