「審判不在」で試合は続行。代わりにストライクとボールを判定したのは、ロボット審判ではなく…
3月13日に対戦したクリーブランド・インディアンズとサンフランシスコ・ジャイアンツは、審判なしで最後の「ハーフ・イニング」をプレーした。
事情はこうだ。9回表、インディアンズの攻撃が終わった時点で、ジャイアンツは1点リードしていた。通常であれば、ここで試合終了となる。9回裏は行わない。けれども、インディアンズとしては、もう少し投手を投げさせたかった。そこで、ジャイアンツに頼み、9回裏もプレーしてもらうことにした。
審判はそれにつき合わずに引き上げてしまったので、インディアンズのボー・テイラーが、捕手と球審の一人二役を務めた。どちらかのチームの出場していない選手、あるいは監督やコーチが、球審としてテイラーの後ろに立てばいいと思うのだが、そうはしなかった。
ちなみに、MLB.comなどのスコアは、9回表で試合終了となっている。最後のアウトは、9回表の2死からテイラーが打ったレフトフライだ。
アリゾナ・ダイヤモンドバックスの捕手、スティーブン・ボートも、12年前に審判を務めたことがある。タンパベイ・レイズ傘下のA+、シャーロット・ストーンクラブスにいた時のことだ。マイナーリーグとはいえ、スプリング・トレーニングのエキシビション・ゲームではなく、シーズン中の試合だった。
ただ、ボートの場合、テイラーのような一人二役ではなかった。右腕にボールを受けた球審が退場したため、当時、故障者リストに入っていたボートが代役に名乗り出て、両チームの了解を得た。一塁の塁審が球審に回り、ボートは一塁の塁審として試合に参加した。
なお、ロボット審判と言っているが、C-3POやR2-D2のようなロボットが捕手の後ろに立つわけではない。人間の球審がイヤフォンをはめ、機械による判定、ストライクかボールかを伝えられた後、それをコールする。