KNNポール神田です。
どうやら、『ハンコレス社会』がついに本当にやってきたようだ…。やたら、かけ声だけでおわりそうだった政府や行政の『行政改革』や『DX』が本当に始まりはじめたように見えるが…。
■1万1,000種類のハンコ書類の壁の撤廃を目指す!
菅政権に変わり、各大臣が一新した事により『脱ハンコ』『ハンコ廃止』の動きは、かなり加速度をあげている。そう、『GoToキャンペーン』などの景気を刺激する経済政策や『通信料金値下げ』でアメをばらまきながら、一方で、『デジタル庁』や『行政改革』などの政府DX陣営が、最も成果の見えやすい『脱ハンコ』に取り組んでいるからだ。そう顔の見える大臣の動きが顕著である。
そんな政府の動きを後押しするかのように、福岡市では、さっそく成果の狼煙をあげた。
■福岡市の扱う書類は4,700種。市で扱える3,800種類(80.8%)はハンコレス化完了!残りは国と県
『やればできる』を実証した福岡市の施策を担当課長に聞いて驚いた!
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/77422/1/hankoresukanryou.pdf
いったい、なにをどうやれば、こんな3,800種類もの、押印を必要とした書類から『脱ハンコ』を実現したのか?福岡市総務企画局行政部総務課で伺った…。しかし帰ってきた言葉に驚いた。
「スマート行政を推進するために、押印を『各担当部署』ごと、本当に『押印』が必要かどうかの丁寧な見直しをお願いしました」
「ただ、それだけですか?」
「はい。丁寧に現場に見直しをお願いした積み重ねです」
「他の市区町村にもそのノウハウを、提供してほしいです」
「福岡市の事例は、他の市区町村でも可能かと。ぜひとも『福岡方式』をご参考にしていただければ幸いです」
大手ベンダーやコンサルタントの力を借りての答えを想定した質問したが、拍子ぬけするほどの『担当部署の現場力』でのムダな『押印』の洗い出しという基本の『キ』という回答だった。
「しかし、今までと違うことを一番やりたがらないのが役所さんだと思うのですが…」という意地悪な質問にも、
「『スマートシティ』を推進するという強いビジョンのおかげかと…」という答えが聞けた。
https://smartcity.fukuoka.jp
■福岡方式を事例に自治体向けマニュアルを作成し配布する 河野太郎行革大臣
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河野太郎氏は各省庁に対して、必要な押印があれば2020年9月末までに申請せよと文書を配布した。
SNSを通じても、その後の進捗の個人的な感想のツイートが見える化している。
かなりポジティブすぎるほどの、霞が関の反応がかえって気になる。
菅政権のスピード感を、本当に感じさせるのは、プロセスではなく結果がすべてだ。政府指導で残りの1万余の『押印』書類が『ハンコレス』になるのはいつの日か…。
さっそく、古参議員からの反対運動の『非・ハンコレス』が動きはじめた。『行政改革』は『既得権益』と最も相性が悪い…。それも含めて大臣のリーダーシップの腕のみせどころだ。