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西から順に梅雨明け…ではない!?梅雨前線はウロウロするも広範囲で猛暑に警戒:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
18日9時の予想天気図(気象庁HPより)。梅雨前線はいったん東北まで北上。

18日は梅雨前線が東北まで北上し、関東~近畿では晴れて猛暑となる見通し。
一方で18日の九州や四国では、17日に梅雨明けした九州南部も含めて雨が降るところが多く、単純に西から順に晴れ間が広がるというわけにはいかなさそうです。
ただ、このさき梅雨前線は多少南北にウロウロするにもかかわらず、広い範囲で猛暑は続く予想です。

猛暑エリア拡大、西日本は雷雨に

18日(左)朝、(中)昼過ぎ、(左)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
18日(左)朝、(中)昼過ぎ、(左)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

18日は梅雨前線がさらに北上し、関東甲信や北陸、東海、近畿では晴れる時間が長くなる見込み。そのぶん気温も上がって、最高気温は東京33度、千葉・さいたま・金沢34度、甲府・名古屋・大阪35度と、広い範囲で厳しい暑さになるでしょう。北海道でも晴れるところが多く、17日に続いて30度を軽く超えるところが多くなりそうです。
熱中症警戒アラートもここ数日と比べ多くの府県に出されています。

18日の熱中症警戒アラート(環境省HPを元に作成)。
18日の熱中症警戒アラート(環境省HPを元に作成)。

一方、九州・中国・四国では暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になるところが多く、雷雨に注意。
九州南部では17日に梅雨明けし、平年並みだと続いて九州北部や四国で次々と梅雨明け…というところですが、そうなりそうもありません。
むしろ東海や関東甲信では18日に安定して晴れるため、(19日に前線が一部南下して関東に若干近づくのをどう見るかにもよりますが)先に梅雨明けというのもあり得る状況です。

「夏の土用」とともに高温に警戒

週間予報(気象庁HPより)。
週間予報(気象庁HPより)。

暦の上では、7月19日から立秋(8月7日)の前日までの期間が「夏の土用」に当たり、古くから1年でもっとも暑さが厳しい頃とされています。
ちょうどその暦に合わせたかのように、気象庁からは「高温に関する気象情報」が発表されていて、沖縄~関東・北陸で広く猛暑となる予想。
特に沖縄ではすでに記録的な暑さになっていますが、全国的に学校が夏休みに入る地域も多く、外でのレジャーが増える時期でもあります。熱中症は対策をすることで「防げる災害」なので、いま一度対策を確認しておきましょう。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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