世の中には、「理解が手段の人」と「理解が目的の人」がいます。その違いを知れば、世界が違って見えます。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
私が自分のカウンセリングルームで使っている主な心理療法は、来談者中心療法です。いわゆる傾聴って奴です。
世の中には、「私は、話を聞くだけじゃないんですぅ」と謳っているカウンセラーやコーチは少なくないのですが、彼ら彼女らの多くは、まともに話を聴くことが出来ません。だから、「話を聞くだけじゃ…」なんてことを、強調して言っているのです。
話を聞くのは簡単ですが、話を聴くのは非常に難しいことです。
私は、話をしっかり聴ける人を、カウンセラーを含めても、数えるほどしか見たことがありません。そのくらい、話を聴くってことは難しいことであり、それが傾聴の奥深いところであり、来談者中心療法の素晴らしいところでもあります。
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よく訊かれるのですが、私はアドバイスをしないカウンセラーではありません。短期的に見ても長期的に見ても、クライアントの役に立つアドバイスなら、私は積極的にアドバイスいたします。ただ、アドバイスだけでは解決しないことが多いので、アドバイスせず、話を聴くことに徹することが多い…というだけです。
そんな私のカウンセリングルームには、「ただ話を聴いて欲しい」とおっしゃるクライアントがご来室されることが多いです。
ってなことを、来談者中心療法以外の心理療法を使っているカウンセラーに話すと、多くのカウンセラーは、「でも、そのクライアントだって、自分自身、何かしら変わりたいと思ってカウンセリングに来てるんでしょ。だったら、ただ話を聞いているだけではなく、カウンセラーのほうから、積極的・能動的に、質問や誘導するなどして、何かしてあげたほうがいいのではないですか?」と言います。
私は、上記のことを言われるたびに、映画「スパイダーマン3」を思い出します。
「スパイダーマン3」に、サンドマンというヴィラン(悪者)が出てきます。サンドマンは、スパイダーマンから去る瞬間、こんなセリフを言います。「(俺は、良くないことをたくさんしてきた)赦してくれとは言わない。ただわかって欲しい」と…。
今、私が言ったこと、メチャメチャ重要です。
サンドマンは、「赦して欲しいから、わかって欲しい」と言ったのではないのです。
サンドマンは、「赦してくれなくてもいいから、わかって欲しい」と言ったのです。
そう、サンドマンは、「理解して欲しい」と言ったのです。
サンドマンにとって、理解は手段ではなく、目的そのものなのです。
私のカウンセリングルームにご来室されるクライアントもサンドマンと同じです。
「○○して欲しいから、理解して欲しい」のではなく、「変化したいから、話を聴いて欲しい」のでもなく、「理解して欲しいから、話を聴いて欲しい」のです。
どうぞ皆さん、この機会ですから、ぜひ覚えておいてください。
世の中には、「理解は手段ではなく、理解は目的そのものである」と考える人がいる…ということを。←これを知れば、世界が変わります。今まで理解できなかったことが理解できるようになります。そう、世界が違って見えるようなる…ということです。
キャラ診断でいうところのお母さんタイプ(マジョリティ)は、理解を「○○という要望を通すための手段」だと思っていることが多いです。だからお母さんタイプは、ときに、「わかってくれなくてもいいので、赦して欲しい」と言うのです。
末っ子タイプ(マイノリティ)は、違います。末っ子タイプにとって、理解は目的そのものなのですから、ときに、「赦してくれなくてもいいので、わかって欲しい」と言うのです。
私が室長を務めるカウンセリングルーム「心の相談室with」には、昨日も今日も明日も、わかって欲しい人がご来室されます。彼らは、話がしたいのです。彼らは、話を聴いて欲しいのです。彼らは、わかって欲しいのです。そう、彼らは理解を求めているのです。
私が、クライアントに出来る最大の貢献は、話をしっかり聴き、そして理解することです。だから私は、昨日も今日も明日も、クライアントの話に耳を傾け続けるのです。
しっかり理解された感を持てたクライアントは、地に足が着いたかのように、力強く、歩を前に進めていきます。世の中に、自分のことを真に理解してくれる人ができたという事実は、生きる上において、本当に心強いことだと思うのですが、この記事をお読みのあなたは、どう思いますか?
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。