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タイガース・安芸キャンプ 3日目《2/3》 良太選手も元気です! 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
安芸キャンプで一番大きな声を出している新井良太選手。筒井壮コーチと双璧です。

タイガースの安芸キャンプは、きょう4日で第1クールが終了します。第2クールでは7日と9日にシート打撃が行われるなど、11日や14、15日の練習試合に登板予定の投手陣がそれに合わせて調整していくわけで、この“逆算”が始まると本格的に野球シーズンがやってくるんだなあって気になりますね。ちなみに7日のシート打撃では5投手が投げるとか。その5人が11日の初戦に登場するんでしょうか。

私は3日の練習を見て、いったん安芸を引き揚げてきました。仕事の都合もあり、ずっと通して滞在できないのがもどかしいのですが、また何度か分割で行きますので!それでは、きのう3日の安芸キャンプリポートです。

まずは、きのうもお伝えしたように濱中打撃コーチが2日の夜、急性すい炎で高知県内の病院に入院しました。古屋監督は「(2日の)特打の時におなかを抑えていた。我慢していたのかな。1年目で責任感もあるし、なかなか言い出せなかったのかも。本人からは『皆さんにご心配、ご迷惑おかけして申し訳ない』とメールが来た。1日や2日で帰れるレベルではないと思うので、八木コーチをはじめ皆で協力してやっていく。早く元気に戻ってきてくれることを願っている」とコメントしています。

また、2日の沖縄キャンプで右ふくらはぎを痛めた鶴岡選手については「あす(4日)こっちへ来ると思う。誰かを向こうに、というのは今のところない。若いの3人おるし」と古屋監督。沖縄には小宮山選手、清水選手、梅野選手がいますからね。一方、安芸でマスクをかぶれるのは岡崎選手と小豆畑選手だけ。試合のためにも、欠けては困るでしょう。

新井、11日は安芸か沖縄か?

昨シーズン中に腰痛を発症した点も考慮しての安芸キャンプスタートとなった新井良太選手。あ、もう“新井選手”でいいんですね。きのうは全体練習後にサブグラウンドで、このキャンプ初めての特守を行いました。最初は1人、途中から坂選手も加わって、サード位置で藤本守備走塁コーチのノックを受けています。終わったあと「あしたになってみないとね」と腰の状態についてはひとこと。「しっかり数を打ってもらえたし、いい練習になったと思います」。不安な動きは?「今のところ大丈夫です」

新井選手は特守。サードで軽やかな動きを見せ、サブGのファンを喜ばせてくれました。
新井選手は特守。サードで軽やかな動きを見せ、サブGのファンを喜ばせてくれました。

4日は初特打もやるとか?「ランチ特打だけどね。全体の練習がまだ3日目でこれからだけど、個別の練習も徐々に入れていって量を増やしていきたい」。シートノックでは誰よりも声が出ていますね。若手も頑張らないと。「いやもう自分のことで精一杯なので」と真顔で答える新井選手でした。精一杯と言いながらも、球場から引き揚げる際は毎日、帰りを待つファンの皆さんにサインをしています。マネージャーに「きょうもやりますよ!」と爽やかに声をかけて。

古屋監督いわく「新井は打つよりも守備が怖いだろうから、守備を重点的に。関本もそうだけど2人とも、上に行っても十分やれる状態。新井は11日の試合に出てもらうつもりだが、第2クールまでやって沖縄に呼ばれなければ、ですね。試合には十分出られると思う。担当コーチも問題ないと言っているし。ただし、こっちに残っていればだけど。2打席くらい立って、守備は本人から『DHか一塁か三塁か、考えてもいいですか』という話があった」とのことです。

いや~順調なのは何よりですけど、11日や14日と15日の休日を利用してキャンプ見学に行こうと計画中の良太選手ファンの皆さんは…迷いますねえ。安芸か沖縄か。第2クールぎりぎりまで待って、というんじゃ準備が間に合わないかも。二股かけておきますかね。

横山はロングティーが得意!

きのうは今キャンプで初めて、投手陣が打撃練習に臨みました。バント、バスター、バッティング、そしてサブグラウンドの三塁線上に立ちライトフェンスに向かって打つロングティーです。岡崎選手いわく「75メートルか80メートルくらいじゃないですかねえ」という距離。常にバッティングをし、ロングティーも野手並みに飛ばす藤原投手は別格として、横山投手も気持ちよくポンポンとネットに当てていたと聞きました。

普通の打ち方で20本、そのうち7本がネットに当たり1本がフェンス直撃。ついで開いた両足に体重を移しながら10本を3セット(計30本)やり、9本がネットに当たって4本がフェンス直撃だった横山投手。もちろんこれは打撃練習というより、ピッチングのための体幹を鍛え、スムーズな体重移動を覚えるのが目的です。

打撃が好きというだけあって、3日の練習後はとても楽しげに会話をしていた横山投手。
打撃が好きというだけあって、3日の練習後はとても楽しげに会話をしていた横山投手。

横山投手は「高校以来です。バッティングはそんなに得意じゃないけど、ロングティーは得意でした!」。お、微かにドヤ顔ですね。高校では何番を打っていたかを聞かれ「ピッチャーをやっていない時は5番。大事な大会は7番。3年の時は5番が多かった。公式戦のホームランはないですねえ。バッティングはあんまり。ロングティーが得意です」

遠くへ飛ばすのが得意なのかな?「飛ばすことに関しては。高校の時、ネットに打球が当たればいいなって感じのところで、自分はネットを越えていたので」とニヤリ。「ロングティーは得意でした。バッティングはあんまり…」。このフレーズ、3度も登場しています(笑)。でも同じロングティーで久保田投手や阿部健太投手がネットを越したと聞き「越えたんですか!」と驚き、ついで少し悔しそうな顔。1軍では能見投手や藤浪投手も試合で打っています。「やるからには、ピッチャーが打つに越したことはないと思うし、セ・リーグに入った限りそういう練習も増えてくると思う。バッティングは好きなんで」。本当に楽しげでした。

踏み出すプロの一歩が楽しみ

トレーニングについて「最近は股関節のメニューを多くやっていて、前より動きやすくなったという感覚があります。できないことができるようになってくる。それをピッチングに生かしていければ」と横山投手。まだピッチングは開始していないものの「ブルペン入りに向けて20メートルくらいの距離で強く投げました。最近投げていなかったから(自主トレ最終日に)雨でブルペンに入っただけでワクワクした。それがユニホームを着て投げられると思うと…。一歩を踏み出すわけで、楽しみ」と笑顔。でもすぐに「楽しみだけど、焦らずしっかりやっていきたい」と気を引きしめています。

久保投手コーチは「体がしっかり動いていますね。キャッチボールもだいぶ強く投げられてきた。欲を言えば遠投の距離をもっと伸ばして、助走をつけてもいいから投げきる、振りきるというのが欲しいかな。体全体を使って投げられたらブルペンでのピッチングもできる。それで21Uワールドカップみたいなボールが投げられると思う。第2クールで今の状態を上げていて(ブルペンは)第3クールあたりで。ちょうど半分くらいでしょ?そこでいいかなと思っている」と横山投手について話しました。

「危機感しかない」と一二三

一二三選手はことし5年目、野手としても4年目のシーズンです。変わらなくちゃ!
一二三選手はことし5年目、野手としても4年目のシーズンです。変わらなくちゃ!

最後に、きのうランチ特打で94スイング中12本のサク越えを放った一二三選手の話。フリー打撃では80スイングで5本でした。古屋監督は「きょうの横田(フリー打撃78スイングでサク越え2本、特打は147スイングで20本)はちょっとへばっていたが、自分のスイングはできている。一二三は打ち損じもあるけど、きのうときょうは横田よりもよかった。どうしようもない凡打が少なくなってきた。打つしかない。飛距離を出していくバッティングを」と評価。

2日に聞いた時は、特に何も変わっていないと言っていた一二三選手ですが、きのうは手応えを感じたのでしょうか。「実際にピッチャーの投球を見ていないんで、そんなにわからないんですけど、濱中コーチに言われて、それを意識して変わってきたかなと思います」。どんなこと?「バットを上から出そうとしすぎて、打球がお辞儀してしまうと。上から出そうとして(バットでボールを)点でしか捉えられない。だから後ろを大きめに打ってみろと言われました」

それは初日に受けたアドバイスだったようです。「それで、その日のロングティーからやってみて、変わってきたかなと。自分でも(バットとボールが)点でなく、ちょっと長くくっついている感覚がしますね。ビヨーンと」。出た!最近はどうも“横田ワールド”に押され気味でしたが、やっぱり一二三語録は健在。ビヨーンって(笑)。ことしに賭ける思い、やらなくちゃという気持ちは「去年より一層増えました」と言い、そして「いやもう危機感しかないですよ」と締めた一二三選手です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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