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46歳。いつでも連絡できて、手をつなげる相手が欲しい~40歳からの婚活入門(3)~

大宮冬洋フリーライター
「好きな人からは好かれず、生理的に無理な人から好かれやすい」と嘆く岡田さん。

***中堅企業の正社員、岡田純子さん(仮名、46歳)の話***

大きくはないけれどしっかりした会社で25年間働いています。趣味の友だちもたくさんいるし、地元にいる両親や弟たちとも仲がいい。私は恵まれているなと思います。でも、恋人がいません。いつでも気兼ねなく連絡ができて、会えば手をつなげる相手が欲しいです。関係性としては結婚するのが一番わかりやすいですよね。

気になる男性がいたのは2年ぐらい前です。テレビ番組で紹介されていた面白そうな文化系イベントに参加したときに出会いました。私より7歳年下。半年間で4回ほど食事に行きました。映画や食べ物の話が弾んで居心地が良かったんです。そんな風に感じられる相手はなかなかいませんよね。「このままデートを重ねたら付き合ってもいいかな」と思っていました。

でも、いつも私が誘ってばかりで、彼からのアクションは何もありませんでした。会えば楽しいけれど、彼の気持ちがよくわからない。「一度も誘ってくれないのはそういうことなのかな」と思ってあきらめました。

長く付き合った恋人がいたのは20代の頃です。4年間は同棲していました。夢に向かってすごく努力をしているアーティスト志望の男性です。その姿を見て、「この人はきっと成功する。ちゃんと食べていける」と信じていました。

彼のほうは30歳目前で経済的に安定しない状況に焦りがあったみたいです。男性としてどうなんだろう、と。私は2人で何とか生活すればいいと思っていたのですが……。私が27歳のときに別れました。

いまでは彼は立派なアーティストになり、その業界では有名な存在です。遠い昔のことなので連絡を取ろうとは思いません。お互いに変わってしまったはずなので、いま会っても話が合わないでしょう。

好きな相手じゃないと「共同生活の試練」を乗り越られません

結婚はしたいですよ。でも、長年別々に生きてきた人と一緒に暮らすと、どこかで我慢しなくちゃいけなくなりますよね。好きな相手じゃないとその状況を乗り越えられないと思うんです。婚活をしていると、「相手に求める条件を10個挙げて、そのうち5個を満たす人がいたら絶対に逃すな!」なんてアドバイスされますけど、私は条件で人を好きになることはできません。

4年前、小さな結婚相談所に登録したこともあります。何度かお見合いをしました。私は大勢がいる場での初対面同士ならば平気で話せますが、1対1だと構えてしまいます。実は人見知りなんです。お見合いでも探り合いをしてしまって、話が弾みませんでした。

好きでもない人と無理に食事をしていると、ときどき空しくなります。「私はいったい何をやっているんだろう?」「結婚するためにここまでしなければいけないのかな?」といろいろ考えて落ち込んでしまうんです。

今は、年齢制限のない婚活パーティーなどを探して気軽に参加しています。女友だちが増えるだけのことも多いんですけどね(笑)。先日行った立食パーティーでは、5人の男性と名刺交換ができて、4人の方とメールで連絡を取り合いました。

今度、そのうちのお一人と食事をする予定です。私と同じぐらいの男性で、会社を経営しているそうです。子どもがほしいそうなので、別のパーティーで友だちになった30代の女性を紹介することにしました。彼のほうも私に誰かを引き合わせてくれるかもしれません。どうつながるかわからないけれど、その場を楽しむ気持ちを忘れないようにしたいです。

***筆者より岡田さんへ***

岡田さんとはあるイベントで知り合いました。小柄でかわいらしい雰囲気で、とても感じ良く話しかけてくれたので、今回のインタビューをお願いして快諾を得たのです。東京・池袋のイタリア料理店で再会すると、岡田さんの様子がちょっと違います。心を開いていないというか、こちらと距離を置こうとしている印象です。

1時間ほど一緒にお酒を飲んでいると少し打ち解けてきました。聞けば、男性と1対1で面と向かうと緊張してしまうとのこと。

「悪く思われたくないという気持ちが先立ってしまいます。でも、ずっといい人ではいられません。私はわががまで気が強いのが本性なんです」

そんな岡田さんだからこそ、リラックスして食事ができる男性との出会いは貴重なのです。2年前に気になっていた7歳年下の男性との関係、惜しかったですね。半年間で4回もデートしたのだから、彼のほうも岡田さんとの時間が楽しかったに違いありません。ダメ元でもう少し踏み込んでみたらよかったかもしれませんね。

具体的には、彼と一緒にいて居心地がいいことを言葉にして伝えましょう。男性の多くは女性よりも「居心地がいいか悪いか」に関する感覚が鈍く、心地よさが無意識レベルに留まってしまいがちだからです。「男の人とこんなに楽しくおしゃべりできることはめったにないよ。時間を忘れそうになる。次の週末もぜひ会いたい」ぐらいは言ってみても問題ないと思います。「僕はこの人と一緒にいると楽しいんだ。そして、この人も同じように思ってくれている」という意識を持たせてあげましょう。

フットワークの軽い岡田さんには次の機会も必ず巡ってきます。3回目のデートぐらいで、上記の方法を試してみてください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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