暑さ続くも前線は北上!関東甲信は17年ぶりに6月下旬の梅雨入りか:気象予報士解説
20日も引き続き広い範囲で晴れて、30度以上の真夏日となるところが多くなりそうですが、西から梅雨前線が北上を始める見通しです。
20日の段階で梅雨前線の雨雲がかかるのは九州が中心ですが、21日(金)には西日本、そして22日(土)には東海や関東にも広くかかって、本州各地もついに遅れていた梅雨入りの発表がありそうです。
暑さと雷雨、そして前線も北上
20日は本州では晴れるところが多く、19日に引き続き暑くなるでしょう。最高気温は東京・名古屋30度、前橋・長野・富山33度、山形・福島・福井・京都34度の予想です(気象庁予報、20日0時時点)。
地上付近が暑くなる中、次第に海上へ離れる高気圧に後ろ側の湿った空気が入って雨雲が発達しやすくなり、関東北部や長野・北陸の内陸では午後、急な雷雨に注意が必要です。また北海道には停滞前線がかかり雨が降るところがあるでしょう。
そして九州・四国には梅雨前線が北上し、21日(金)にかけて大雨のおそれ。さらにこのさき22日(土)にかけて、この前線が本州付近で広く雨を降らせそうです。
前線はどこまで北上する?
21日(金)~22日(土)にかけての梅雨前線の動きは、実はまだかなり予想のブレが大きい状態です。
気象庁では1日4回、全地球の10日先までの天気を予想するモデルをスーパーコンピューターで回しています。1日4回ということは6時間ごとに新しいデータが手に入るのですが、21~22日の前線の予想は今、データが出るたびに大きく変わっている状況なのです。予想がしやすい気象条件の場合は何回データが出ても結果が変わらないのでわかりやすいのですが、今回のように毎回変わってしまうと、実際にどうなるのか直前までわからず見通しが立ちづらいのです。
今のところ、22日(土)に近畿まで雨が降ることはだいぶ確度が高くなってきていて、おそらくこのタイミングで近畿は梅雨入りすると見られます(その場合、近畿は統計史上3番目に遅い梅雨入り)。
東海や関東甲信では見極めが難しいところですが、23日(日)以降も曇りや雨が多くなることを考えると、この週末の梅雨入りもあり得るところです。
関東甲信は統計史上最遅に並ぶか
20日に関東甲信が梅雨入りしなかった場合(というより晴れるので梅雨入りはあり得ないのですが)、21日以降つまり6月下旬に梅雨入りすることになり、これは2007年以来17年ぶりのこととなります。
さらに、22日以降に梅雨入りする場合は統計史上もっとも遅い梅雨入りに。
ちなみに以前の記事でも書きましたが、過去のデータを見ると、梅雨入りが非常に遅くても、梅雨明けは早い場合と遅い場合があり、さらには降水量も多い場合と少ない場合があります。最新の1か月予報では関東甲信や東北の降水量は平年並み、西日本と東海・北陸は平年並みか多い、と予想されています。
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