ノルウェー首相「職場セクハラは違法。上司が改善しなければ、これからも続く」 #MeToo
MeToo(私も)運動によるセクハラ・性暴力の被害告発が拡大するノルウェー。
アーナ・ソールバルグ首相(女性)は、「ノルウェーでセクハラがあることには驚かなかったが、むしろ職場で多くのリーダーらが何もしてこなかったことに驚いています」と語った。
インタビューはノルウェー国営放送局NRKで25日に掲載されたもの。
「職場でのセクハラは違法な行為です。これまでの一連の動きをみていると、一部の上司はその深刻さを理解していなかったようです。被害を話すと、面倒な相手だと思われるかもしれない。女性たちがそう怯えて黙っているとしたら危険です。セクハラはこれからも続いていくでしょう」。
「#MeTooは、上司たちの目を覚まさせたのではないでしょうか。問題は、被害を申告する人々ではありません。上司たちはそのことを理解する必要があります」。
セクハラ対策をできないリーダーは他の職を探したほうがいい
22日のアフテンポステン紙では、歴代文化大臣の3人の女性がセクハラを体験したと告白した。
トルヒル・ヴィドヴェイ元文化大臣(保守党)は「1979年に政界に入ってから、女性に対する言葉による圧力や嘲笑、セクハラを体験しました」。
「こんなにもたくさんの女性が、ひとりで悩みを抱え込んできたことを、残念に思います。あなたがもしリーダーで、職場でのセクハラや性暴力被害に何も対応ができないようであれば、他の職を探したほうがいいでしょう」。
ハディア・タジク元文化大臣(労働党)は、「文化業界だけではなく、どこの業界にもある問題。これには権力というものがまとわりつきます。権力を悪用する者による行為であり、政界でも起きています」。
「多くの女性が今まで黙ってきたのは、信じてもらえないだろうという恐怖、話すことによって代償を支払うのは彼女たちだからでしょう」。
アニッケン・フイトフェルト元文化大臣(労働党)は、「セクハラなどがはびこる最悪な場所は、年上の男性たちが、若い女性たちのキャリアを決める構造体制の組織です。男性に好印象をもたれるかで、キャリアに影響がでる場所です」。
「トップに女性が占める割合が増えたほうが、セクハラや権力の乱用の確率は減ると私は思っています」。
ノルウェーのテレビ局TV2では、局内でのセクハラ被害・性被害が次々と公になった。責任と対応を問われていた男性のスポーツ局責任者は、一連の騒動によるストレスで仕事を休むと発表。
スウェーデンでは大学現場でのセクハラ・性被害を、2400人の女性らが連名で告発したばかり。抗議文書は24日にSvenska Dagbladet紙で公開された。へレーン・ヘルマルク・クヌーツソン高等教育・研究担当大臣は、今後の対応を検討し、性暴力などをおこなってきた研究者には補助金を停止するなどの対応を視野にいれている(SVT)。
Photo&Text: Asaki Abumi