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五郎丸歩代役→日本代表? ゲラード・ファンデンヒーファー、キックの秘密とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
マスコット・ウルビー君の左がファンデンヒーファー。愛称「シャドー」。(筆者撮影)

 甘いマスク。場内のアナウンスでは「貴公子」と紹介された。身長192センチ、体重102キロの巨躯で、スピードは折り紙付き。何より、軽く振り抜くフォームで鋭い弾道のキックを放つ。

 12月4日、都内ホテルにオレンジのジャージィを着て姿を現したのはゲラード・ファンデンヒーファーだ。国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズに、来季から加入する。

 チームはこの日、来年2月開幕の発足3年目のシーズンに際し参加選手のうち26名を発表した。過去2年で通算3勝のサンウルブズは、来季は5位以上を目標とする。日本代表も率いるジェイミー・ジョセフがヘッドコーチとなっており、本来の大義である代表強化の促進も期待される。

 ここでフォーカスされるのが、ファンデンヒーファーの存在だ。

 母国の南アフリカではブルズ、ストーマーズの一員としてスーパーラグビーの公式戦通算57試合に出場。2016年に初来日し、国内トップリーグのヤマハで元日本代表の五郎丸歩が抜けたフルバックへ入る。持ち味を発揮した。

 年齢は28歳。自国開催ワールドカップがある2019年には国内居住3年に到達し、日本代表入りの資格も得られる。

 スターの穴を埋めにやってきた助っ人は、そのままナショナルチームのラストピースとなるか。注目が集まる。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――日本代表入りの資格取得について。

「2016年の5月に来日しているので、(資格を得るのは)2019年になるのかな…。その時に機会と資格があれば、是非」

――ワールドカップへの思いは。

「ワールドカップは、自分たちがラグビーをプレーし始めた時から目指す究極の大会。他のスポーツのアスリートにとってのオリンピックのようなもの。出られれば全力をぶつけたいです」

――来日前から日本代表入りへの思いを持っていたのですか。

「日本に来たばかりの頃は、ただヤマハでベストのプレーをしようと思っていました。ただ、ワンシーズンを終えた頃から、色々な方が自分の代表資格の話題を出すようになり、パフォーマンスも評価してもらえるようになった。そこでチャンスがあれば是非…となりました」

 質疑が途絶えたところで、関係者が「そろそろ最後の質問に…」と促す。それまでは立場や意気込みについての答えが多かったとあり、パフォーマンスに関する質問が出る。

――ちなみに、なんでそんなに長いキックを蹴られるのですか。

 

 本人は笑って腰回りを指さしながら、こう応じた。

「小さい時から練習を一杯やったからかもしれませんが、わかりません。スキルに恵まれたかな。若い時にはハードル走をやっていた。いまとなって思えば、そこで足の付け根の強さが培われたのかもしれません」

 効果的なスペースの攻略を目指していそうなジョセフ体制下にあって、この人の資質は局面打開へ大いに役立つかもしれない。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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