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「ドラクエは裏切らない」女優・淡路恵子が愛した『ドラゴンクエスト』

てれびのスキマライター。テレビっ子
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』公式HPより

7月29日、ついに待望の『ドラゴンクエスト』シリーズの新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(スクウェア・エニックス)が発売された。

この週末は、「ドラクエ漬け」になっている人も多いのではないか。

言うまでもなく『ドラクエ』は、日本におけるコンピューターRPGの先駆的作品であると同時に金字塔だ。

そんな『ドラクエ』で思い起こさせるのが、女優・淡路恵子だ。

2014年、80年の生涯を閉じた大女優は、超がつくほどの『ドラクエ』ファンだった。

今回は『ドラクエ』最新作発売は記念して、改めて淡路恵子のドラクエ愛に満ちた言葉を振り返ってみたい。

「あたしは常に『勇者』でいたい」

2010年に出演したラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』では「堀井(雄二)さんを知らない人とは喋りたくない」などと深い『ドラゴンクエスト』愛を告白していた彼女は、フットボールアワー後藤、チュートリアル徳井が司会を務める『芸能★BANG+』(2012年5月8日放送)に出演。ゲーム仲間の後輩女優・遠野なぎこと『ドラクエ』話を熱く語っていた。

淡路「私がロケ行った時『ドラゴンクエスト』の話してたんですよ」

後藤「えーー、淡路さんの口から『ドラゴンクエスト』?」

淡路「大好きだもん」

遠野「プロですよ、『ドラゴンクエスト』の」

淡路「それで彼女(遠野)がつられちゃって、その気になって(「ドラクエ」を始めた)。まあ毎晩毎晩電話かかってきて『今どこそこにいるんですけどずーーっと殺されちゃって、あの塔に上がれない』って言うの。それで私もやってるわけだから、それで『あなた今どこにいるの?』って。そのレベルじゃダメだから3時間くらいその村の周りでウロウロして、戦えと。レベルを上げてお金を貯めて武器装備を全部揃えて、それでね、『やくそう』とかいろんな物を買って……」

徳井「淡路先生が言うと人生の話みたい」

淡路「(笑)」

後藤「人生も同じですよね?」

淡路「同じでしょうね。あたしは常に『勇者』でいたいわけよ

出典:『芸能★BANG+』(2012年5月8日放送)

また、まだレギュラー化される前の『アウト×デラックス』(2012年4月7日放送)に出演した際は、「ゲームをやり過ぎて腱鞘炎になった大女優」として紹介され登場。

「(ゲームは)25年間やってますわよ。

『ドラゴンクエスト』ってご存知でしょ? 知らないとは言わせないわよ(笑)。

やる時は丸一日やってますよ。

でもね、あれ(ドラクエ)なかなか出ないんですよ。5年に1本とか。だからすごく大事ですね。

(最後までは)クリアしないの。必ず最後のダンジョンはとっておいて、セーブしてまた1からやるの

(1人でやってる?)もちろんですよ。なんであんなもん2、3人でやるのよ?

ホント(セーブが消えてしまうようなファミコン初期の)あの時代は不便でしたよ。

ちっちゃい豆みたいな(キャラが)ビビビビって(直線的に)動くわけ。(壁などに)ゴンっ、なんてぶつかるのよ。やりすぎてね、あたし自分が(私生活で)歩くのもこういうふうに(ゲームみたいに)なっちゃった(笑)」

出典:『アウト×デラックス』(2012年4月7日放送)

「もし『ドラクエ』がなくなったら?」という司会の矢部浩之の意地悪な質問にも「なくならない!」とキッパリと言い放つ。

さらに話題を変えようと「恋愛は?」と尋ねると、淡路は「恋なんてバカバカしいこと言わないで!」と一喝。

「もう(恋愛に)疲れたのよね、結局。

 『ドラクエ』は裏切らない

出典:『アウト×デラックス』(2012年4月7日放送)

と、CMになりそうな名コピーを吐き出す。

しかし、淡路恵子にとっては、最後の『ドラゴンクエスト』となった『ドラゴンクエストX オンライン』は、満足のいくものではなかった。

その名のとおり、オンラインで楽しむシリーズ初のMMORPG作品。つまり、ネットを使いゲーム上で世界中の人たちが交流や協力をしながらプレイするシステムだ。別の番組で『X』を酷評している。

「ゲームなんてものは、ひとりで自分のHPやMPを高めていって、99まで行くものなの。なんで赤の他人と一緒にやらなきゃならないの? まあ、あれは会社のどういう意向か知りませんけど、(それまでの)『ドラクエ』がどれだけみんなに愛されているか

出典:『ドラゴンレイディ3 』(2013年7月3日)

淡路恵子は、愛する『ドラクエ』の最新作の発売を心待ちにしていたが、それが果たされることなく永眠した。

そして発売された最新作のサブタイトルは「過ぎ去りし時を求めて」。

なんだか、彼女を筆頭とする『ドラクエ』ファンの思いが詰まったようなタイトルだ。

そして、淡路恵子らが望んだように、『ドラクエ』最新作は『IX』以来のオフライン作として復活したのだ。

ライター。テレビっ子

現在『水道橋博士のメルマ旬報』『日刊サイゾー』『週刊SPA!』『日刊ゲンダイ』などにテレビに関するコラムを連載中。著書に戸部田誠名義で『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』(イースト・プレス)、『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』、『コントに捧げた内村光良の怒り 続・絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』(コア新書)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)など。共著で『大人のSMAP論』がある。

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