43年間姿を変えずに生産され続けたSR400が生産終了。現行のバイクと比べて魅力的なのか?
ここ数年、長きにわたってカタログにラインナップされ続けたバイクの生産終了がアナウンスされています。
排気ガスを中心に様々な規制に適合できないという理由で姿を消していくわけですが、モーターサイクルファンとすれば、「車に比べれば大した量じゃないじゃん!」と思ってしまいますが、次の時代を考えれば仕方ないのかもしれません。
ヤマハのSR400は1978年に登場しました。多少の仕様変更はあったものの、2021年1月まで生産され続けた稀有な車両です。
見ためは「ザ・モーターサイクル」という感じですが、久しぶりに目にしても古さを感じることはありません。ここ往年、名車デザインをオマージュした車両がヒットしている事も一因かもしれません。
さて、タイトルにもあるように43年間あえて、進化させず形を維持してきたSR400は現行の車両と比べた時に魅力はあるのでしょうか?
先に答えを言えば確実にあります。
ただ技術者の努力によりモーターサイクルの性能は飛躍的にアップしており、現行車両と性能を比べるのはナンセンスです。
ではSR400の魅力とはなんなのでしょうか?
今年41歳。SR400よりも年下の二輪ジャーナリストの私よりも、先輩方の方が深い話ができるのかもしれませんが、僕なりの魅力を伝えたいと思います。
余計なものを一切排除したシンプルな設計
SR400は最終型までキック始動のみです。
僕は数年前までセルスターターぐらいつけてくれればいいのに。と思っていました。
ですが、どんどん進化して姿を変えて登場するモーターサイクルを見ていると、あえて進化を止めて形を残すSR400にセルスターターを付けるのは勿体ないと思うようになりました。
ライダーのアシスト機能が当たり前に装備されるようになってきましたが、機能を足せばバイクに装着するパーツも増えます。SR400ほどシンプルなバイクは現行ラインナップには存在しません。
セルモーター1個付ければ指導が楽になり、利便性は上がりますが、シンプルな造形を維持するために最後まで「追加すること」を拒んだのがSR400なのです。
鼓動感
最近のバイクはエンジンの振動をライダーに伝えない様々な工夫がされています。
ですが、SR400はダイレクトに振動が伝わってきます。
これは主観ですが、SR400の振動は不快に感じることはなく、気持ちよく感じます。
100km/hを超えてくると特に振動が大きくなるので、高速道路では100km/h巡行したい人やバイクの魅力はスピードと感じる人には向いていませんが、特に下道で60km/h巡行している際には最高に気持ちよく感じるはずです。