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明治大学の大型ルーキー・児玉樹、対抗戦初先発。憧れは梶村祐介。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
試合後は多くの記者に囲まれた(著者撮影)。

 明治大学ラグビー部の大型ルーキーとして期待される児玉樹が、9月30日、加盟する関東大学対抗戦Aでの初先発を果たした。

 秋田工業高校前キャプテンで、ポジションはセンター。身長190センチ、体重102キロという恵まれたサイズで突破力を持ち味とする。今春は高校日本代表として19歳以下(U19)アイルランド代表を敵地で破り、U20日本代表にも選出された。

 この日は対抗戦2試合目にあたる日本体育大学戦(東京・江戸川陸上競技場)で背番号12をつけて登場する。前半20分には敵陣中盤右ラインアウトからの攻撃で得意のランとオフロードパスを披露。フランカーの石井洋介のトライをアシストした。

 もっともこの日は、前年度対抗戦6位の相手に後半のスコアを7―17とされるなど苦戦。31―17で勝利も、児玉の口からは反省の弁が漏れた。

 昨季の対抗戦2位だったチームは昨季、19シーズンぶりに大学選手権決勝へ進出。今季は22季ぶり13回目の日本一奪還を目指している。

 以下、児玉の共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――トライを演出した場面について。

「相手が(前に)出てくるところをずらしてラインブレイクできた。それを継続できればよかったと思います」

――12番をつけて試合前に校歌を聞く。気持ちは。

「チャンスをもらえたことで気持ちも高ぶったし、尊敬している梶村選手の番号を着させてもらったことで特別な思いもあった。だからこそもっとアグレッシブにプレーしたかったという反省があります」

――報徳学園高校時代に日本代表の練習生となった梶村祐介選手も、今季はサントリーで新人ながら活躍中。身長180センチ、体重93キロというサイズで前に出るセンターで、プレースタイルは児玉選手と似ているような。

「梶村さんとはメイジに入ったばかりの時にご飯に行かせてもらって、そこで話を聞いても、日々の練習から意識高くやっている。そこが自分に足りないところだと思いますし、日々の限られた時間の練習でどれだけアグレッシブにやっていけるかで違ってくる」

――その時を受け、意識していることは。

「自分の苦手なプレーを練習でどんどんやっていかないと、試合でそれをする時にできなくなってしまう。大学に入った時、ハンドリング(の練習)でそのレベルについていけなくて、陰に隠れたりしていたのですけど、いまは自分からどんどん参加していってミスしても次にどう修正しようかと考えられる。マインドセットで変われたところかなと思います」

――明治大学で得た一番の学びは。

「高校時代より練習時間が限られていて、そこで内容の濃い練習をやっていく(という意識)。人数も多く先輩たちもいるなかレギュラーを勝ち取るには、日々、スキル向上に努めないと。いかにアグレッシブにプレーできるかが本当に大事」

 田中澄憲監督は、和製大型バックスの育成というタスクに挑むこととなる。春先にはこう言っていた。

「彼の強みはボールキャリア(球を持って走ること)。まずはそれを活かしたいと思います。逆に課題はスキル。急にうまくなるわけじゃないですが、彼のスキルが伸びるような練習をしていく。ここで(自軍の計画した練習を)やっていれば伸びてくる」

 まずは強みを最大化したいとする指揮官のもと、当の本人は苦手なことから逃げない姿勢を学び取っている。10月7日は栃木・足利市総合運動公園陸上競技場で筑波大学戦をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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