アストロズが第2戦に挙げたワールドシリーズ初勝利は、審判のおかげだった!?
延長11回のロング・ゲームを制し、ヒューストン・アストロズがワールドシリーズ初勝利を挙げた。アストロズのワールドシリーズ出場は、これが2度目だ。最初に出場した2005年はシカゴ・ホワイトソックスにスウィープされ、今年の第1戦もロサンゼルス・ドジャースに敗れた。
この白星に最も貢献した選手を一人挙げるなら、ジョージ・スプリンガーかマーウィン・ゴンザレスだろう。スプリンガーは11回表に2ラン本塁打、ゴンザレスは9回表に同点本塁打を放った。ダブル・スイッチにより、10回裏の途中から出場したキャメロン・メイビンも、価値ある働きをした。メイビンは11回表の先頭打者として、ヒットを打って盗塁も決めた。
ただ、選手以外にも、アストロズの勝利に「貢献」した人物がいた。その人は、アストロズのピンチが広がるのを、身体を張って防いだ。
10回裏のことだ。ドジャースはクローザーのケン・ジャイルズから2点を奪い、同点に追いついた。さらに、場面は2死二塁。アストロズはここで、ジャイルズに代えてクリス・デベンスキーをマウンドに送った。
デベンスキーは初球の前に、二塁へ牽制球を投げた。このボールは、ベースに入ったホゼ・アルトゥーベより背の高い野手でも捕ることができないほど、大きく逸れた。そのままであれば、ボールは外野に抜けていき、走者は三塁に進んでいたはずだ。
だが、ボールは二塁の塁審を務めるラズ・ディアズを直撃し、跳ね返ったところをアルトゥーベが素早く拾った。このため、走者は進塁できなかった。
デベンスキーは打者をセンターフライに討ち取り、同点のままイニングを終えた。ただ、二塁ではなく三塁に走者がいたなら――それも自分の悪送球で招いた状況であったなら、結果は違っていたかもしれない。
この試合では、3回表にこんなプレーもあった。センターを守るクリス・テイラーがダイビング・キャッチを試みたものの、打球は手前でバウンドしてグラブの上を通り過ぎた。けれども、長打にはならなかった。ボールはテイラーがかぶるキャップのツバに当たり、レフトのジョク・ピーダーソンの方へ跳ねた。
アストロズはこのシングル・ヒットで先制点を挙げたが、抜けていれば二、三塁になっていたと思われる場面は、一、二塁にとどまった。後続の2人が三振に倒れ、イニングは終わった。