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来シーズン、筒香嘉智はどこを守る!? 今シーズンのパイレーツではライトが多かったが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)Aug 29, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、筒香嘉智は3チームでプレーし、一塁とライトとレフトを守った。8月半ばに入団したピッツバーグ・パイレーツでは、ライトの守備につくことが多かった。ライトが150.1イニング、一塁が88.2イニング、レフトは16.0イニングだ。

 パイレーツは、ライトを定位置としていたグレゴリー・ポランコを、8月下旬に解雇した。一方、レフトのベン・ギャメルと一塁のコリン・モランは、現在もパイレーツにいる。来シーズンも筒香がライトを守れば、3つのポジションは埋まる。筒香の三塁起用はないだろう。昨シーズンはタンパベイ・レイズで三塁も守ったが、今シーズンはどのチームでも皆無だった。また、パイレーツの三塁にいるキブライアン・ヘイズは、期待の若手だ。故障もあり、OPS.700未満に終わった今シーズンも、守備は優れていた。

 ただ、パイレーツのビート・ライター、トリビューン-レビュー・スポーツのケビン・ゴーマンによると、ベン・チェリントンGMは、筒香のポジションについて、一塁をメインとするのがベストだと考えているらしい。ライトに有力な候補がいるわけではないが、アンソニー・アルフォードグレッグ・アレンをはじめ、外野手の人数は少なくない。

 そうなると、筒香とモランは、ポジションがかぶる。どちらも左打者。もともとは三塁手だったことも共通する。年齢も近く、来シーズンは30歳と29歳だ。

 2013年のドラフトで、モランはマイアミ・マーリンズから全体6位指名を受けた。その後、ヒューストン・アストロズを経て、2018年1月にパイレーツへ。ゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)の交換要員の一人として、アストロズからパイレーツへ移った。ちなみに、モランとともに移籍した3人のなかには、ジョー・マスグローブ(現サンディエゴ・パドレス)がいる。

 ここまでのモランは、マスグローブと違い、ドラフト順位に見合った成績を残せていない。ホームランは、過去4シーズンとも10本以上ながら15本未満。出塁率は.320~.340の間を上下している。今シーズンは99試合に出場し(故障者リストに2度入った)、10本塁打と出塁率.334を記録した。OPSは.724だ。

 来シーズンから、ナ・リーグでもDHが採用されれば、筒香が一塁を守っても、モランはDHとして同時に出場できる。この場合は、筒香がDHでモランが一塁という組み合わせのほうが多くなりそうだ。だが、その前に、パイレーツはモランをノンテンダー(契約解除)とするかもしれない。今シーズンの年俸は280万ドル。来シーズンの年俸は、新たな労使協定によって左右されるが、筒香の400万ドルと同程度まで上がる可能性もある。モランを獲得したのは、チェリントンGMではなく、前任のニール・ハンティントンだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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