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ラグビー界のマラドーナ? マイケル・リトル、サンウルブズのキャプテンに。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
カールのかかった金髪を振り乱して走る(著者撮影)。

 サッカーのアルゼンチン代表として活躍したディエゴ・マラドーナは、小柄な身体ながらドリブルを長所に活躍。現代ラグビー界でそれと似た印象を与える選手が、マイケル・リトルだ。

 身長183センチ、体重89キロの25歳。ラグビー選手、とりわけ突破役のセンターを務める選手にあっては決してサイズには恵まれていないが、細かいフットワークと強靭な足腰で防御ラインを突破。昨季のスーパーラグビー(強豪国のクラブによる国際リーグ)では、日本のサンウルブズの新加入選手として一気にブレイクした。

 父は元ニュージーランド代表のウォルター・リトル。同選手が三洋電機でプレーしていた頃は、群馬県の小学校に通っていた。現在は三菱重工相模原にも在籍するリトルは、今年2月開幕のスーパーラグビー新シーズンではサンウルブズの共同キャプテンを担う。プロップのクレイグ・ミラーとともに、多国籍集団を引っ張る。

 1月14日、共同取材に応じている。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今季の個人的な目標は。

「去年はサンウルブズの一員として素晴らしいパフォーマンスができ、良かったと思います。今季はキックが上手になりたいです。毎日、毎日、上手になれるよう努力します」

――チーム目標は。

「しっかりとグラウンド上でよいパフォーマンスをすること、毎週、毎週よくなっていくことを確認していきたいです。特に、この国には素晴らしいファンの方がいらっしゃいます。その方たちが誇りに思えるようにしたいです」

――昨季のパフォーマンスを受け、他クラブからのオファーは。

「…(日本語で)スコシ。ただ、このチームが好きですし、このチームのコーチ陣を信頼しています。ですので、戻ってくることにしました」

――今季は、共同キャプテンに指名されています。感想、経緯を聞かせてください。

「驚きました。緊張しています。去年もチームのリーダーシップグループの中には入れていただきましたが、こうなるとは思っていませんでした。数か月前、トニー・ブラウンヘッドコーチからテキストメッセージをいただき、それで知りました!  2019年シーズンのリーダーとしてどうやってゆくか、アイデアのやり取りをしていたなかでのことです。そのメッセージをもらった後、電話で正式に言われました」

――ここでの「テキストメッセージ」は。

「カルチャーの部分で話し合いました。最初のうちは少ない日本人選手が、突然一気に入ってくる(3月ごろの予定。日本代表の強化スケジュールの都合上)。その時、彼らがすぐに溶け込める、その後に離れていってもすぐに戻ってきやすいようなカルチャーをどう作るか。しっかり厳しいトレーニングをし、それを楽しむのがカルチャーになっています」

――過去のキャプテン経験は。

「ニュージーランド時代、中学校以上の学校、クラブラグビー、プレミアレベルでキャプテンをしていました」

――どんなキャプテンだったか。

「フィールド上ではハードトレーニングをしてスキル向上に努める。フィールドを出れば、よろしくない話もたくさんします!」

 現行ルール下では、国内居住連続3年以上で他国代表経験のない選手は当該国の代表選手となれる。2017年に再来日のリトルは、2020年シーズン突入後に日本代表入りの条件を満たせそうだ。2023年のワールドカップフランス大会で、列島の誇る核弾頭となるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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