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WBCヘビー級タイトル戦、デオンテイ・ワイルダーvs.タイソン・フューリー再戦が2月22日に決定

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
2018年12月1日、両者は引き分けた(写真:ロイター/アフロ)

 昨年11月にルイス・オルティスを下し、WBCヘビー級タイトル10度の防衛に成功したデオンテイ・ワイルダー(34)https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20191126-00152293/。先の試合から僅か3カ月で次戦が決まった。戦績は目下、42勝(41KO)1分け。

 今回の挑戦者は2018年12月1日にドロー防衛を果たした相手、タイソン・フューリー(31)だ。両者の初戦は、3名のジャッジが3様の答えを出した。一人はドロー、一人はワイルダー、残る一人はフューリー勝利を唱えた。

 リターンマッチとなることは、必然だった。

Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions
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 11月23日の試合後、休む間もなく11度目の防衛戦に向かうワイルダーは言う。

 「またビッグマッチに出場できて嬉しい。俺のキャリアで最も重要な一戦だと認識している。試合の日が楽しみで楽しみで、待てない。この体は6週間のトレーニングキャンプをこなしても、3週間分くらいにしか感じないんだ。だからこそ、オルティス戦が終わったばかりなのに、このタイミングで試合を決めた。身体はいい状態だよ。

 皆さんが知っているように、第1戦で、俺はヤツからダウンを奪っている。でも、仕事を完了させることができなかった。今度こそ、はっきりとKOで試合を終わらせてみせる」

Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions
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 「正直なところ、フューリーはリターンマッチを直ぐにやることを望まずに、楽な相手を選んでいた。でも、俺は山の頂を登り続けている。また、ヤツの他の対戦者とは違った危険なモノを持っている。だからこそ、己の時代を築けた。

 ヤツは『第一戦の時はコンディションがイマイチだった』と唱えたいようだが、こちらに言わせればいい状態に仕上げていたよ」

Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions
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 「フューリーは俺のパワーの前に、何もできないだろう。今、ヤツの動きをイメージし、どのように対応するか、様々なイメージが湧くんだ。フューリーのスタイルに対して完璧なパンチを打ち込んでいく。俺には、それだけのスキルがある。ボクシングIQも並みじゃないからね。

 ヤツも100%の力で向かって来るだろう。望むところだよ。いいかい、これだけはハッキリ伝えておく。今回はヤツをKOしてみせる。今の俺は、百獣の王、ライオンだ。誰もが感じているように、これは他の世界戦とは比較できないほどのメジャーな一戦だ。2人の巨人、2人のチャンプがぶつかり合い、真のキングが決まるんだから」

Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions
Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions

 ドーピング違反やタイトル剥奪など、常に話題をまきながら現役を続行中のタイソン・フューリーも、2015年11月にウラジミール・クリチコを下してWBA(スーパー)、IBF、WBOの最重量級タイトルを手にしたことがある。29勝(20KO)無敗1引き分けを誇る。

 両者共に<1引き分け>の相手と対峙し、是が非でも決着を付けねばならない。

Photo:Sean Michael Ham:TGB Promotions
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 タイソン・フューリーは話した。

 「ワイルダーが私を倒すという意見もあれば、私がポイントアウトすると主張する人もいる。でも、ワイルダーがアウトボクシングを見せ、私が彼をノックアウトすることだってありうる。

 ワイルダーは、私がぎくしゃくした動きをすると考えているだろう。しかし、自分はリング中央で激しく打ち合い、どちらが強いかを決めたい。初戦で私はスタミナを使い果たし、KO決着させることができなかった。でも、今回はマービン・ハグラーvs.トーマス・ハーンズのようなファイトになる。2ラウンドでワイルダーを眠らせてやるよ」

 加えて、フューリーは「我々はついにリターンマッチを迎える。もう長い間、ヘビー級にはビッグマッチが無い。個人的には、レノックス・ルイスvs.マイク・タイソン戦以来、最重量級の大試合は行われていないと感じている」と述べた。そして、続けた。

 「デオンテイ・ワイルダーは、14カ月前に私に殴られてから、再戦の呼びかけに応じず、距離を取っていた。私を避けていたんだな。2月22日、ついに白黒がハッキリ付くよ。何が起ころうと、私が勝利してグリーンのベルトを腰に巻く。彼を叩きのめしてやる。再々戦になっても同じように叩きのめすよ。

 私はワイルダーにボクシングレッスンをしたうえで、KOしてみせる。準備万端だ」

 2月22日。確かに目が離せない一戦となりそうだ。初の1敗を食らうのはどちらか?

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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