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モロッコが20年ぶりにW杯出場! 海を越えたブリュッセルで垣間見たサッカーの魔力

村上アシシプロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント
ブリュッセルの証券取引所の前を占拠しW杯出場を祝うモロッコサポーター(筆者撮影)

ロシアワールドカップのアフリカ3次予選の最終節が11月11日に開催され、首位のモロッコが勝ち点差1の2位コートジボワールを相手に2-0で勝利し、1998年のフランス大会以来、20年ぶりにワールドカップ出場を決めた。

筆者はこのニュースをベルギーの首都、ブリュッセルにあるシーフードレストランで、ムール貝に舌鼓を打ちながらスマホで読んでいた。

「地中海の向こう側のモロッコでは、今頃お祭り騒ぎなんだろうな」と思いを馳せつつ、会計を済ませて店を出たところ、ブリュッセルの街が異様な雰囲気に包まれていた。

道行く車がクラクションを鳴らしつつ、箱乗りで身を乗り出しながら大騒ぎをしているのだ。

何やら爆竹のような破裂音が聞こえるので街の中心に向かって歩いてみたところ、そこにはとてつもない光景が広がっていた。

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なんと、ブリュッセルの証券取引所の前をモロッコの国旗を手にしたモロッコサポーターが占拠していたのだ。

モロッコ人の騒ぎを警戒するブリュッセルの警官
モロッコ人の騒ぎを警戒するブリュッセルの警官

ここはベルギーの首都ブリュッセルなのに、何故モロッコサポーターがこんなに多くいるんだーー。

率直な疑問を近くにいたモロッコ人に英語でぶつけてみた。すると彼は「ブリュッセルにはモロッコの移民がとても多いんだよ」と答えてくれた(ホテルに戻って調べてみたところ、外務省のウェブサイトで「ブリュッセル110万人の人口のうち、モロッコ人が191300人」という記事を発見した)。

移民という概念を欧州ほど身近に感じない日本に住んでいると違和感のある光景だったが、これがある意味「世界標準」なのかもしれない。

モロッコ人と思われる人々が皆笑顔ではしゃぎながら、母国の20年ぶりのワールドカップ出場を祝っていた。

たとえ異国の地に住んでいようが、母国のワールドカップ出場はとてつもなく嬉しいのだ。祝わずにはいられないのだ。これほどまでに世界中の人々を惹きつけるワールドカップの偉大さを改めて実感した次第だ。

筆者はこの後、11月13日のワールドカップの欧州予選プレーオフ2ndレグ、イタリア対スウェーデンを見にミラノに飛び、どちらかの国がW杯出場を決める瞬間を目撃する予定だ。そこでもまた「サッカーの魔力」に酔いしれたい。

プロサポーター・著述家・ビジネスコンサルタント

1977年札幌生まれ。2000年アクセンチュア入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続。2019年にパパデビューし、「半年仕事・半年育児」のライフスタイルにシフト。南アW杯では出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書「半年だけ働く。」を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を自称。カタール現地観戦コミュニティ主宰(詳細は公式サイトURLで)。

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