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投手として投げ、ホームランを打ち、外野も守り、勝利投手に。それでも98年前のルースには敵わない!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・ロレンゼン(シンシナティ・レッズ)Jun 9, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月4日の試合で、マイケル・ロレンゼン(シンシナティ・レッズ)は、投手として投げ、ホームランを打ち、外野も守り、勝利投手となった。

 スタッツ社によると、同じ試合で、白星を挙げ、ホームランを打ち、野手として守ったのは、1921年6月13日のベーブ・ルース以来だという。1世紀近く経ているだけでなく、最後がルースだったこともあり、インパクトは大きい。

 もっとも、この日のロレンゼンと98年前のルースを比較すると、かなりの違いがある。

 ロレンゼンはチーム3人目の投手として、7回表から出場した。2イニングを投げて1失点。ホームランを打たれて同点に追いつかれ、セーブ失敗を記録した。ちなみに、セーブ失敗は2登板連続だ。一方、先発登板したルースは、7人を歩かせ、5回表に4点を奪われて2点差に詰め寄られ、6回表に無死一、二塁としたところで降板したが、ホームランは打たれず、リードは保った。5.0イニングで自責点は3だ。

 ロレンゼンは1打席に立ち、ホームランを打って、リードを1点から3点に広げた。それに対し、ルースはホームランを2本打ち、3打点を挙げた。3打数2安打、2四球。1回裏の四球は、敬遠だった。

 投手としては、どちらも今ひとつだったものの、ルースの方が長く投げた。打者としての働きも、ルースが上だろう。また、2人とも登板後はセンターを守ったが、ルースは6回表の途中から試合終了まで。ロレンゼンは9回表だけだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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