マイペースすぎる子ども!行動を早くさせるための練習方法を幼児教育講師が解説!
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は『マイペースな子どもの子育ての仕方』をテーマにお話しさせていただきます。
お子様がマイペース、行動が遅い、慎重すぎる。ということに悩まれている方は本当に多いですよね。
今回はそんな方々のお悩みを解消できるように、私の中にある経験と知識を全てお話ししていきたいと思います!
【マイペースは短所なのか?】
まずマイペースな子どもの子育てについて考えるときに、私が最も大事だと考えている『問い』から話していきたいと思います。
それはマイペースは短所なのか?ということです。
私がこれまでご相談を受けてきた、お子さんのマイペースに悩まれている親御さんの多くは、マイペースを短所だと考えていることがほとんどです。
ですが私たち教育者から言うと、マイペースで大人が困ることはあるかもしれませんがマイペースは本質的には子どもの長所です。
これを勘違いしてしまうとお子さんへの声掛けや接し方を180度間違えてしまうこともあるので、深堀してお話ししていきたいと思います。
【すぐに行動できる子とできない子の違い】
子どもたちと接していると、「〇〇するよ!」などと大人が言うとすぐに動き出す子と、そうではない子に分かれます。
何も考えないでそういう子たちを見ていると、すぐに動き出す子が頭の回転が早くすごい子のように見えます。
ですが、実はすぐに動き出す子は何も考えずにただ動き出しただけで、反対に動き出さない子はものすごく色々と頭の中で考えていて、超主体的に思考していることが多々あります。
子どもは並列処理が上手くなく、行動しながら考えるのが難しかったりするため、考えることに意識を使っているから動きだせないだけなのです。
こんなことを言うと「いやいや!この子は考えてないですよ。だって何を聞いても答えも返ってきませんから。」という声が聞こえてきそうですが、子どもは表現する力もまだまだ未熟です。
考えていても、それを行動に移したり言葉で表現するにはもう一段ハードルがあるので、答えられないからと言って考えていないと考えるのは大きな間違いです。
もちろん「じゃあすぐに動き出した子はダメ」ということではなく、すぐ動き出せることも長所であり、そういう子は動くことで主体性を発揮しています。
逆に、まずじっくり考えられることも長所であり、そういう子は考えることで主体性を発揮しているのです。どちらが上も下もないです。
これはあくまでタイプの違いであって、そういったすぐに行動できない子は、実はある程度ほったらかしていればどんどん主体的に育ってくれたりするんですよね。
それを理解できずに、「とりあえずやってみようよ!」とか「早く動いて!」などと声をかけるから、その子にとっての主体的な行動である『考えること』ができなくなってしまうわけです。
【マイペースは改善できる?】
マイペースは長所だ!とお話ししてきましたが、とはいえそんな精神論を言われても。どうすればいいか教えてほしい。と思われた方も多いかと思います。
私も「マイペースだからただ放っておいてください」と言いたいわけではありません。
子どもの長所だと認識した上で、マイペースなりの早い行動ができるトレーニングをしていくのが王道の対応方法だと思っています。
その具体的な方法はたった1つで、『日々意思決定の機会を与える』ということです。
そもそも子どもの行動を早くさせようと思ったときに、親は言葉やものなどを駆使して子どもの意識に対してアプローチをしがちです。
- 子どもが行動したくなる声掛けをする
- 叱って怖がらせて行動させる
- もので釣ってワクワクさせて行動させる
これらがきっかけで行動することはあると思いますが、全部本質ではありません。
もちろんどうしても早く動いてほしいときのテクニックとしてたくさんの引き出しを持っておくことはいいと思います。
私も以前こちらの記事でテクニック的なことをご紹介しています。
ですが、テクニックだけで子どものマイペースを何とかしようとするのは間違いです。
早く行動することや早く動き出すことは、精神的なことではなく能力です。
つまりこれをやればすぐに自立して早く行動できますよ!というものはなく、時間をかけて練習していく必要があるということです。
それを理解せずに、マイペースを意識の問題だと思って接するから最終的に「早くしなさい!」「どうしていつもそんなにゆっくりなの?」「いいかげんにしなさい!」などという命令や脅しの言葉が出てきてしまうわけです。
子どもも頭の中で整理できていない、できないことをどんどん強要されるわけですから、逆に行動ができなくなっていきますし、挙句の果てには長所だったじっくり考えることすらできなくなってしまうこともあるわけです。
なので、まずは「早く行動する練習をしていきましょう!」ということで、ここからはその方法である『日々の意思決定』の具体的な練習方法についてお話ししていきます。
【意思決定の機会の与え方】
①日常生活の中で色んなことを子どもに選ばせていく
これは、マイペースの子特有の“動き出しが遅い”ということに対するアプローチです。
日常の中には子どもに選ばせることができるもので溢れています。
- 今日の洋服
- 今日の夜ご飯
- 飲み物を何にするか
- 宿題をやる順番
- どこに遊びにいくか
- 週末何をして遊ぶか
- どの本を買うか
- 文房具はどれを使うか
挙げればきりがありません。
そういった事を子どもにどんどん日頃から選ばせていきましょう。
目安としては0~3歳は親が選択肢を2つにして聴く。つまり2択にして子どもにどちらかを選ばせます。
4~6歳であれば3択~4択。
そして小学生以降は、自分で決められそうなものであれば「どうする?」など選択肢なしで意思決定させていきましょう。
こうやって日々お子さんに主体性のある意思決定を経験させていくと、自然と行動するのも早くなっていくものです。
②子どもがマイペースを発揮している時は行動を分解して選ばせる
例えば、着替えをしなくてはいけないのに全然動かないとき。
まずはいきなり声をかけるのではなく、できる限りは見守ってあげましょう。
その時間がマイペースの子がまさに主体性を発揮しているときです。
とはいえ限界がきますから、その限界の時間まで動かなかったら行動を分解して選ばせていきます。
「靴下から履く?ズボンから穿く?」
というように2択にし、子どもにその物を提示して選ばせます。
「早く着替えなさい!」ではなく行動を選ばせる。
それによって、多くの子は自分で選んだら少しずつ行動に移せるようになります。
また、そのときに行動がしやすくなる+意思決定の練習にもなるわけです。
ここで気を付けないといけないのは、子どもがやり方を分かっていない場合です。
マイペースだろうが、そうじゃなかろうが、やり方が分からなければ行動はできません。
ですから「そもそもやり方が分かっているか?」ということを一度考えた上で、もしやり方がわかっていないかもと感じたら、見本を見せるなり教えてあげるなりしたフォローをしてあげましょう。
いかがでしたでしょうか?
冒頭にも言いましたが、マイペースは長所であり親が焦れば焦るほど、その長所は削られていってしまいます。
幼児や小学校の低学年くらいであれば、多少迷惑をかけてもいいじゃないですか。
ちゃんと子どもは自分のペースで周りに迷惑をかけない行動ができるようになっていきます。
ぜひ気長に考えてあげてほしいと思います。
皆さんの子育てを応援しています!