【育脳】子どもの成長のヒミツは脳の進化にあった!子どもの脳の4つの成長段階を幼児教育講師が解説!
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は『子どもの脳の成長』をテーマにお話しさせていただきます。
「子どもを成長させる子育てをしていきたい」と考えるのであれば、基礎となる脳の成長について勉強しておくと、
- 今のお子さんにとって何が重要なのか
- どんなことを優先すべきか
- 何でこんな行動を取るのか
このようなことが理解できてきて、親が取るべき行動が明確になったり、親の心が楽にもなると思っています。
ですので、今回は脳の成長としてぜひ知っておいていただきたい基礎の部分をなるべく分かりやすく解説していきます。
【人間の脳の進化】
私たち人間の脳は生き残るために様々な進化をしてきました。
人間だけでなく、生き物が生存していくためには環境に適応するために進化していく必要があります。
その中でも人間は高度な進化を遂げてきたと言われています。
一番有名なところでいうと、人間は手を使えるようになり直立二足歩行ができるようになったことで、他の動物よりも有利になったわけです。
そしてその進化の中で、人間の脳は面白い進化の仕方をしてきました。
進化というと、ポケモンが進化系になるように古いものが新しいものに形を変えるようなものを想像するかもしれませんが、実は人間の脳は違う進化の仕方をしています。
それは『古いものはそのまま残り、それに新しいものが覆いかぶさっていく』という進化の仕方です。
このことから何がわかるかというと、私たちの先祖が持っていた能力やマインドは今も私たちの中に生きているということです。
【脳の4つの進化過程】
私たち人間の脳の進化の過程は大きく分けると4つあると言います。
それはよく
- 『ワニの脳』
- 『ウマの脳』
- 『サルの脳』
- 『ヒトの脳』
と、表現されます。
簡単にいうと、私たちの先祖はまず『ワニの脳』を持っていて、そこに『ウマの脳』が覆いかぶさり、次に『サルの脳』が覆いかぶさり、最後に『ヒトの脳』が覆いかぶさって、今の人間へと進化をしていったということです。
子どもの成長を考えるときには、この4つの脳についての理解を深めていくことが大切だと思っています。
なぜかというと、子どもは生まれてから今お話した進化のように、ワニの脳とウマの脳が基本的には最初に機能し始めて、次にサルの脳、ヒトの脳をいうように順番に働き始めるからです。
そして、最後のヒトの脳が働き始めたからといって他の脳が働かなくなるわけではなく、全てが働きながら関わり合っています。
ですから、今の人間はヒトの脳が一番上に覆いかぶさっているから、ヒトの脳に対してアプローチをすれば良いというわけではなく、順番に機能し始める脳の特色をそれぞれ知っておき、適切なアプローチをしていくことが大切になってくるわけです。
ではまずは、その4つの脳の役割と特色を解説していきます。
①ワニの脳
この脳は0歳から働き始めます。
ワニの脳は別名『衝動や欲求、本能の脳』とも呼ばれます。
1歳まではとにかくこのワニの脳を満足させてあげることが大切です。
ワニの脳が満足していないとその後の他の脳の発達に弊害が出ることもあるそうです。
ワニの脳の特徴をざっくり言うと、ただひたすらに『今の快楽』を求める脳です。
とにかく自己中心的で
- めんどくさいことは嫌!
- ダラダラが好き!
- 食べ物をたらふく食べたい!
- 自由に動きまわりたい!
- 邪魔は許さない!
みたいな感じです。
この脳は大人でも、極限の飢餓状態などといった生存が脅かされるような状態だと他の脳を押しのけて強力に活動し始めます。
もっと身近なことで言うと、ダイエットをした後に食欲が増幅してリバウンドしてしまうといったことも、このワニの脳で説明されていたりします。
②ウマの脳
この脳も0ヶ月から機能をしていますが、1歳から3歳くらいに最もパワフルに活動します。
ウマの脳は別名『乱暴、不安、好き嫌いの脳』とも呼ばれます。
この脳を生後5ヶ月くらいから3歳くらいまでに『安心感』を与えることで満たしてあげると、次のサルの脳の基礎が育っていきます。
私はよくで愛情の大切さについてお伝えしていますが、脳の成長の観点からいうと
愛情を与える → 子どもが安心感を覚える → ウマの脳が育っていく → その後の成長に良い影響が生まれてくる
ということにつながるわけです。
このウマの脳は、ワニの脳が『今の快楽』を求めていたのに対して、『これからの快楽』を求めることができるようになります。
それによって
- これ良い感じだな!もっと近くに行ってみよう!
- これ好き!もっとこっちにきて!
というように行為や愛着を示したり、反対に
- 怖い!どっか行って!
- これ嫌い!あっち行け!
などと拒絶したり攻撃を示すようになり、好きと嫌いを区別するようになっていくのです。
このウマの脳は、感情に大きく影響すると言われます。
そのため、才能を開花するということだったり社会生活に対しての影響が最も深い脳です。
生涯にわたって機能し続け、サルの脳とヒトの脳が暴走するのを抑止する役割も担うと言われます。
③サルの脳
この脳は1歳から1歳半にかけて「ウマの脳が暴れていない楽しい時」を中心に少しずつ働き始めます。
サルの脳は別名『他者への関心、社会性の発芽の脳』とも呼ばれます。
動物は群れを大きくして助け合うことができると生存できる確率が上がります。
ですが、その分関わり合う社会が複雑になっていきます。
そのために必要となったのがサルの脳です。
- 「仲間と助け合ったり仲良くする」といった『協調』
- 「俺の方がすごい!俺の方が上だ!それを尊重しろ!」といった『自尊』
- 「この人には勝てない」、「周りから僕は好かれているのかな、嫌われているのかな」といった『自己評価』
などができるようになり、今の私たちでも大切な機能を担っています。
この脳が働き始めるサインは『他者へ関心を持ち始める』ということです。
親としては、子どもの働きかけに対してたくさんかまってあげることで、サルの脳を満足させてあげることができます。
このサルの脳は、3歳〜4歳くらいにかけてウマの脳を多少制御できるようになっていくので、それまでの子どもはワニとウマの脳が暴走しまくりというわけです。
だから、2歳前後は我が強いとか、魔の2歳児、魔のイヤイヤ期のような状態が発生するわけですね。
子どもがイヤイヤと自己主張全開なのは「まだウマの脳なのね。可愛い!」とできれば考えてあげたいですね。
④ヒトの脳
この脳は、いつから働き始めるかあまりはっきりしていないのですが、ヒトの脳の一部の能力が2歳くらいから見られるため、大体そのくらいだと考えられています。
ヒトの脳は別名『目的、戦略、抑制の脳』とも呼ばれます。
この脳が働き始めると、さらに複雑な物のパターンを理解できたり、操作できるようになっていきます。
分かりやすい例でいうと「罠を仕掛けて獲物を獲る!」みたいな行為はこのヒトの脳が機能しているからできる行為です。
ヒトの脳が機能するから
- 「仕組みはどうなってるんだろう」「法則はないか?」と考える
- 「これをするとどうなる?」「これが起こるとどうなる?」と予想、計画を立てる
- 「あの人は何を考えているんだろう。どんな気持ちかな?」と他者の心を感じ取る
このようなこともできるようになるのです。
過去と未来の認識と他者の心を読み取る力は大体2歳くらいから4歳くらいにかけて伸びていき、言葉によってあらゆることを上手にコントロールし始めるのが大体5歳くらい、そして計画などを立てることができるようになるのが早い子で6歳くらいから、そして9歳以降に課題を遂行していくような力が大人に近づき始めます。
このように、4つの脳にはそれぞれ働き始める時期と、それぞれ別の機能があります。
ですから、子育てをする上ではこの脳をできる限り理解しながら、お子さんの言動などの意味を理解していってあげることが大切になってくるわけです。
「脳の仕組み的にまだできない」とか「そういう時期」ということがたくさんあるということですね。
いかがでしたでしょうか?
後編では、この脳を上手く成長させていくための考え方と方法について解説しますので、楽しみにお待ちください。
皆さんの子育てを応援しています!