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史上7人目のポストシーズン通算出場100試合まで4試合。スウィープされてもマイルストーンには到達

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ブレグマン(左)とホゼ・アルトゥーベ Nov 7, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)は、ポストシーズンの96試合に出場している。

 アストロズは、10月15日からリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを行う。そこでテキサス・レンジャーズにスウィープされたとしても、アルトゥーベの通算出場は、欠場しない限り、100試合に到達する。ディビジョン・シリーズの4試合とも、アルトゥーベは、「1番・二塁」としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。

 ポストシーズンの100試合以上に出場した選手は、6人しかいない。下のリストは、出場80試合以上の18人だ。

筆者作成
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 トップ3は、ニューヨーク・ヤンキース一筋にプレーした3人、158試合のデレク・ジーター、125試合のホルヘ・ポサダ、121試合のバーニー・ウィリアムズが占め、野手ではないマリアーノ・リベラも8位タイに位置する。現時点のアルトゥーベと同じ、96試合だ。60試合以上に登板した投手は、他にはいない。

 ヤンキースの「コア・フォー」と言えば、遊撃手のジーター、捕手のポサダ、クローザーのリベラに、先発投手のアンディ・ペティートだが、個人的には、センターのバーニーを含め、「コア・ファイブ」とすべきだと思う。

 ちなみに、バーニーの出塁率.381とOPS.858、287本塁打は、いずれもジーターとポサダを凌ぐ。ジーターは、出塁率.377とOPS.817、260本塁打。ポサダは、出塁率.374とOPS.848、275本塁打だ。

 ペティートのポストシーズン先発44登板――リリーフ登板はゼロ――は、歴代で最も多い。ヤンキース時代の30登板と10登板の間に、アストロズ時代の4登板を挟んでいる。

 一方、アルトゥーベは、ジョージ・スプリンガー(現トロント・ブルージェイズ)、カルロス・コレイア(現ミネソタ・ツインズ)、アレックス・ブレグマン(アストロズ)とともに、アストロズの「コア・フォー」と称されていた。スプリンガーのポストシーズン出場は67試合。アストロズで63試合とブルージェイズで4試合だ。

 アルトゥーベに加え、ブレグマンも、今年のポストシーズンで出場100試合に到達するかもしれない。マイルストーン到達までは10試合。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズは、どちらも最多なら、計14試合となる。

 こちらの場合、アストロズで彼らとチームメイトだったユリ・グリエル(現マイアミ・マーリンズ)のポストシーズン出場は、コレイアとスプリンガーより多いが、「コア・ファイブ」する「コア・ファイブ」とするのは、少し無理があるような気がする。「コア・フォー」のいずれも、アストロズ時代に出塁率.350以上とOPS.830以上、130本塁打以上を記録しているのに対し、グリエルは出塁率.328とOPS.776、94本塁打だ。

 なお、ポストシーズンで80試合以上に出場しながら、ワールドシリーズ優勝を経験していないのは、95試合のケニー・ロフトンだけだ。1995年と2002年にワールドシリーズでプレーしたが、在籍していたチーム、クリーブランド・インディアンズとサンフランシスコ・ジャイアンツは、どちらも敗退した。

 次いで多いのは、アンドルー・ジョーンズの76試合。アトランタ・ブレーブスが1995年のワールドシリーズで優勝した時、チッパー・ジョーンズはメジャーリーグ2年目だったが、アンドルーがメジャーデビューしたのは、その翌年の1996年だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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