長友佑都を放出のインテルは「5」?「7」? セリエA、“厳冬”の補強採点
現地時間1月31日、イタリア・セリエAの冬の移籍市場が終わった。最終日も上位勢にほとんど補強がなかった今回の市場は、どのように評価されているのだろうか。
2月1日付『ガゼッタ・デッロ・スポルト』の採点では、最終日にナポリ移籍が注目されたマッテオ・ポリターノを残したサッスオーロに最高点がつけられた。一方で、そのシモーネ・ヴェルディ(ボローニャ)に加えてポリターノも獲得できず、選手層に厚みを持たせることができなかったナポリは「5」と厳しい採点に終わっている。
同じく「5」と酷評されたのが、エメルソン・パルミエリを放出し、代わりにホナタン・シルバを獲得したローマと、7年在籍した長友佑都がガラタサライへと旅立ち、サポーターが期待したハビエル・パストーレの獲得が実現しなかったインテルの強豪2クラブだ。
ただ、同日付『コッリエレ・デッロ・スポルト』の採点では、インテルはボローニャやサッスオーロと並ぶ最高点の「7」だった。駒不足だったセンターバックにリサンドロ・ロペスが加わり、中盤と右ワイドをこなせるラフィーニャをレンタルで獲得したのに加え、ジョアン・マリオの放出でサラリー負担がわずかでも軽減されたことが評価されたようだ。
なお、『コッリエレ』では、ナポリも「6」、ローマも「5.5」と『ガゼッタ』を上回る採点だった。また、夏に大型補強で騒がれたミランは、獲得選手がなく、放出もガブリエル・パレッタとの契約解消のみとあり、両紙とも「採点なし」に終わっている。
動きがなかったのは、ミランだけに限らない。王者ユヴェントスは補強の必要性が低かったこともあり、実質的にはマルコ・ピアツァをシャルケに武者修行に出したのみだ。
各クラブの収入・支出・収支はそれぞれ以下のとおりだ。単位は百万ユーロ。
今冬のマーケットがリーグ全体で大きく動かなかったことは、数字で示されている。『ガゼッタ』によると、今季の夏冬合計の補強額は10億8490万ユーロ(約1474億4000万円)と直近の5シーズンで最多。だが、冬だけに限れば、5180万ユーロ(約70億4000万円)と最少額なのだ。
セリエの今冬最高額移籍は、クマ・ババカル(フィオレンティーナからサッスオーロ)の1000万ユーロ(約13億6000万円)。アレクシス・サンチェスやアイメリク・ラポルテ、ピエール=エメリク・オーバメヤンなど、マーケット終盤まで高額移籍が続いたプレミアリーグや、バルセロナがフィリペ・コウチーニョに巨額をつぎ込んだリーガエスパニョーラには遠く及ばない。
もちろん、下位のクラブは残留のために補強に動いている。だが、インテルやミラン、ローマがファイナンシャルフェアプレーの影響で大きな補強に乗り出せず、寂しい冬になったことは否めない。
特に、悲願のスクデットを目指すナポリや、チャンピオンズリーグ出場権獲得がノルマという中でスランプに陥ったインテルとローマは、指揮官が補強の必要性をほのめかしていた。もしも目標を達成できなければ、サポーターが今冬の動きに不満を抱くのは想像に難くないが…。