Facebook・LINE・Twitterの利用状況を詳しくさぐる(2019年公開版)
LINEは携帯経由がほとんど
インターネットを用いた意思伝達手段としては、今や電子メールよりも使っている人も多いであろうソーシャルメディアやその類似サービス。しかしその利用実態はサービスによって大いに違いを見せているとの話もある。自ら内部データを公開しているところもあるが、おおよそは非公開なのが現状。そこで今回は総務省情報通信政策研究所が2019年9月に発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の調査結果をもとに、利用状況を確認する。
次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを閲覧のみで利用しているか、書き込み・投稿をしているか(単純に書き込みのみの利用は不可能なので、実質的に閲覧もしていると解釈してよい)。そして利用する際の端末はパソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコンを問わず。タブレット型端末も含む)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。
全体でも4/5強の人が使っているLINEだが、男女別ではいくぶん女性が高い。20~30代では実に9割以上、20人に19人以上が利用している。10代がやや低めなのは今調査が13歳以上を対象としているからで、利用可能な端末そのものを保有していない場合もあるため。そして50代までが8割超の利用者を示す、少々恐ろしい状況。50代でも5割強が利用者。
そしてLINEのチャットシステムとの特性上、閲覧する人と投稿する人の差異はそれほど大きくはない。さらには圧倒的に携帯電話経由の人が多い。見方を変えると20代では9割近くの人が、携帯電話を使ってLINEでやり取りをしている計算になる。
Facebookも携帯電話経由が多い
続いてFacebook。日本で展開された直後は「実名制は日本に馴染まないのでは」との指摘もあったが、いつの間にか主流のソーシャルメディアの一つとして君臨することとなった。
パソコン経由における男性の利用率が女性と比べてやや高めなのは、ビジネス利用の事例が多分にあるからだろう。また年齢階層別では20-30代が多く、以後年が上となるに連れて減少していく。ただし投稿に限ると、パソコン経由では20代と40~50代がほとんど変わらず、携帯電話経由では20~40代がほぼ同率を示す。ビジネス目的での利用が多いからだろうか。また10代でもおよそ6人に1人以上がFacebookを利用している状況は、大いに注目すべき。
端末別だがLINEほどではないもののFacebookも携帯電話がメインの利用端末となっているのが現状。そして双方向での利用を強要されないこともあり、閲覧だけの人と投稿もする人との差がそれなりに大きいのも特徴的。
Twitterは10~20代の利用が多い
最後はTwitter。
Facebookは20~30代の利用がメインだが、Twitterは10~20代が主な利用層で、主要年齢階層が10歳分ほど若い方にシフトしている。そして携帯電話からの投稿利用においては男性よりも女性の方が高い値を示すなど、特異な動きを示している。Twitterは導入当初は中年層以降に利用されることが多いとの話もあり、いくつかの調査結果でもそれを裏付けていたが、現状では20代までの若年層が中心で、携帯電話がメインの使用機器、そして女性も積極利用しているのが実情となっている。
逆に30代以上は利用率、特に書込み率が急速に減る。他人の発言を読み通すだけで満足してしまっているのだろう。
10代は学校種類別でインターネットとの接し方が大きく変化する。本来ならば小中高校大学と所属別の動向も知りたいところだが、今調査ではその区分は用意されておらず、精査は不可能。今後中学生(12~15歳)におけるスマートフォンの普及率がさらに上昇すれば、10代における各サービスの利用率も大きな変化を見せることだろう。
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※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。
なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。