Honda鈴鹿との交流試合 4番・陽川がバックスクリーン直撃弾!《9/25 阪神ファーム》
きのう25日、阪神ファームは鳴尾浜にHonda鈴鹿を迎え、7月21日のルートインBCリーグ合同チーム戦以来となる久々の交流試合を行いました。社会人チームとは、7月1日の大阪ガス戦が雨で流れたため、3月25日の日本新薬戦と同26日の三菱重工神戸・高砂戦以来、ちょうど半年ぶりです。そしてHonda鈴鹿とは、昨年4月に対戦して以来。あの時は8対6で負けました。守屋投手も投げたんですよね。その話はのちほど。
試合は先発の岩貞投手が2回に1点をとられたものの、3回以降は球数も少なくキッチリ抑えています。田面投手は走者を出しながら3イニングを無失点で投げ終え、最後は石崎投手がピシャリ。打線は2回に一二三選手の二塁打から、相手エラーも絡んですぐ逆転しました。3回には、昨年4月の対戦でレフトへ“プロ第1号”を放った陽川選手が、今度はバックスクリーンへドカンとソロ!とはいえ後半は三振も多く追加点なしで、3対1という結果です。
《交流試合》9月25日
阪神- Honda鈴鹿 (鳴尾浜)
鈴鹿 010 000 000 = 1
阪神 021 000 00X = 3
◆バッテリー
【阪神】岩貞-田面-石崎 / 清水
【Honda鈴鹿】平井-栃谷-久保-國岡 / 飯田-新田(6回~)
◆本塁打 陽川ソロ(平井)
◆三塁打 加藤、横田
◆二塁打 一二三、横田
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]左:柴田 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0)
〃右:中谷 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]指:緒方 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃打指:田上 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]二:北條 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
4]三:陽川 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
5]中:横田 (4-3-0 / 1-0 / 1 / 0)
6]一:西田 (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0)
7]右左:一二三 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]捕:清水 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
9]遊:植田 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 1)
◆投手(打-振-球/失点-自責)最速キロ
岩貞 5回 54球 (3-2-1 / 1-1) 144
田面 3回 54球 (3-4-2 / 0-0) 145
石崎 1回 10球 (0-1-0 / 0-0) 152
試合経過
まず攻撃。1回は柴田の内野安打と緒方の四球でチャンスを作りますが、後続を断たれて得点なし。1点先制された直後の2回裏、1死から一二三が左翼線二塁打を放ち、清水は四球、続く植田が三ゴロ。サードが二塁へ送るもセカンドは捕れず(記録はセカンドのエラーとしています)、この間に一二三が生還。なおも1死一、三塁で柴田の遊ゴロで二塁はセーフ、柴田がアウトとなり清水ホームイン。
3回は1死後に陽川がセンターバックスクリーンへホームランを放って3点目が入りました。続く横田は中越えの三塁打。西田が四球を選んで一、三塁としますが追加点はありません。4回は柴田の右前打のみ。5回は北條の四球と横田の左翼線二塁打、西田の四球で1死満塁と攻めたものの後続を断たれ、6回は三者凡退。7回は2死から横田が中前打と盗塁を決ますが0点。8回は三者凡退と、リリーフ陣に抑えられて4回以降は無得点でした。
変わって投手陣。先発の岩貞は2回、先頭に四球を与え、2死をとったあと7番・加藤に中越えタイムリー三塁打を浴びて1点を失います。しかし3回と4回は三者凡退、5回に1安打されるも併殺などで退け、5イニングで54球という球数。3安打1失点で交代。
ついで田面が登板して、6回に1死から連続四球を与えますが3番・中村と4番・飯田は三振!7回も内野安打はあったものの2三振を奪うなど0点に抑えました。8回は2死からショート植田の送球エラー、そして連打で満塁と大きなピンチを迎えながら、最後は遊ゴロに切って取り、3イニングを無失点。9回は石崎が6番からを三者凡退。昨年の借りを返して試合終了です。
岩貞は大学のチームメイトと
Honda鈴鹿の選手たちがチームバスへ引き揚げてきた頃、そこへ行って話をしたり何かを手渡したりする阪神の選手が何人かいます。岩貞投手もその1人。1番を打っていた大城戸匠理内野手(24)が法政大学野球部の同級生。「去年も会ったんですよ。お互い、頑張ろうという話をしました」。きのうの試合では見逃し三振、三直と岩貞投手が抑えています。
2回に許したタイムリー三塁打は「真っすぐです。甘くいったというか…」と悔やんでいますが「それ以降は左バッターにうまくシュートが使えたので、今後ああいう場面があればシュートを使っていきたい」とのこと。2回までで31球だった球数が、3回と7回は7球ずつ、5回も9球と省エネ投球でした。「向こうが早打ちしてくれたので」と言いながらも、緩い球を張ってきているのを踏まえつつ、あえて「速いので勝負するよりは」と早いカウントで投じた変化球で打ち取った岩貞投手。またピッチングの幅が広がりそうです。
田面は社会人時代の先輩と
田面投手は連続四球や連打もありながら3イニングを0点に抑えました。試合後はJFE東日本時代の先輩、鹿沼圭佑投手(27)と外野で立ち話。「2つ年上で、隣の中学なんです」と言います。これもまた不思議な縁でつながっていますねえ。さて、試合は登板した6回に1死から連続四球を与えて久保投手コーチがマウンドへ。そのあと7回にかけて3者連続三振でした。
「フォアボールのあと変わったと思う。その前に変わるべきですけど…。フォアボールがなければ、というピッチングだった。カットボールでフォームが少しずれて、低めにはいきましたがボール、ボールとなってしまって。バッターに対して投げきれていなかった。真っすぐはわりとゾーンにはいっていたので、真っすぐと同じようにいけたら楽なピッチングになるかな」
最速145キロが出ていたし、真っすぐでストライク、ファウル、三振も増えていますね。「真っすぐの割合は多くなってきました。もう少し真っすぐで組み立てられたらなと。スピードにはこだわりすぎず、しっかり腕を振って(スピードが)出てくれたらと思っています」。2死満塁のピンチをしのいだ田面投手の秋に期待しましょう。
石崎は茨城の同級生と
寮の中から何かを持って出てきた石崎投手も、Honda鈴鹿のベンチへと向かいました。4番を打っていた飯田大祐捕手のところです。同じ学校やチームになったことはなく、対戦したのも今回が初めてですが「同じ茨城で、同じ年なんで」とのこと。その飯田選手に「球、速いけどねぇ~って言われました。“けどねぇ~”って」と笑う石崎投手。
9回を10球で三者凡退。先頭打者への2球目が140キロのフォーク、2人目を三ゴロに打ち取ったのがカットボール、他はほとんどが真っすぐだったそうです。最速は152キロだったものの「え、152も出てました?」という反応。自分ではそう思わなかったみたいです。「全体的にあまり感覚がよくなくて、その割に出ていたんですね。球速より、球の質が上がればいいんですけど」と言っていました。
ちなみに飯田選手は常総学院出身で、2013年まで阪神にいた清原大貴さんとバッテリーを組んでいたんです。試合前に清原さんから「可愛い後輩なんで見てあげてください!」と連絡がありました。清原さんは1つ上だけど「先輩だと思ってもらえていません(笑)」と。そのあたり試合後に聞きたかったのですが、タイミングを逃して残念!石崎投手について行けばよかったですね。
陽川と横田、2人でサイクル安打?
昨年の“プロ初ホームラン”に続いて、ピッチャーは違いますが今回もホームランを打った陽川選手。飛び込んだのはバックスクリーンで「ゴンッ!」といい音が響いて拍手喝采です。「打ったのはスライダー。サイドスローのピッチャーだったので、開かないようにと思っていました。追い込まれてからしっかり踏み込んで、どの球にも対応できるよう頭に入れながらいったら、ああいう結果になった」
1回は1死一、二塁で遊飛に倒れ「1打席目のチャンスにあの結果だったので、あそこ(3回1死ランナーなし)は後ろにつないでチャンスを作りたかった」と話しています。守備も軽快にこなしていた陽川選手。サードライナーもガッチリ捕ってピッチャーを助けていたものの「全部いつも通りでした」という答え。クールです。
4番・陽川選手はホームランの1安打、そして5番・横田選手が1回に三振したあとは中越え三塁打、左翼線二塁打、中前打と3打席連続安打!2人でサイクル安打だ~と勝手に喜んでいました。「三塁打、あれヒットですか?」と横田選手。センターの守備は怪しかったけど間違いなく三塁打ですよ。「打ったのはスライダーです。泳ぎ気味でした」。泳ぎ気味であそこまで飛ぶのはさすが!「たまたまです」
そのあと唐突に「あした楽しみです!」と横田選手。予測できたけど、念のために理由を聞いてみたところ「哲ちゃんに会えるから」と予想通りの返事でした。哲ちゃんって(笑)、3つも年上ですよ。でも「よく電話かかってきます」というくらい仲良しなので、許しましょう。
哲ちゃんこと阪口哲也選手が所属するパナソニックと、きょう26日は試合をします。鳴尾浜で行われた最後の公式戦で、阪口選手が公式戦初ホームランを打ったのが昨年の9月26日。ちょうど同じ日なんですよね。1年経ってユニホームが変わった阪口選手を、また鳴尾浜で見られる縁に小虎ファンの皆さんも大喜びでした。楽しみですね。
昨年の守屋、ことしの守屋
最後にHonda鈴鹿出身の守屋投手の話をご紹介します。23日のオリックス戦で先発したこともあって、きのうは登板なし。「投げたかったなあ…」と残念がっていました。試合後に、去年の登板について話していると、通りかかった原口選手が「ヒット打ってやったあ。へっへ~ん!」と珍しくドヤ顔で、しかも捨て台詞。残された守屋投手は「打たれました。ピッチャー返し…」と苦笑いです。本人に話を聞き忘れてしまったけど、陽川選手にもホームランを打たれるなど苦い結果だったんですよね。ちょっと振り返ってみます。
昨年4月27日、1対0とリードしたHonda鈴鹿の2人目で、守屋が登板。1イニング目の5回に1死から原口に死球、続く中谷に左中間二塁打されながら、陽川と横田は外野フライで無失点。しかし6回は阪口の右前打、西田の中前打などがあり、4番・一二三には四球を与えて2死満塁。5番・原口の中前タイムリーで2人を還し、6番・中谷にも右前タイムリー、トドメが7番・陽川の3ラン。2イニングで6安打6失点という内容でした。
ただし4回に鶴が1点を先取され、6回から登板した田面が6対1とリードしてもらった直後の7回に、4本の長短打と3四球、暴投2つと自身の送球エラーまで重なって6失点。8回に島本がもう1点取られ、結局8対6で負けています。
1年半経って今度は阪神のユニホームを着て投げるところを、そして抑えるところを、もとのチームメイトに見てもらいたかったでしょう。でも試合前はHonda鈴鹿の選手たちと顔を合わせてニコニコしっぱなし、みんなにいじられていたみたいですよ。練習後は一緒に並んでハイタッチも。あとで聞いてみると「あの練習終わりでのハイタッチをいつもやるんですよ。それでお前も入れって言われて」とのこと。なるほど、恒例というか日課なんですね。
また、きのうは奥さんとお子さんも観戦に訪れ「ママ友に会いに来たって感じですかね。試合というよりは」と笑う守屋投手。松田投手がブルペン前で手を振ったり大きなアクションをしていた理由を聞いたら、守屋投手の奥さんに合図していたとか(笑)。「でも気づいてくれなかった」と松田投手は残念そうでした。私も次回、お目にかかれるのを期待しています。