飲み会で好かれる男性は会話のピッチャーではなくキャッチャーである
●今朝の100円ニュース:「382社が最高益」(朝日新聞)
昨夜は渋谷の駅周辺で終電近くまで飲んでいた。奥まった場所にあるマニアックな店まで多様な客で溢れているのに驚く。景気回復は本当なのかもしれない。今朝の朝日新聞によると、東証1部上場企業の2014年3月期決算がほぼ出そろい、集計対象の27.9%にあたる382社が純利益で過去最高に達した。リーマンショック前の2007年以来の高水準らしい。
飲食店が満席に近い状態だと、近くで飲んでいるグループの様子も垣間見えるし、たまには見知らぬ常連客と言葉を交わすこともある。何気なく人間観察をすることなる。すると、「みんなから好かれていて会話の中心にいる人」と「そうでもない人」に分かれることに気づく。
外でおいしく楽しく飲むためには、人から好かれたほうがいいに決まっている。「嫌われてもいい。オレは一人でじっくり飲みたいんだ」と一匹狼を気取るなら自宅で秘蔵の酒でも飲んでいろ、と言いたい。
自意識の強い男性は文脈を無視して下手な冗談を連発してしまうことが多いが、飲みの場で周囲の人から好かれるには「面白いこと」を言う必要はない。一にも二にも「面白いことで朗らかに笑う」が重要なのだ。
自分が「いいなあ」と感じるものに出会ったら素直に喜ぶだけでいい。誰かの何気ない一言やそぶりに趣を見出し、誉めながら感想を伝える。自分のささやかな美点を引き出してもらった相手は当然嬉しい。本音を話してくれる。このやりとりを繰り返していると、その場そのときでしか成立しない親密な会話が広がっていきやすい。
逆に、つまらない自慢話や陳腐なテレビネタなどは聞こえなかったふりをする。どこでも誰にでも話せるようなことは会食の本質である個別性や親密性を奪うからだ。何にでもわざとらしく笑っていると場をむしろ冷やしてしまうだろう。
良い会話をキャッチボールに例えられることが多いが、特に男性はピッチャーではなくキャッチャーに徹することを意識するといいだろう。真っ直ぐで素敵な球を投げてもらったらパーンといい音で捕球する。やや低めでもいい球ならばがんばって拾ってあげる。ただし、とれない球は無理して拾わない。受け手を無視して投げたほうが悪い、と暗に伝えるほうがいい。
守備の要はキャッチャーである。同じように、会食を優しくコントロールし、誰からも信頼されて好かれるのは常に「良き聞き手」なのだ。