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佐々木朗希が大谷翔平と山本由伸とチームメイトになれば…。ローテーションに日本人投手3人は史上初!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
佐々木朗希(左)とダルビッシュ有 MAR 11, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 今オフ、佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)は、ポスティング・システムを利用する(「佐々木朗希の球団が決まるのは、来年の1月15日以降!?」)。契約が成立せず、千葉ロッテに残留することは、まずないだろう。どこに入団するのかは、まだわからないものの、ロサンゼルス・ドジャースと予想する声が多い。

 ドジャースには、大谷翔平山本由伸がいる。そこに、佐々木が加われば、開幕からではなくても、ローテーションに3人が並ぶことは大いにあり得る。

 これまで、1シーズンに3人以上の日本人投手が、同じチームで先発マウンドに上がったことは、見落としがなければ、過去に2度ある。2001年のモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)と、2003年のドジャースがそうだ。

 2001年のエクスポズは、吉井理人が先発11登板(とリリーフ31登板)、大家友和が先発10登板、伊良部秀輝は先発3登板。2003年のドジャースは、野茂英雄が先発33登板、石井一久が先発27登板、木田優夫は先発2登板(とリリーフ1登板)だ。

 2001年のエクスポズの場合、3人がローテーションに揃った時期はなかった。伊良部は、5月から6月にかけて3試合に登板。大家は、7月末のトレードにより、ボストン・レッドソックスからエクスポズへ移籍した。

 また、2003年に木田が先発投手として投げたのは、8月15日と9月27日だ。石井は、7月下旬から8月下旬まで故障者リストに入っていたので、木田がメジャーリーグで初めて先発マウンドに上がった時――先発登板は通算2試合――は、ローテーションにいなかった。

 一方、ドジャースが9月25日~28日に行った5試合の先発投手は、25日が野茂、26日が石井、27日のダブルヘッダーがエドウィン・ジャクソンと木田、28日はウィルソン・アルバレスだ。けれども、これは、シーズン最後の5試合。日本人投手3人がローテーションに揃い踏み、とは言い難い。25日の黒星により、ドジャースのポストシーズン進出は潰えた。そうでなければ、木田ではなく、エースのケビン・ブラウンが投げていたのではないだろうか。

 なお、来シーズンのローテーションに日本人投手が3人は、大谷、山本、佐々木以外のパターンも起こり得る。佐々木に加え、菅野智之(読売ジャイアンツ)、九里亜蓮(広島東洋カープ)、小笠原慎之介(中日ドラゴンズ)、青柳晃洋(阪神タイガース)も、メジャーデビューの可能性がある。今オフにFAとなった日本人メジャーリーガー、菊池雄星藤浪晋太郎上沢直之の3人中、菊池は、ローテーションの一角を担う投手として、新たな契約を手にするはずだ。

 現在、日本人の先発投手は、ドジャースの2人の他に、サンディエゴ・パドレスにダルビッシュ有、ニューヨーク・メッツに千賀滉大、シカゴ・カブスに今永昇太、デトロイト・タイガースには前田健太がいる。この4人のうち、前田が先発投手として投げるかどうかは確定していないが、あとの3人は、怪我に見舞われない限り、来シーズンのローテーションに開幕から名を連ねる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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