ホロコースト時代に書かれた約200冊の日記、デジタル保存に向けてクラウドファンディング
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/satohitoshi/00072500/top_image.jpeg?exp=10800)
第2次大戦中にナチスドイツによるユダヤ人迫害、いわゆるホロコーストでは約600万人のユダヤ人らが虐殺された。ホロコーストの犠牲者の日記といえば「アンネの日記」が一番有名で全世界で既に2700万部以上が出版されている。
ホロコーストの犠牲となったユダヤ人たちの多くは日記を書いていた。だがそれらのほとんどは戦争中に喪失してしまったり、本人ととともに行方知らずになってしまった。それでもホロコースト犠牲者や生存者たちの日記は「アンネの日記」以外にもいくつか残っている。だが、それらは戦後70年以上の時を経て、紙が劣化していることや子孫も高齢化していることから、当時のまま保管しておくことが困難になってきている。
![欧州での逃亡の記録を記した当時の日記(US Holocaust Memorial Collection)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/satohitoshi/00072500/image01.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
「Save Their Stories」
そのためアメリカのホロコースト記念博物館では、ホロコースト犠牲者たちの残存している日記、約200冊をデジタル化して保管し、それらをオンラインで公開していくことを計画。だがデジタル化やオンラインでの公開に向けては、多大な費用がかかることから、クラウドファンディングKickStarterを通じて募金を集めている。目標額として25万ドル(約2,800万円)を掲げている。クラウドファンディングとは、ネットを通じて世界中の人から何かしらのプロジェクトに向けて資金調達を行うこと。今回の日記のデジタル化プロジェクトの名前は「Save Their Stories(彼らの物語を守れ)」。
歴史的な証言でもあるホロコースト時代の日記や当時の写真、絵には1人1人の生きた記録が描かれている。それらをデジタル化することによって、後世に伝えていこうとしている。また今までは紙の日記では誰の目にも留まることがなかった日記も、ネットを通じて世界中の人が読むことができるようになる。
資金が調達できたら、2018年冬までに200冊以上の日記をデジタル化し、2019年春までにはオンラインで公開していき、2019年夏までにはいくつかの日記を英語に翻訳していく予定。デジタル化されオンラインで公開されたら、新たなアンネ・フランクが見つかるかもしれない。
以下はホロコースト記念博物館が募金を訴えるための動画。