【田原市】ひらひらした花が可憐。市の指定天然記念物、藤七原湿地(とうしちばらしっち)のシデコブシ
シデコブシは愛知、岐阜、三重の一部の地域でしか見られない貴重な植物です。渥美半島には天然記念物に指定されている自生地の群落が4カ所あります。今回は田原町椿沢にある藤七原湿地のシデコブシを見学してきたので、その様子をお伝えします。こちらには幼木を含めると1500株ほどが自生しているそうです。
滝頭公園の近くにある藤七原湿地。公園を左手に姫島港線を先に進むと、見えてくるのは衣笠の森入口への案内です。
左折して進み、「藤七原湿地植物群落」と書かれた案内を左に曲がると、少し開けた空間があります。駐車スペースとして利用されている様子でした。
駐車スペースの奥には、藤七原湿地植物群落の看板が見えます。
順路どおり進むと、歩いて5分程でシデコブシの群落地に到着します。
一部の木では花が咲き始めていました。
春の明るい光の中、柔らかな色合いの花は目を引きます。近づいてよく見てみると…風に花弁を震わせるシデコブシの花の姿。シデコブシはモクレン科の落葉小高木(らくようしょうこうぼく)。白やピンクの花を咲かせます。花弁が四手(しめ縄や玉串などにつける白い紙)に似ていることから漢字では「四手辛夷」と書くそうです。日の当たる湿地を好みます。
ふわふわした蕾から花のピンク色が覗いています。色合いは白っぽいものから濃いめのピンクまで多様です。
花弁の枚数は15枚ほどでしょうか。
花弁の形も丸みがあるものと細長いものがあります。花言葉は「歓迎」「友情」だそうです。春らしい言葉だと思いませんか?見頃は3月下旬から4月初め頃といわれています。
天気予報を見ると23日も24日も雨。24日の午前中、花の様子が気になりもう一度行ってみましたが、22日と大きく変わった様子はなく、まだ蕾の花が多かったです。見た目にはわからないけれど、静かに花開く準備をしているのかもしれません。
市内にある天然記念物指定の自生地は以下のとおりです。
藤七原湿地(とうしちばらしっち)植物群落 / 田原町椿沢
黒河湿地(くろがわしっち)植物群落 / 大久保町黒川
椛(なぐさ)/ 田原市伊川津町椛
伊川津(いかわづ )/ 田原市伊川津町宝金
シデコブシは指定群落以外にも滝頭公園などで見ることができます。自生地は植物保護のために立ち入り禁止になっている場所もあるようです。鑑賞できる所から見学や写真撮影などを楽しみましょう!
基本情報
藤七原湿地(とうしちばらしっち)植物群落
住所 : 田原市原町椿沢
田原市 天然記念物 シデコブシ開花情報