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40代ですが何か?別れてもすぐに次を見つけるハリウッドの女性セレブたち

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
破局発表をして5ヶ月のジェニファー・アニストン(49)にはもう次の恋人候補が(写真:Shutterstock/アフロ)

 年齢を重ねるに従って良い出会いが遠のくのは、洋の東西を問わず、シングル女性の悩み。同年齢の男性はもう結婚しているか、していなくてももっと若い女性に目を向けて、パイは小さくなっていく一方だ。

 ただし、それはあくまで一般論。お金をたっぷり持ったセレブ女性となると、話はかなり違う。たとえばつい最近は、ジェニファー・アニストン(49)が、ふたりの男性を新しい恋人候補に考えているという報道が出た。アニストンは今年3月、2番目の夫ジャスティン・セローとの破局を発表したばかり。候補者の名前は明かされていないが、ひとりは最近離婚したばかりの男性、もうひとりは業界でクリエイティブな仕事をしている男性とのことだ。いずれにせよ、たった5ヶ月の間に複数の選択肢が出てくるのはさすがである。日本ではそれほどスターとして認識されていないが、10年続いた大人気コメディ番組「フレンズ」で“アメリカのスウィートハート”の肩書きを得たアニストンはアメリカで最も稼ぐ女性セレブのひとりで、総資産2億ドル(約220億円)と言われている。

 アニストンの最初の夫は、言うまでもなくブラッド・ピット。この超イケメン男の心をアニストンの前に射止めた歴史があるグウィネス・パルトロウ(46)も、なかなかだ。ピットには婚約破棄されたが、その後彼女はコールドプレイのクリス・マーティンと結婚。彼との破局を発表したのは2014年で、その年のうちに、現在の婚約者ブラッド・ファルチャックとつきあい始めている。テレビドラマのクリエーターとしてスター的存在であるライアン・マーフィーとコンビを組むファルチャックは2,000万ドル(約22億円)の資産をもつ成功者だが、女優業よりもウェブサイトGoop.comでボロ稼ぎをしているパルトロウの資産はその3倍の6,000万ドルだ。今年3月にはマーフィー主催で豪華な婚約披露パーティが行われ、アニストン、ジュリア・ロバーツ、キャメロン・ディアスなど大物セレブが出席している。2度目は派手にしてはいけないという決まりは、どこにもないのだ。

 マライア・キャリー(49)が婚約を破棄されてから次を確保するまでも、早かった。オーストラリアのビリオネア、ジェームズ・パッカーが彼女を捨てたのは2015年10月。一方的な破局に激怒しながらも、キャリーは1ヶ月後、14歳年下のバックアップダンサー、ブライアン・タナカとつきあい始めている。当時キャリーは自分についてのリアリティ番組を撮影中で、パッカーとの幸せなシーンも撮っていたのだが、それらを使えなくなったため、寂しいシングルに見えないよう、慌ててタナカを番組に出してきてもいる。ふたりはその後別れたが、今週、彼はラスベガスでのキャリーのショーで踊ったとのことで、復活したのか。キャリーの総資産額は5億2,000万ドル(約574億円)。

 だが、立ち直りの早さという意味でジェニファー・ロペス(48)の上を行く人はいないだろう。若い頃から間が途絶えたことがなく、2004年にベン・アフレックから結婚式数日前に破局された時も、泣きわめくどころか、その5ヶ月後にマーク・アンソニーと結婚してみせるという形でリベンジをしたのが彼女だ。3度目の夫であるアンソニーとは、彼女にしては非常に長い10年続いたものの破局。現在は元ニューヨーク・ヤンキース選手アレックス・ロドリゲス(42)と交際している。

男は昔から金と成功にモノを言わせてきた

 ところでロドリゲスの過去の恋人には、マドンナ(59)が含まれる。マドンナとつきあった時、ロドリゲスは結婚しており、彼の離婚にはこの不倫も大きく関与していたと言われている。そのマドンナもまた、男に苦労しない人だ。2番目の夫ガイ・リッチーと破局したのは2008年だが、その年の末には28歳年下のブラジル人モデルと交際を始めている。その後は英国俳優イドリス・エルバ(45)と噂が立ち、昨年は26歳の恋人を家から追い出して31歳のモデルとつきあい始めたとの報道が出た。マドンナの長女は現在21歳なので、娘と彼とのほうが納得の年齢差だ。

 来月16日で還暦を迎えるマドンナは、今後もこのペースで若い男を手中に収め続けていくのだろうか。もしそうできたとしても、彼女がエリザベス・テイラーを克服できるかどうかは謎である。

 7人の男性と結婚(そのうちのひとりリチャード・バートンとは2度結婚したので、結婚暦は8回)した彼女が最後に結婚したのは1991年、59歳の時。その結婚が終わった2009年には、コリン・ファレルとつきあったりしている。当時はファレルもプレイボーイでならしていたとはいえ、彼は33歳、テイラーは77歳だった。テイラーはその2年後に亡くなっている。死亡当時のテイラーの資産は6億ドル(約660億円)から10億ドル(約1,100億円)の間ということだ。

 ここまで聞くと、お金さえあればおばさんでもおばあさんでも愛を買えるのかと揶揄したくなるかもしれない。だが、それは男ならば昔からやってきたこと。そして男だって、それについては責められてきた。昨年91歳で亡くなったプレイボーイ創設者のヒュー・ヘフナーが2012年に結婚した、孫ほどの年齢の妻(現在32歳)に遺産配分することについても、家族は相当にもめているのである。だが、ヘフナーは、死ぬ時に若い女と一緒にいたかったのだ。自分で稼いだ金をどう使っても、文句を言われる筋合いはない。女にも、それと同じことができる人がいるだけだ。

 だからと言って、「結局はお金」で片付けたくもない。常に外見を磨き続けていることはもちろん、男顔負けの成功を収めてみせた彼女らとつきあうことで、男たちは、いろんな意味で特別の発見や体験をさせてもらえるはずなのだ。「おばさんのくせに、金にモノを言わせて」と言うのは、ただの負け惜しみ。彼女らのようにおばさんになった時にも遊べる選択肢を持ちたいならば、若い女性は日々、キャリアに、自分磨きに、必死でがんばるべきである。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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