ドジャースのラインナップに加わるテオスカー・ヘルナンデスは、長所とともに短所もくっきり
ロサンゼルス・ドジャースのラインナップには、大谷翔平とともに、テオスカー・ヘルナンデスが加わるようだ。ESPNのジェフ・パッサンらが、1年2350万ドルの契約で合意、そのうちの850万ドルは2030~39年に繰り延べ払い、と報じている。
2019年以降、テオスカーは、シーズン25本塁打以上を4度記録している。2019年が26本、2021~23年は、32本、25本、26本だ。短縮シーズンの2020年は、50試合で16本のホームランを打った。この5シーズンの計125本塁打は、23番目に多い。直近3シーズンの計83本塁打も、同じく23位だ。
一方、ここ3シーズンのトータル出塁率.322は、ホームランとは対照的に、1500打席以上の94人中、下から22番目に位置する。通算8シーズンのうち、2020年と2021年の出塁率は.340と.346ながら、他の6シーズンはいずれも.320未満だ。
ここ3シーズンのトータル三振率28.3%は5番目に高く、トータル四球率6.0%は10番目に低い。2021年以降の三振率は24.9%→28.4%→31.1%、四球率は6.1%→6.4%→5.6%と推移している。2023年に500打席以上の136人のなかに、三振率30%以上&四球率6%未満は、テオスカーしかいなかった。
例えば、チームメイトになるジェームズ・アウトマンの三振率は、テオスカーより少し高い31.9%だが、四球率12.0%を記録している。2023年にシアトル・マリナーズでチームメイトだった、エウヘニオ・スアレス(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)も同様。こちらは、三振率30.8%と四球率10.1%だ。
テオスカーは、大谷ほどではないとはいえ、パワーがある。ただ、選球眼を欠き、空振りも多い。
それでも、長所を発揮すれば、ドジャースは、短所には目を瞑ることができる。ドジャースにおけるテオスカーの打順は、これまでの4番や5番ではなく、6番か7番の可能性が高い。
また、外野の守備は、平均もしくは平均未満のレベルだが、送球は正確だ。2022年も2023年も、ライトからの補殺は二桁を数えた。ここ2シーズンに計22度の外野補殺は、レイン・トーマス(ワシントン・ナショナルズ)の計26度に次ぎ、2番目に多い。
ドジャースでは、レフトを守ることが多くなりそうだ。基本的には、左から右に、テオスカー、アウトマン、ジェイソン・ヘイワードが外野トリオを形成し、相手の先発投手が左腕の場合は、マニュエル・マーゴかクリス・テイラーがレフトを守り、テオスカーはライトの守備につくと思われる。