ベテラン天国ニッポンの憂鬱
時代が動いていない。スポーツニュースの映像から流れるカズダンスを見てそう思った。微笑ましい光景ながら、高齢化著しい日本サッカー界の現実を見たような、複雑な気分に誘われた。
開幕戦当日と50歳の誕生日とが重なるカズに、当初からスポットは向けられていた。実際、テレビに映し出されるその姿は輝いて見えた。盛りをとうに過ぎた超ベテランながら、日本においてはスターだ。月ではなく太陽としてこの世界に君臨する。100%歓迎するわけにはいかない。
横浜Fマリノスからジュビロ磐田に移籍した中村俊輔も注目の的だった。
長年、暮らしたクラブを去り、新天地に居場所を求めようとするベテランの姿は、確かに興味深く見える。しかし38歳だ。ドラマ性は認めるが、メインストリームに存在する選手ではない。
川崎からFC東京に移籍を果たした大久保嘉人も、大物の移籍として話題を集めた。13年、14年、15年と3年連続で得点王に輝いているが、昨季は15ゴールでランクは4位タイ。日本代表復帰の目はもはやないに等しい34歳ーーと、言い放ちたくないのだが、これも日本の病状を物語る一件になる。
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