運転手の味方となるドライブレコーダー、選択基準はまず価格(2024年更新版)
最近の交通事情で高齢者の事故とともによく見聞きするのが、あおり運転。【JAFの解説ページ】によるとあおり運転を「後方から車間距離を詰めて威嚇したり、前に割り込んで急ブレーキを踏んだりするなどの悪質かつ危険な行為」と定義した上で、その具体的なものとして「通行区分違反」「急ブレーキ禁止違反」「車間距離不保持」「進路変更禁止違反」「追越し違反」「減光等義務違反」「警音器使用制限違反」「安全運転義務違反」「最低速度違反(高速自動車国道)」「高速自動車国道等駐停車違反」の10類型の違反行為を挙げている。ソニー損害保険が2024年8月に発表した、カーライフの実態に関する調査結果(※)の最新版となる2024年版を基に、あおり運転対策としてのドライブレコーダーについて見ていくことにする。
直近年においては調査が行われていないが、過去の調査対象母集団においては、あおり運転(をされること)の対策として効果があると思うものの最上位にはドライブレコーダーの設置がついた。実に73.9%の人が同意している。
ドライブレコーダーは外部から見えるように(存在を示すシールを貼るなども含む)しない限り、直接あおり運転の被害を防ぐ対策とは成り得ない。万一あおり運転を受けて事故や事件が生じた時に、自分の過失がないことを証明するための物的証拠とする、保険のようなものである。交通事故は第三者による確実な証言や物的証拠がない限り、得てして当事者間の水かけ論となるからだ。
それではそのドライブレコーダーを実際に付けている人において、どのような点を重視して選んだのかを複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。
トップは価格で49.9%。ドライブレコーダーはあおり運転に対する防御装置というよりは保険的な役割を果たすものだが、そのような役割を期待するものに対し、性能のよし悪しや機能の有る無しではなく、価格を求める人が多いのは意外ではある。あるいはコストパフォーマンスとの観点での意味合いだろうか。
次いで画質のよさを求めたもので38.3%。その次は全方位の映像が記録可能というもの、前方だけでなく後方も合わせた映像を記録可能が続く。多方面の記録が可能なものが求められているようだ。あおり運転の特殊性を考えると、理解はできる。
あおり運転はもちろんだが、それ以外の原因による交通事故の際にも、自分の責任度合いを明確にする上では欠かせない証拠となるに違いないドライブレコーダーには、できるだけ多くの可能性に対応してほしいもの。例えば横から他車が突っ込んできた場合、前方しか記録できないドライブレコーダーでは、事故の原因が追及できかねない状態となるかもしれない。
一つ気になったのはフレームレートが高いとする選択肢の回答率が5.2%しかないこと。実際に記録された映像を分析する際には、映像そのものはもちろんだが、それを構成する静止画の分析も非常に重要になる。フレームレートが低い映像では、肝心の部分が記録として残っていない可能性もありうる(極論だが1秒1コマのフレームレートだった場合、コマとコマの間に決定的な瞬間が生じていたら、映像記録には残っていないかもしれない)。
昨今ではそれこそ数千円から手に入るようになったドライブレコーダーだが、自分の証言の確かさを保証してくれる保険のようなものである以上、廉価で適当なもので妥協することなく、十分な性能を備えたものの選択をお勧めしたい。
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※カーライフの実態に関する定点観測的調査
今調査は2024年7月12日から16日にかけて自家用車を所有し月1回以上運転する18~59歳の男女を対象に、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比、10代~20代・30代・40代・50代の年齢階層別構成比は均等割り当て。調査機関はネットエイジア。過去の調査もほぼ同じ条件で実施されている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。