ペレスが2発打ったら、3発返されて…6対0から逆転負け《8/26 阪神ファーム》
きのう26日に鳴尾浜で行われたウエスタン・リーグの阪神-オリックス戦は、初回に3点先取し、4回にもまた3点取って順調に差を広げたタイガース。しかし山本投手、金田投手が0点に抑えてきたオリックス打線に、6回から猛反撃されます。6回に島本投手が、7回は鶴投手が3点ずつ献上して同点。ペレス選手の2本目のホームランで勝ち越したものの、9回に小嶋投手が奥浪選手の2ラン、田中選手のソロを浴びて9対7と逆転されました。これでオリックスとの対戦成績は12勝12敗1分けです。
《ウエスタン公式戦》8月26日
阪神-オリックス 25回戦 (鳴尾浜)
オリ 000 003 303 = 9
阪神 300 300 100 = 7
◆バッテリー
【阪神】山本-金田-島本-鶴-桑原-●小嶋(1勝1敗6S) / 小豆畑
【オリ】佐野(3回1/3)-森本(2/3回)-榊原(1回)-○山田(5勝1敗)(3回)-S小松(3勝3敗3S)(1回) / 伏見-若月(6回~)
◆本塁打 ペレス8号ソロ(佐野)、ペレス9号ソロ(山田)、谷2号3ラン(島本)、奥浪7号2ラン(小嶋)、田中1号ソロ(小嶋)
◆二塁打 陽川2
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]指:緒方 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .234
〃打指:一二三 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .177
2]二:森越 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .299
3]遊:北條 (4-0-0 / 2-1 / 0 / 1) .257
4]左:ペレス (5-3-4 / 0-0 / 0 / 0) .345
5]中:中谷 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .303
6]捕:小豆畑 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .218
7]三:陽川 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .220
8]一:西田 (2-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .211
〃打一:黒瀬 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .185
9]右:横田 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .216
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
山本 3回 44球 (4-3-1 / 0-0 / 1.55) 142
金田 2回 24球 (0-1-0 / 0-0 / 4.50) 147
島本 1回 22球 (3-1-0 / 3-3 / 5.30) 146
鶴 1回 37球 (2-1-1 / 3-2 / 3.14) 149
桑原 1回 21球 (0-0-0 / 0-0 / 2.91) 143
小嶋 1回 27球 (2-1-2 / 3-3 / 1.95) 142
経過1 前半は6対0とリード
山本は1回が先頭・宮崎へ四球を与えながらも3人で片づける立ち上がり。その裏に打線は緒方、森越の連打と北條の四球で無死満塁として、ペレスが右前へ2点タイムリー!なおも1死一、三塁で中谷の右犠飛で北條が生還。3点を先取しました。2回の山本はT-岡田からカーブで空振り三振を奪ったあと、谷と坂口の左前打で1死一、二塁となり山本の中前打で谷がホームへ。しかしセンター中谷の補殺により、3連打されながら無失点!
3回は2死からヒットを許すも問題なし。山本は3回を投げ4安打無失点で交代しました。ついで金田が登板。4回はT-岡田を空振り三振、谷と坂口を右飛(ライト横田が右へ左へランニングキャッチ!)の三者凡退。5回は中飛、右飛、左飛の外野フライ3つで三者凡退と、2イニングを完ぺきに抑えました。
その間に、打線は4回の攻撃でペレスがライトへ8号ソロ!中谷の左前打(サード堤がグラブに当てるも捕れず)、小豆畑は二ゴロ進塁打で1死二塁として、陽川が左中間へタイムリー二塁打!西田の右前タイムリーで陽川も生還!横田は二ゴロで併殺…と思ったらセカンド岩崎のグラブトスをショート宗が受け取ったあとにお手玉してしまい(宗のエラー)、緒方は四球を選んで1死満塁。ここは後続を断たれましたが、打者9人で3点追加して6対0とリードを広げます。
経過2 後半に9失点で逆転負け
6回に登板した島本は先頭の宮崎に右前打、2死を取ったあとT-岡田に右前打されて2死一、三塁となり、続く谷がレフトへ3ラン。7回は鶴が代打・竹原の右前打と堤の四球に続いて9番・宗の左前タイムリー。さらに若月のバントした打球を鶴は三塁へ送るもセーフ(犠打野選)で満塁。1死後に伏見の遊ゴロで堤が生還(伏見の打点)。この打球がイレギュラーしたため、バウンドを合わせられず後ろへ逸らした北條のエラーで宗も生還。この回3点を返されました。
6対6と追いつかれた直後の7回裏、1死からまたペレスが、今度はレフトへ9号!1点勝ち越して、8回表は桑原が三者凡退に斬って取ります。そして9回は小嶋。2死を取ってこのまま逃げ切るかと思われたのですが…途中出場の小島に四球を与え、やはり途中出場の奥浪に2ボールからの3球目を左中間へ。逆転の7号2ランを浴びました。さらに代打の田中にも左中間へ1号ソロ。2者連続ホームランで9対7となり、その裏は小松の前に三者凡退。試合終了です。
「中継ぎとして投げた」先発の山本
「きょうは“先発”じゃありません。中継ぎです」。中継ぎとしての3イニングだった、という山本投手。無失点ですが、2回に3連打もありましたね。「いろいろ試したいこと、1軍で試せなかったことがあったし、バッターを見ながら投げたかったので。左バッターをどう抑えるかとか、リリーフとしてのピッチングをしたかった」。それはうまくいった?「納得いかないところもあります。カウントを悪くして打たれたり。中継ぎはカウントを悪くしても抑えないといけないのに」
また、スライダーを少し変えたと山本投手は言います。「今までは135キロや136キロの、カットボールみたいな曲がりの小さいスライダーを投げていたので、ちょっと変えてみようかなと。握りとか、振る腕の高さとか、切り方とかを変えて曲がりを大きくしたんです。試合では、きょう初めて使ってみました」。それで三振も奪い、手応えはあったようですね。
金田、スライダーを極める
金田投手については、まず久保投手コーチの話からご紹介します。「気がついたかな?全打者に対しての初球が全部スライダーだったこと」。そういえば、4回の先頭・T-岡田選手に変化球、変化球という入りで「あれ?」と思いました。スコアを見てみると、確かに初球はみんな変化球ですね。「相手の待っているものが、それで見えてくるんですよ。バッターとのかけ引き。見えてこないで、ただやみくもに力勝負いっちゃダメ。それが、きょうの鶴、島本…」と後半に打たれた投手の名前が出てきました。
「自分が1軍で、どこでつまずいているか。苦しまぎれの真っすぐと言われる、それをわかるために金田は今ものすごく勉強していますよ。投げる球の8割がスライダー、スラーブという練習に取り組んでね。スライダーの精度を上げて、いつでも使えるようにして。だからきょうはよかったよ!いいものが出た」。そう言ってうなずく久保コーチです。
金田投手本人は「ファームに落ちてきて、真っすぐ以外でカウントを取れるように使い分けられたらと思って。それで速いスライダーと遅いスライダーの2種類を投げている」と話していました。なるほど、2球ほどあった118キロの緩いスライダーが“遅い方”なんですね。今回の結果、内容は?「今までやってきたことを出せたと思います。変化球でカウント取れたりとか。きっかけはつかめたんじゃないかな、と」。ここからの金田投手に期待しましょう。
3失点ずつの3投手、そして小豆畑捕手
6回に3安打で3点を失った島本投手は、谷選手に浴びた3ランに「真っすぐです。甘かった。次はしっかり抑えます」と悔しさいっぱいの表情です。鶴投手は7回に2安打ながら自身の野選や味方のエラーもあって3失点(自責2)。でも初球から149キロを連発しました。竹原選手に打たれたのも149キロだったものの、これは自身プロ最速です!そして9回の小嶋投手は許した2安打が逆転2ランとソロ。同じく3失点です。
フルでマスクをかぶった小豆畑選手は「ボールカウントを悪くして、勝負して打たれた」と後半の9失点に反省しきり。0点に抑えていたところで初失点となった6回の3ランは「谷さんは1球目から勝負いって…完全に読まれていました」と、島本投手に投げさせた真っすぐを悔やみます。
なお小豆畑選手は公式戦初の6番!でした。これまで先発出場では7番より下の打順しかなかったので、非公式戦も含めて初めてだと思ったら、あったんですよ。ことし3月5日の教育リーグソフトバンク戦(雁の巣)で6番が。しかもサードで!そうそう、2月のキャンプから内野陣に故障者続出で人手が足りなかった頃ですよね。エラーもなく無事に済んでいます。あ、失礼。
というわけで、プロ初ではないけれど公式戦初の6番起用に「応えたかったんですけど…。うしろの2人(陽川選手と西田選手)が打っているので、また指定席に戻ると思います」と苦笑い。4回の進塁打もよかったし、7回の右飛は他の球場なら入っていたかも、という当たりでしたが「でもバッティングより、やっぱりキャッチャーです」と逆転負けに猛省の小豆畑選手。「血がにじむほど唇を噛んでいた、と書いといてください」と。血はにじんでいませんが、相当悔しかったであろうことは十分に伝わってきました。
4打点のペレス、二塁打2本の陽川
初の1試合2本塁打だったペレス選手。「1本目は真っすぐ、2本目は外寄りのカープ。打った瞬間にすぐわかりました」。少し調子が落ちていたように思いますが、先週の広島戦(由宇)で22日は2ランを含む3安打3打点、23日は2安打と、また戻ってきたのでは?「自分のやるべきことをしっかりした。アプローチを作って試合に出せるよう意識している」。26日は3安打4打点、ホームランはチームトップの9号となりました。打率も.345です。1軍でのチャンスが訪れることを願うのみ。
陽川選手は4回に左中間へのタイムリー、6回は左翼線と2本の二塁打を放っています。2回のライナー性の左飛もいい当たりでしたが、この日のバッティングについて「悪くはなかったと思います。これを続けていくことですね」と謙遜気味の本人コメント。これまで、どこが悪かったのかと尋ねたら「ちょっと前まで、それがわからなくて…結果も出ていなかったけど、残留中に試合のことを気にせず、自分のバッティングを考える時間があった」と言います。
先週後半の由宇遠征は参加せず、鳴尾浜に残っていた陽川選手。「考える時間もいっぱいあって、練習して、きょうはゼロからという感じでやった。その結果、ヒットが出たのでよかったかなと思います」。ゼロから?「いろいろ考えたことはいったん振り出しに戻して、打席の中では何も考えずに振っていったんです」。いいきっかけになったそうで「続けられたらいいと思う」と前向きな表情でした。
奥浪鏡、値千金の7号2ラン
最後は、9回に決勝の2ランを放ったオリックス・奥浪選手の話を。小虎日記なのに…しかも逆転負けしたのに…と言われそうですが、オリックスはご近所さんってことでお許しください。1軍メンバーの参戦などもあってスタメンを外れた奥浪選手。8回の守備から出場したものの、7対6と阪神がリードして9回の攻撃も2死ランナーなしと小嶋投手に抑えられ、あと1人で終われば出番もないところでした。
しかし前の小島選手が死球を選び、土壇場で回ってきた打席。「ホームランを狙っていたというか、試合に出るなら打席に立ちたかったし、立てるってことになったので集中していました!」。ソフトバンクのカニザレス選手と並んでリーグ最多だった打点も2つ加えて46打点となり、単独トップに立っています。さすが打点王、いい仕事ですねえと言ったら「まだ打点王ですか?単独?やった~(笑)」という返事。
1軍に行きたいね。「行きたいですよ!」。我々も1軍で放り込むところを見たい、同級生の横田選手とともに、と思っています。そうそう、横浜隼人高校からオリックスに入ったルーキー・宗選手も、きのう26日の7回に鶴投手から打った左前タイムリーが公式戦プロ初打点だったんですよね。おめでとうございます!