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オートバイのあれこれ『実はオフロードバイク!TW200』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今朝は『実はオフロードバイク!TW200』をテーマにお話ししようと思います。

私は以前、ヤマハの『TW200』というオートバイを所有していたことがあるので、今回はTWの話をしましょう。

TWに対して、ストリート系バイクというようなイメージを抱いている人も少なくないでしょう。

2000年(平成12年)頃、当時放送されていたドラマの影響などもあって、TWが若者を中心に大人気となりました。

▲2000年前後の「ストリートブーム」で脚光を浴びたTW(画像引用元:ヤマハ発動機)
▲2000年前後の「ストリートブーム」で脚光を浴びたTW(画像引用元:ヤマハ発動機)

性能を上げるためではなく、見た目のアレンジを楽しむカスタム(スカチューン等)がTWを中心としたバイクで流行し、TWはファッションアイテム的な目線で愛されるようになったのです。

TWにストリート系のイメージが根付いたのは、そういう背景からですね。

しかしTWは実のところ、そういう楽しみ方をするために生み出されたバイクではありません。

元々はオフロードバイク、もっと厳密に言えば、自然の中を冒険するためのアドベンチャーバイクなのです!

カスタムシーンでは「個性的」ということで注目を浴びた極太のバルーンタイヤは、ぬかるみや砂浜などでもしっかりグリップするように投入されたものですし、スリムかつ足つきに優れる車体も、獣道のような狭いルートを堅実に走破できるようにと設計されたものでした。

▲元来はアドベンチャーバイク(画像引用元:ヤマハ発動機)
▲元来はアドベンチャーバイク(画像引用元:ヤマハ発動機)

私もTWを入手してからその“本来の姿”を知り、TWの本性を体感したくて、仲間と一緒に林道へ出かけたりしていました。

私の感想として、TWは想像以上に走破性が高いです。

「走破性が高い」というのは、ガンガンエンジンを回してアグレッシブにオフロードを突き進めるという意味ではありません。

サスペンションストロークが短く、エンジンパワーも16psと小さいTWでは、自然の中の障害物を「ゆっくり」「着実に」クリアするという形で走破していきます。

「エンデューロ的な乗り方というより、トライアル的な乗り方で楽しむ」と言えば伝わるでしょうか。

両足で地面に踏ん張り、極太タイヤをしっかりと路面に押し付けて前へ進んでいくというのが、TW流の走り方と言えるでしょう。

▲林道ツーリングも楽しめます!
▲林道ツーリングも楽しめます!

本格派のオフロードモデルのようにスイスイと、時にはジャンプなんかしながら走るということはTWにはできないものの、その特性を理解してトコトコ操れば、TWは見た目以上に山中でも頑張ってくれます。

中古車ではストリートカスタムが施された街乗り仕様のTWがとても多いですが、もし“本来の姿”のTWを手に入れる機会があれば、ぜひTWの“本来の楽しみ方”を自然の中で味わってみてほしいですね。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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