揺らぐ「K防疫」! 「コロナ拡大」に危機感を深める文在寅政権
韓国中央防疫対策本部によると、昨日(24日)の韓国の新規感染者は280人。一日の感染者三桁は13日(103人)から12日間続いている。
首都圏での感染拡大が止まらず、280人のうち212人が首都圏に集中していた。内訳は、首都ソウルは134人、京畿度が63人、仁川15人となっている。
首都圏以外でも全国17の道・市のうち大田市(10人)、忠清南道(9人)、江原道(8人)、大邱市(5人)、光州市(5人)、釜山市(3人)、済州市(3人)など12か所で新規感染者が確認されている。
首都圏を中心とした感染拡大はソウルの新興宗教団体「サラン第一教会」の集団感染が原因だが、この教会での感染者は8月11日から2週間で延べ875人に達している。このうち176人が15日にソウルで開かれた反文在寅集会出席者だったことが確認されている。
韓国中央防疫対策本部は15日に279人と、3月8日以来最多の感染者が確認されたことから翌16日にソーシャルディスタンス(社会的距離の確保)を第2段階に引き上げていた。現在、屋内は50人以上、屋外は100人以上が集まる会合、集会、行事はすべて禁止されている。
(参考資料:防戦一方の「コロナ感染対策」! 韓国は事実上「緊急事態宣言」状態!)
博物館、図書館、美術館など公共施設、社会福祉施設や児童館などは休館しており、展示会、コンサート、結婚式、同窓会、祝賀会、パーティ、講演、採用試験や資格試験なども禁止されている。クラブ、ルームサロンなど遊興施設、カラオケ店、居酒屋、ジム、ダンス教室、ビュッフェ、インターネットカフェも営業が規制され、野球、サッカーも再び無観客試合に戻っている。
一般の飲食店、映画館、銭湯、サウナ―、室内の体育施設、葬式場などは運営できるが、「屋内50人以下、屋外100以下」を遵守し、出入者の名簿作成などの防疫規則を遵守しなければならない。違反すれば、300万ウォン(日本円で約27万円)の罰金が科せられる。
こうした厳しい統制を強いているにもかかわらず感染拡大を抑え込めず、直近の1週間は246人(17日)、297人(18日)、281人(19日)、324人(20日)、322人(21日)、397人(22日)、266人(23日)と推移している。
韓国の一日の新規感染者は3月に大邱市の宗教団体「新天地イエス教会」の集団感染が原因で686人の日もあったが、4月、5月、6月は三桁が一度もなく、4月は多くて94人(4日)、5月は79人(27日)、6月は62人(27日)が最多であった。また7月も三桁は24日(113人)の一日だけで、それ以降は8月初旬までは平均20人台から40人台で推移していた。
月別の累計感染者数は4月941人、5月727人、6月1332人、7月1491人と微増しているが、8月は24日現在ですでに累計で3602人に達している。数もさることながら、深刻なのは、新規感染者のうち60代以上の高齢者が30%を超えていることだ。重症患者の増加に伴い病床、医療装備及び医療スタッフ不足が深刻化し、医療システムの崩壊が懸念されている。
このため首都圏では早くも幼稚園と小・中・高校(高3だけは除外)及び特殊学校は明日(26日)から休園、閉校となり、来月11日までオンライン授業に切り替えられる。幼稚園も同様である。遠隔授業はソーシャルディスタンス(社会的距離の確保)が最高レベルの第3段階に引き上げられた際にとられる措置だが、首都圏の拡散を憂慮し、早めに対応せざるを得なかったようだ。
第3段階では10人以上の行事や会合が禁止される。すべての公共施設は運営を中止し、民間施設も感染リスクが高いと指定された業種だけでなく、公衆浴場や学習塾など中程度のリスクと指定された施設も運営中止を余儀なくされる。レストランなども夜間営業を中止しなければならない。
第3段階への移行基準は▲2週間の感染者数が一日平均100人から200人以上▲新規感染者数が前日より2倍に増加するケースが1週間に2回あった場合に医療体制、社会・経済的コスト、地域の特性などの要素を考慮して防疫当局が実施を決定されるが、3段階突入は時間の問題となっている。