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沖縄が梅雨入り どうなる今年の梅雨?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
気象庁 気象衛星赤外画像(2013年5月14日)

今日(14日)、全国のトップを切って、沖縄地方が梅雨入りしました。沖縄の梅雨は東南アジア全体の雨季(モンスーン)にあたり、いよいよ、北半球は夏になったと言えます。今年の梅雨はどうなるのでしょうか?

1.梅雨は貴重な水がめ

梅雨の雨はうっとうしいイメージがありますが、沖縄では一年に降る雨の約6割が梅雨と台風によってもたらされるため、空梅雨は水不足の危険性をはらんでいます。

那覇の梅雨の雨量は平均すると445.5ミリですが、多い年には1129.0ミリ(1969年)、少ない年には56.0ミリ(1991年)と、その差は約20倍にもなります。

ちなみに、東京では多い年と少ない年の差は8倍です。大雨被害がない程度に、雨が降ってほしいのが本音でしょう。

2.どうなる今年の梅雨?

沖縄の梅雨入りは平年ですと、5月9日ですから、今年は5日遅い梅雨入りとなりました。沖縄の梅雨入りが遅くなったのだから、本州の梅雨入りも遅くなるのではないかと思うのが自然ですが、関東地方の梅雨入りと比べてみたところ、特別な傾向は見られませんでした。沖縄と関東地方の梅雨入りは約1か月違うため、その間に天気の傾向が変わってしまうようです。

日本の気象庁の予想によると、6月の降水量は平年並みの見通し。平年の関東地方の梅雨入りは6月8日です。

3.インドは100年以上の歴史

今年の梅雨は例年通り・・・では意味がないと文句をいわれそうですが、もともと、梅雨入り、梅雨明けは気象庁の予報官が決めるため、どちらかというと、予報官の心理を予想するといった方が正しいかもしれません。

でも、世界では梅雨の予報を科学的に100年以上前から行っている国があります。それはインドです。インドでは水源のほとんどを夏のモンスーンに依存するため、この時期の少雨は厳しい干ばつ、水不足を意味します。そのため、インド気象局は世界に先駆けて、1886年(明治19)6月に公式のインドモンスーン予報を発表しました。

では、先日、インド気象局が発表した今年のモンスーン予想をみると、平年並みの可能性が最も高く、46%の確率だそうです。やはり、ここでも平年並み・・・

インド気象局(India Meteorological Department,IMD)

「Long Range Forecast For 2013 South-west Monsoon Season Rainfall」

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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