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「こどもの日」はお母さんに感謝する日:良い子に育てる心理学

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:子どもたち、みんな元気に育て。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

■「こどもの日」とは

「こどもの日」とは、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことが趣旨である祝日です(祝日法2条)。

こどもの日は、子どものための日だと思っていたら、お母さんに感謝する日でもあったんですね。

もちろん、5月5日端午の節句は、子どもの健やかな成長を願う日でもあります。こどもの日は、子どもの体の健康だけでなく、元気で優しく良い子になれという親たちの願いの日でもあるでしょう。

■子どもを良い子にするために:こどもの人格尊重

親は子どもの幸せを願います。社会全体も、子どもがより良く育って欲しいと願います。では、どうすれば子どもはスクスクと育つのでしょうか。

最も大切なことは、こどもの日の意味の中にあります。

まず、「こどもの人格」を重んじることです。

教育の目的も、「人格の完成」です(教育基本法第一条)。

人格の完成とは何でしょう。これは難しい問題ですが、私は、その子がその子らしくなることだと思います。その子どもが、みんなとケンカし、やけを起こし、いじけて生きるようでは、その子らしくない人生です。

その子が、その子らしさを生かしていけるように、しつけや教育をします。たっぷり愛して、いろんな経験をさせて、叱るときは叱ります。

そうして、その子は生きていくのに必要な知識や技術や態度を身につけ、自分の特徴を生かして、その子らしく生きていきます。

その子の人格を軽んじるような育て方では、健やかに育ちません。

■子どもを良い子にするために:幸福をはかる

子どもの幸福とは何でしょうか。高価なランドセルや立派な学歴や美味しいケーキでしょうか。

それも良いですが、心理学の研究によれば、幸福な人とは、「ありがとう」が言える人であり、世のため人のために行動できる人であり、目標を目指して一生懸命活動できる人です。

子どもに、そのような活動のチャンスを与えることが大切です。

■子どもを良い子にするために:母への感謝

母への感謝、父への感謝、祖父母への感謝、子どもに関わる全ての人への感謝です。これは、保護者や大人が良い気持ちになるためではありません。

感謝できる人は、幸福になれるからです。

それぞれの家庭には、それぞれの事情があります。子どもたちもいろいろです。困難を背負っている子もいます。

けれども、「お母さん大好き」と言える子は、例外なく幸せな子だと、私は思います。

今日は「こどもの日」。子どもたちから感謝してもらえるような、そんな大人になりたいものです。

社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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