三つ巴の昇格争い 最後に登板した島本投手は… 《7/19 阪神ファーム》
オールスターが終わり、ウエスタン・リーグの他の4チームはもう公式戦を再開していますが、阪神はあす21日から後半戦開幕です。今回は阪神甲子園球場にソフトバンクを迎えての3連戦で、すべてナイトゲーム!今回はファームも『ウル虎の夏』と銘打って、1軍と同じ“ウル虎イエローユニホーム”を着て戦います。このウル虎ジャージ付チケットの販売(各試合500枚限定)がある他、試合前イベントも予定されています。
★21日 試合直前の選手によるトークショー
★22日 選手によるスピードガン対決
★23日 スタメンキッズ(ファンクラブKIDS会員対象)
ことしは、これが最後の甲子園開催となります。ぜひ夕涼みがてら皆様おそろいでお越しください。
練習試合3つ目は引き分け
その前に、鳴尾浜では17日から19日まで独立リーグを迎えての練習試合が行われました。四国アイランドリーグplus(17日は香川、18日は高知を除くリーグ3チームの選抜)に続き、19日はルートインBCリーグの北陸選抜チーム(富山、石川、福井、滋賀)と対戦。リーグ新加入の滋賀は、阪神や楽天で活躍した上園啓史投手が監督(投手兼任)を務め、おなじく元阪神の西村憲投手が所属しています。
滋賀とは4月5日にも練習試合を行っているので、西村投手の登板もそれ以来ですね。前回はかなり打たれたけど、きのうはしっかり抑えました。なお福井でプレーしている岩本輝投手は来ていなかったので、それがちょっと残念。試合は4回に3点を先取された阪神ですが、その裏に長坂選手が2点タイムリー二塁打!8回には陽川選手がソロホームランを放って追いつき、そのまま引き分けでした。
なお、この3試合は17日が青柳投手、18日が岩田投手、そして19日は島本投手がともに先発で3イニングずつを投げたんですよね。誰が1軍の先発枠をつかむのか…気になるところです。
《練習試合》 7月19日
阪神- BCL北陸選抜 (鳴尾浜)
北陸 000 300 000 = 3
阪神 000 200 010 = 3
※申し合わせにより9回引き分け
◆バッテリー
【阪神】島本-石崎‐藤谷‐田面 / 長坂-小豆畑(7回~)
【北陸】藤岡(福井)-鈴木(滋賀)-ロレンゾ(滋賀)‐藤原(福井)‐西村(滋賀)‐寺田(石川)-竹林(富山)-寺岡(石川)‐保田(滋賀) ※すべて1イニングずつ / 山本(滋賀)‐片山(福井 6回~)
◆本塁打 陽川ソロ(寺岡)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]遊:北條 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃遊:植田 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0)
2]二:板山 (5-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]右:キャン (1-0-0 / 0-2 / 0 / 0)
〃右:森越 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
4]三:陽川 (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0)
5]一:新井 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃一:西田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
6]指:狩野 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:今成 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
7]左:江越 (3-2-0 / 1-1 / 3 / 0)
8]捕:長坂 (2-1-2 / 1-1 / 1 / 1)
〃捕:小豆畑 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]中:緒方 (4-1-0 / 0-0 / 1 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
島本 3回 37球 (3-2-0 / 0-0) 142
石崎 2回 43球 (7-1-0 / 3-3) 152
藤谷 3回 26球 (0-0-0 / 0-0) 144
田面 1回 16球 (0-0-1 / 0-0) 142
<試合経過>
先発の島本は1回、先頭の泉(滋賀)に中前打されるも長坂が盗塁阻止。そのあと連打で1死一、三塁としますが、4番・松本(福井)をピッチャーゴロに仕留めて併殺。2回と3回は三者凡退で終えました。4回は石崎が登板し、先頭に内野安打、3番・河田(富山)には右前打されるなど1死二、三塁として5番・前本(滋賀)の三ゴロで1点を先取されます。
続く河本(石川)にタイムリー内野安打、片山(福井)にも左前打を許して8番・山本(滋賀)の右前タイムリー。この回、6安打で3点を失いました。5回は1死から内野安打と盗塁、そこに長坂の送球エラーもあって2死三塁となりますが、追加点を与えていません。すると、その裏に打線が反撃。
1回は2四球のみで0点。2回は2死から江越が左前打して二盗を決め、四球を選んだ長坂とともに重盗成功!2死二、三塁としたのですが、ここは無得点。3回はキャンベルの死球だけでした。そして3点を先取された直後の4回裏、1死から狩野がショートのエラーで出て、江越は四球を選び一、二塁。次の長坂が右翼線へタイムリー二塁打!2人を還して1点差とします。しかし5回は西村(滋賀)の前に三者凡退で前半終了。
6回は藤谷が登板。いきなり108キロのカーブで一ゴロに打ち取り、以降も緩急おりまぜて8回まで3イニングを完ぺきに抑えました。打線は6回が2死から江越の中前打と二盗、7回は先頭の緒方が中前打と二盗(さらにキャッチャーの送球エラーで三塁へ)と走者は出すものの得点には至らず。でも、3対2で迎えた8回裏に先頭の陽川がレフトへソロ!これで追いつきました。
9回は連投の田面が、2死から四球を与えながらも無失点。その裏は先頭の小豆畑が左前打しただけで、結局3対3の引き分け。ちなみに阪神が6安打、BCL北陸選抜は10安打です。
岩田か、島本か、青柳か
試合後の掛布雅之監督は、島本投手について「うーん、まあでもゼロで抑えたわけだし。上がどっちを言ってくるかだよね。対戦相手もあるので。青柳はまだいい状態じゃないけど、横(投げ)がいいと言われるかもしれない。今は島本と岩田が上にいるけど、青柳にはあれだけ巨人が苦手意識を持っていたし。3人とも準備はしておかないとね」とコメント。
そして「3人がいい刺激をしあっていて、いいんじゃないの?岩田も危機感を持っているでしょう。非常に丁寧なピッチングしていた。島本も、やっとつかんだとこ。こういう刺激のしあいはいいことですね。野手にしても、これがもっと増えてこないと」とのことでした。
久保康生投手コーチにも同じ話を聞いています。「青柳は今のところ、まだ修正がいるなってとこ。無条件で使えるのは岩田と島本ですね。手を加える必要がないのは」。ただ、この日の島本投手はあまり好調ではなかったようで、いきなりの3連打もありました。「相手を見てるなって感じ?それも島本の良さ。しゃかりきでありながら、図太さもないと。やってきた中での、自分に対する余裕はあっていいと思いますよ。そうは言っても、まだ完ぺきな1軍ではないので、勉強は必要」
近くにいるライバルが高めあう
また藤谷投手に久保コーチは「とにかく真っすぐが課題。真っすぐが来るようになれば、1軍で通用すると言ってあります。変化球に加えて、いい味付けの真っすぐ。あれだけの長身で落差もあるし」と、引き続きストレートを磨くように注文しました。前日に3イニングを投げた浜地投手については「ずいぶん力強さが出たね。自分でも、こうやれば伸ばしていけると手応えがあるだろう」と話しています。
そのあと久保コーチは「この前のオリックス戦(7月8日・舞洲サブ)で浜地が3回無失点といいピッチングしたのを見て、才木は発奮したはず。いいライバルですねぇ、才木と浜地」と同い年のルーキー2人を評して、さらに「そういえば藤浪がきょうブルペンで才木と並んで投げていて、真横で才木の球を見ていたよ。じーっと。それで藤浪も“お前たち後輩に負けてたまるか~”と、彼らの王様になってほしいよね。そこに望月も入ってくるわけだし」とニヤリ。おお~楽しみですねえ!
望月惇志投手はまだ打者に対して投げていませんが、今月中にシートバッティングをして来月あたりのゲーム登板となりそうです。
「投げながらよくなる感じ」と島本
では、お待たせしました。選手のコメントをご紹介しましょう。島本浩也投手は「あんまりよくなかったです」という第一声。それでも失点はしなかったわけで「はい、点はどんな状態でも取られないようにしようと思っています」とキッパリ。そこは成長ですね。1軍昇格を睨んで、岩田投手や青柳投手との“三つ巴”はプレッシャーかと聞いたら「それはないです。いつも通り投げるだけなので」という返事でした。
ずっと機会がなかったのですが、7月12日の広島戦(鳴尾浜)で5回パーフェクトと素晴らしいピッチングを披露した話を聞いてみました。先発で5回を投げ、ノーヒットどころかパーフェクトってすごい!「どこまでいけるかなというのは、やりたかったですね」。もっといけそうな感じもあった?「まあ6回あたりに、ヒットくらいはあったと思いますけど」。でも0点は続けられたかもしれません。見てみたかった気もします。
調子はよかった?「それはそれなりによかったですけど。でも絶好調ってわけではなかったんですよ。投げながら調子よくなっていった感じ」。へえ~そうだったんですね。そんなことはよくある?「そうですね。投げる前に調子いいとは思っていないけど、先頭を抑えてからよくなってくる感じがしたり。そういうの多いです」。“投げながらよくなる”というのは、なんだか頼もしい。「先発なので」。なるほど。ことしこそ先発デビューがありますように。
藤谷は変化球を軸に3回完全
藤谷洸介投手は「今まで真っすぐ、真っすぐだったんですけど、きょうは変化球で。自分のピッチングを心がけました」と振り返ります。ここで通りがかった浜中打撃コーチに「初球にカーブはないやろ~!」と突っ込まれ苦笑い。「やっぱり変化球は投げやすかったですね。それに真っすぐでファウルも取れたし。真っすぐはずっと練習しているので、よくなっているかなと思います」と続けました。この日の最速は144キロで「常時144キロは出したいですね」と藤谷投手。練習では引き続き、真っすぐを中心にやっていくそうです。
昨年まで所属したパナソニックが15日、都市対抗野球の1回戦を突破した話になり、ルーキーの吉川峻平投手が完投勝利だったと言ったら「だって、背番号がいいでしょう?」とニヤニヤ。そうそう、19番。誰かさんの番号でした。「僕が彼に譲ったんですよ」。え、ほんと?それはすごい。「嘘です。たまたまです。話を盛り上げました(笑)」。…でも背番号を引き継いだ選手だから、活躍してほしいですね。負けずに藤谷投手も頑張りましょう。
最後は、同点ホームランの陽川尚将選手です。「それまで全然よくなかった」というように、見逃し三振、三ゴロ、空振り三振で迎えた4打席目でした。152キロの直球を打ったもの。これからも「速い真っすぐを一発でしとめることをやっていく」と話しています。もう一度昇格して、今度は1軍で打ってください!